獣道IVを目撃してからの色々

獣道4 Kemonomichi 4 - こたか商店VSユウベガ | Kotaka Shoten VS Yuvega | スパIIX SSF2T - YouTube

 まだ俺が十代の時、マジック・ザ・ギャザリングに大ハマリしていて。当時地元の群馬は高崎で燻ってたんですが。サークルの面子と一緒に東京の新宿スポーツセンター(だっけ?)でやってた公式戦に遠征に向かったりとかしてたりして。それだけではなく、ゲーセンにたむろしては下手の横好きで格ゲー筐体に自分の魂をワンコイン分入れて殺したり殺されたりしてた時期があったんですよ。とても幸せな時代でした。多分アレは青春と呼んでいいものだったと思う。決して人に胸張れるような時間ではないと自覚しているけど、それでもアレは俺にとってゲーマーの原体験のひとつだった。

 時は経ち。
 俺は相変わらずゲームを遊んでいるけど、それは息抜きとか逃避とかに分類されるような熱量で。ボーダーランズに出会ってからFPSを嗜むようになって、CoDもBFも遊んだ。勿論どうしようもないキルレだったし、チームに俺が入ったときの他面子には本当に申し訳ないと思っている。それと同じくらい仲間に悪態もついていたし(自分のゴミカスな腕を棚に上げて、だ)、褒められたゲーマーじゃないな、という思いもある。というか褒められたゲーマーじゃない。肥大する自意識と他罰思考、悪態を快楽に変えていたと今となっては思う。本当になんだろうな、ぶっ殺してやりたい。その時の俺を。

 年齢を重ねて、FPSでのPvPに限界を感じていた。まず酔う。あと、最近の流行であるチーム戦に対してどうしても馴染めずにいた。自分の下手がチームに刺さる。俺が地面舐めてることで結果チームが星を落とす。どうしてもそれがストレスで自然と触ることに躊躇いが生じていた。

 これについてはFF14でもそう。俺がゴミカスなヒールワークで、タンクの振る舞いで、だらしねえDPSの仕事ぶりで、パーティの戦闘能力が落ちる。適正レベリングIDでろくに装備更新してないナイト様にホルミンスターで全まとめされたときは流石に詰めたけど、それ以外では人に言葉の刃を表立って向けたことはない(漆黒メイン最終IDにエウレカウエポン生で持ち込んだ竜騎士のキミ、お元気ですか。一回転して俺お前のこと大好きだよ)

 個人的に不愉快な出来事が最近FF14周りであったのも理由としてはゼロではないけど、どうにもエオルゼアに帰る気も起きず、俺の有電源ゲーマーとしての生活は行き詰まっていた。そんな中、年末にあった獣道IVである。

 動悸が止まらなかった。

 あれはe-殺し合いである。実際に命のやり取りではないにせよ、少なくともそこに至るまでの努力、研鑽、籠めたプライドは確実に殺されていた。だからこそどうしようもなく美しいなって思ったし、いざ果し合いの場になれば誰も助けには来ない。入るのは二人、出るのは一人だ。どっちかが死ぬ。どういう意味合いであれ、何が死ぬかは人それぞれであれ、負ければ確実に何かが死ぬ。逆に云えば、勝者は必ず相手の何かを殺す。

 恋しくなった。あの時、地元高崎のアーケード街にあったゲーセン。あそこの二階で漂っていた火薬の匂い。少なくとも殺し合いの舞台には上がれる程度の腕はあったので、メインゲームであったバーチャで色んな強者に丁寧にぶっ殺されてきた。くだらないプライド、1クレジット分の時間、それなりに出来上がっていた価値観の全否定。負けたってことはそういうことだ。それが本当に楽しかった。試行錯誤して、砂場で積み上げるような努力をして、躊躇なく蹴り飛ばされてまたやり直し。楽しかった。どうしようもなく楽しかった。

 やはり加齢からくる衰えは否定できず、FPSで酔うようになってもうシングルプレイのFPSでもなければ状況判断も立ち回りもおぼつかなくなっていた。少し前は下手くそなプレイヤーだったが、今はもうプレイヤーとしてステージに登れていない。まだBOTの方が確かな仕事ができる。

 もう辞める。

 FPSはシングルプレイで楽しめるものにとどめ(ボーダーランズスピンオフ楽しみだね)、もうPvPには手を出さない。F4AをフィーチャーしたIPが出てきてくれれば触るかもだけど、基本もう触ることはない。これから先のことを考えれば、そこにリソースを割いてもリターンはないだろう。

 殺し合いがしたい。

 もう自分に嘘は吐かぬと決めたから書き残す。勝ちも負けも全部自分の責任となる舞台があったじゃないか。俺の青春に深く深く食い込んでいる格ゲーがあったじゃないか。世界一とか日本ランカーとかそういうのはどうでもいい(勿論対面に立った相手は全員ぶっ殺すつもりでやるけど)。闘いが好きなんだ俺は。どんどん自分の何かを殺しにきてくれる場所に戻る。削りカスのように殺された何かが粉吹いて消えてくだろうけど、そうすることで魂が磨かれる気がするんだよ。もう我慢できねえ。既にアーケードスティックは家に届いてセッティング済なんだ。

 昔はスタイルとかプライドでTier無視したキャラ使って勝てねー勝てねーって喚いてたけど今の俺は不惑に入った汚い大人だ。徹底的に楽に勝てる強キャラ使ってぶん回しに行く。今までに思ったこともない感情で、なんか眠れなくてこの文章を残している。

 若い方が強いんだから今から再始動しても玩具にされるのがオチだって思われるかもしれない。知るかボケ。プレイヤーがおっさんだろうと若者だろうと体力ゲージ切れればノックアウトだ。シンプルな話。サシの殴り合いで動かなくなった方の負け。動かなくなるまで殴ればウメハラでも負ける。平等だろうに。だから格闘ゲームは面白いんだろうに。

 PS5には既にストVはダウンロード済だ(発売日に買ったけど通信周りひどすぎて放置していた)。最近はPC主流だって話だから、夏のPCリプレースでそちらにシフトチェンジするかもしれない。マッチング周りばかりはなー……。そこだけは心配なところ。

 今年は格闘ゲームに振っていこうと思う。楽しみが増えた。

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