#俺と有電源ゲーム ENDER LILIES 感想

 昨日寝る前に最終エンディング到達しました。収集物完全回収とかはまだですけど、ここまでのプレイ時間が25時間ちょっとということで。かなりガッツリ遊んだ感があります。クリティカルなネタバレは伏せつつ感想まとめ。個人的には一切ネタバレ踏まずに世界に没頭してほしい気持ちがあるので、冒頭に総評だけ書いておくからそれ見てピンと来たら買っちゃえ。10連ガチャ一回分で良質のメトロイドヴァニアがあなたの手元に。

■総評:傑作。アクションが致命的に苦手でなければ買い。

 バッチバチに書き込まれた背景・キャラクターのアートワークとMiliの劇伴、幻想的かつ優しい(※ここ重要)シナリオ、高難易度かつデスペナルティ及びノーミス系実績なし・ファストトラベル初期実装のノンストレスなゲームデザインと現在流行りのインディーズ系メトロイドヴァニアの必要要素をすべて兼ね備えている傑作。「無双系ゲームすらまともに遊べない」「モンハンの☆1をギブアップした」などの相性レベルでどうにもならない人以外には文句なしにおすすめできます。冒頭のリンクから公式サイトにアクセスしてもらって、世界観に引き込まれた人は是非。

 一点注意事項として(ってかこれが本作唯一のウィークポイント)スキル強化のシステムあるんですが、これ、振り直しできません。かつ残念ですが死にスキルが存在しちゃってます。縛りプレイやりたいっていうなら止めやしませんが、何を強化すべきかは慎重に吟味してください。ほんとならおすすめスキル挙げておきたいところなんですが、それがクリティカルなネタバレになる厄介な仕掛けになってますので、そこだけは気をつけて。

(※個人的にはかなり難易度キツい印象を受けたんですが、最近の子たちはこれくらいは割とサラッとこなすみたいなのでそれ踏まえて総評を出しています。実際きちんとパターン把握すれば苦しくてもちゃんと抜ける)

■プレイフィール:歯ごたえのあるアクションと徹底したフォロー要素

 正直色々疑ってかかってたんですよ。これは間違いなくデスカウントでシナリオの足切りがあるんだろうと。下手したらキャラクターレベル上げすぎでシナリオ分岐まであるなと。結論から言うとありませんでした。最終エンディングまでその辺の"たちが悪い"ギミックは用意されてなかったです。これはかなり高評価。世界に没入し、初見殺しが多い中盤のボス戦を死に戻りしつつ攻略していくことへのストレスを徹底的に排除している。攻略の楽しさに焦点を当てて、邪魔な要素を切り捨てるデザインになっています。安心して死ぬとよいです

 各エリアごとに穢れた英雄戦(倒せば探索に使えるアクション解禁)・穢れた魂戦(倒せば攻撃サブスキル入手。一部トリックプレイに使えるものも)が存在します。
 穢れた英雄戦についてはフェーズが複数用意されており、フェーズ切り替わり後前フェーズでは使わなかった新パターンの攻撃をお披露目してくれる親切仕様。まあ大抵そこで一度死ぬんですけど、慣れるなり覚えるなりすればしっかり凌ぎ切れます。安心。

 気になる点としては、穢れた英雄戦の難易度が中盤ピークで終盤に向けて雑(易しい、ではない)になっていくのが気になる人は気になるかもしれない。個人的にはシナリオの輪郭が見えてくるにつれ、ボス戦の攻略と同じくらいシナリオと世界観を味わってくれっていう制作側の意図的なデザインとみてます(※それにしたってラスダンとラスボスはもうちょい頑張ってほしかった部分もあり。だって「デカい火力をぶつけると痛い」が基本なんだもの。蛮族か)

■シナリオ:死の雨降る廃墟の修道院から童話(メルヒェン)の幕は上がる。

 ――穢者(けもの)により滅びた王国。
 かつてそこに存在した生きとし生ける者はすべて"死の雨"により穢者に変えられ、既に終焉を迎えている。そんな王国の廃修道院で目覚めた"白き少女"。その目覚めと共に現れた"黒き騎士の亡霊"。記憶を喪失している"白き少女"に随行すると宣言する彼。
 そうして二人の、真実への道行きが始まった。

 この導入と公式サイトから伺えるアートワーク、Miliの劇伴ですよ。何を見せたいのかが明確だしそれを描ききってます。道中で収集品として物語の断片が手に入るのですが、まあその、なんだ、イヤな話しか記述されてなくて大変に美味しゅうございます。考察が趣味の人は特にごちそうじゃないかな。

 主人公である"白き少女"は王国を徘徊する穢者たちを浄化することができます。具体的には――彼らの穢れを引き受ける形で。そしてその穢れを引き受けることで自身が強化され、使役できる穢れた英雄・魂の力も上昇していくのです。

 もう嫌な予感しかしないじゃないっすか。

 こんなん強化しすぎたら最悪の結末が待ってると誰だって勘ぐると思うんですよ。そこは大丈夫。ちゃんと最終エンディングで「めでたし、めでたし」で終わります。きちんと童話(メルヒェン)です。途中エゴで狂って穢れに飲み込まれた英雄とか人語を発せずただうめき声上げてる無辜の民とか液状化した人とか結構な頻度で見かけることになりますけどちゃんと大団円になります。はい。

■備考:やっぱヨコオタロウってすごい人なんだなあ。

 これは信者の贔屓目かもしれませんが、ヨコオタロウのフォロワー的な仕掛けが細かく見受けられます。世界観の見せ方やアクションのちょっとしたギミックなど、あとはまあ……遊んでもらった方が早いかもしれない。ヨコオタロウの世界に惹かれた人は、多分このゲームにすんなり入り込めると思う。

 そんな感じっす。

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