作業従事:クライアントはどのように変化を達成するのか 〜MOHO人間作業モデル〜
作業従事 occupational engagement
クライアントが行い、考え、感じること
変化の真の原動力は、クライアントが行い、考え、感じること(=クライアントの作業従事)である
変化に対する貢献要因
選択する/決定する (choose / decide):
クライアントの選択と決定は効果的な作業療法の要である
探索する (explore):
人々が新しい物事を試みること。探索は、自分の能力、好み、価値につ
いて学ぶという変化の第一段階である。
探索は、比較的安全で多くを求めない環境を必要とする。探索している人は、能力や欲求をまだ確信できていないために、環境内の情報と機会が極めて重要である。
練習する (practice):
特定の遂行や参加を続けること
再検討する (reexamine):
以前の信念、態度、感情、習慣または役割に代わるものをじっくりと考えること。
考え、習慣、責任、そして物事を行うやり方を捨て去ることは必ずしも簡単なことではないが、クライアントがそれらのことと関連している問題を認めることができ、また、選択肢を見つけ出すことができない限り、変化は起こり得ない。
交渉する (negotiate):
相互の合意を作り出し、妥協点を見つけ出すために、他人とやり取りをすること。
その人の環境内の他人との交渉は、役割を効果的に果たすために、そして、社会的な流れに参加するために、極めて重要である。
継続する (sustain):
時間をかけて努力を続けること。変化は時間をかけての反復した行為を必要とする。
約束する (commit):
自分自身に行動の義務を課すこと
明らかにする (identify):
作業遂行と作業参加のための解決法を見つけたり、意味をもたらす新しい情報、代わりとなる行動、新しい態度、新しい感情などを見つけ出すこと。
この情報を見つけ出すということは、作業療法士との話し合い、自省、選択肢の検討、あるいは、フィードバックの検討といった過程からもたらされる可能性がある。
明らかにすることは、クライアントがこれまでに認識が欠けていた事柄への洞察にかかわっている。そうした洞察は、それが行うべき事柄や決定を導くべき事柄を知るために極めて重要な情報をその人にもたらすがゆえに、変化を支援する。
〜参考文献〜
人間作業モデル[理論と応用]改訂第4版 改訂第5版