AVCHD記録のSDカードを修復する
ハンディカムなどのカメラや、Panasonic POVCAMなどで記録されたSDカードには「AVCHD」という形式で映像データが記録されています。
「AVCHD」は単純な動画ファイルがある、というような構造では無く、映像のデータとそれを結合して一本化して再生するためのデータが格納されています。
よく、映像技術の知識が無い方が、データ保存や編集時の取り込み時にうっかりしてしまうのが、このSDカードのフォルダを掘っていって動画データの部分である「STREAM」ファオルダ内の「MTS」ファイルだけを取り出してしまうこと。
これは絶対にやってはいけません!
このファイル構造が重要で、この構造ごと取っておかないと、長時間記録の映像の再生(再現)ができなくなってしまいます。
AVCHDの規格によって、SDHCカードのFAT32ファイル制限である4GBごとに区切られて保存されてしまっている動画データのMTSファイル、編集で無理につなごうとしても接合点の絵と音がドロップして、完全に再現できなくなってしまいます。
そうなるとせっかくの長時間記録も台無しです。
今回、1時間半の公演記録のAVCHD収録データで、この誤った記録データ保存のやり方をされていまいました。
で、元のSDカードは翌日の収録のために消去されて使い回されてしまうということに。
気づいた時にはもう元のSDカードの存在はありません。残ったのは「STREAM」フォルダの中の「MTSファイル」だけ。
編集ソフトにそのファイルを並べても、つながりのところで音が無音になります...お客様からは公演の記録の納品を求められています。
それは困ります!ということで修復作業です。
まずは、今回のSDカードへの記録に使用された機材はPanasonic AG-HMR10Aという機材。通称POVCAMです。
業務用のAVCCAMというシリーズの機材になりますNegi
Panasonicの業務用機器では、AVCCAM機器向けに様々なファイル修復ツールを提供しています。
【 AVCCAMシリーズ全般 】にある「AVCCAM リストアラー」を使い修復してみます。
このソフトでの作業はWindowsのほうが確実にできます。
ソフトを開くとどのメニューで修復するのかが出ます。
今回は「MTSファイル」しか残ってないために、一番下の「指定されたフォルダ内のストリームファイルを元にAVCHDフォルダを作成します」を選択します。
念の為にあらかじめコピーしておいた「MTSファイル」のあるフォルダを選択して「次へ」
そして「次へ」で修復が始まります。
修復ができました
修復前はこちらの「MTSファイル」しか無かったのが
このようにAVCHDフォルダ構造に修復されています。
これでAVCHD収録のSDカードが復活できました。
編集ソフト等に取り込んでもきちんと一本通しで再生できていました。