「出遅れEV」と呼ばれたソニー・ホンダは本当に遅れているのか
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1809A0Y3A211C2000000/
日経は、ソニー・ホンダモビリティのAFEELAを「出遅れEV」と呼んでいる。
ちょっと悪意を感じる呼び名だが、AFEELAの様な「車内エンタメ&コミュニケーションが得意なEV」の方向性は、今後間違い無く注目される様になるだろう。
何故かと言えば、将来的に自動運転EVにおいては、車内のプライベート空間をどう快適に過ごすかが、ハンドリングや動力性能よりも大きな差別化ポイントになるからだ。
今現在はAFEELAは、ただのコンセプトカーでしかない。他社と比べたら「出遅れ」を感じるかもしれない。
しかし、狙いを考えればローンチまでの時間軸は、決して遅い訳じゃ無い。ただ、EVの車内エンタテイメントのコンセプトは早過ぎてピンとくる人がいないというだけだ。
AFEELAの焦点は、高性能バッテリーと自動運転ソフトウェアがコモデティになり、充電インフラが行き渡った後の世界にあるのだ。
テスラを観ると、非常にわかり易い。
テスラは早い段階で、Netflix、Disney+、YouTube、Zoomをアプリとして搭載するなど車内エンタテイメント&コミュニケーション機能を充実させてきている。
これらは今のところ、充電時など停車中に利用するアプリだ。スーパーチャージャー(テスラの高速充電インフラ)を使う時間は、たった5分〜数十分程度。NetflixやDisney+を観る時間としては中途半端だ。
しかし、自動運転のレベルが上がってくると、ドライバーはハンドルを握らなくなり、前方の確認も必要無くなる。そうなると、車内はエンタテイメントを楽しむ空間にもなるし、Zoomを使って仕事をするオフィスにもなるだろう。
特に興味深いのは、テスラが車内の大型ディスプレイをテレビと同じ横型に統一したことだ。ドライバーはより一層エンタテイメント機能を楽しめる様になっている。
AFEELAは、コンセプトだけで言えば、トヨタや日産より一歩先んじている。ある意味で日本のトップランナーと言えるのではないだろうか。