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「勝手にスポーツ大臣」17 小林信也 《和の身体文化》を学ぶ場を作ろう

小林信也スポーツライター塾、開講! 詳しくはHPをご覧ください。
https://nobuya2.wixsite.com/mysite/blank
 
新しい体育館やスタジアムに欧米的な科学施設ができているけれど
もう20年くらい前からだが、新しい体育館やスタジアムが出来ると、トレーニング施設はもちろん、スポーツ科学センターが併設されるようになった。一般的には「日本スポーツ界の意識が高くなった」「科学的な取り組みが普通になった」と歓迎されているが、欧米のスポーツ科学は日本人が全面的に学び採り入れるべき手本だと思っていない僕にとっては、ため息まじりの施設であり、それを高評価する現在の日本のスポーツ常識には憂いを覚える。
 
伝統的な身体文化はまるで人間の取扱説明書だ
日本人には、日本人に合った身体開発の仕方がある。それを体系化しているのが武術だ。
欧米的には、「筋力が強いほど高いパフォーマンスが可能」と考えがちだが、筋力と競技成績が比例しないのは誰でもわかっているだろう。筋肉もりもりの打者が必ずしもホームラン王ではないし、力の強い柔道家が絶対王者ともかぎらない。筋力とは別の要素があるのは、言うまでもない。ならばその本来の人間の力、潜在力とは何なのか。そしてどうすれば開発できるのか。いまのスポーツ界は、その知識、道筋を明確に共有できていない。
僕は、武術に学び始めて、武術にはその体系が精緻に構築され、伝承されていることに驚嘆した。古伝の空手の型には、その所作をすれば自ずと内面から潜在力が湧き出てくる、という不思議だが動かしようのない真実があることを知らされた。まるで、人間の取扱説明書のようだ、と言葉を失った。

《武術に学ぶ スポーツ進化論》に書かせてもらった深層
僕が武術に出会い、懸命に学んだいきさつ、気付かされた心技体の基本については《宇城憲治師直伝「調和」の身体論 武術に学ぶスポーツ進化論》に詳しく記した。日本人のDNAには、まだ伝統的な身体文化が刻まれていて、欧米人とは質の違う潜在能力を秘めている、それはいまでも開発可能だと宇城師から学んだ詳細も記している。
僕自身が体験的に学び、実生活を賭して自己変革を重ねた経緯そのものだから、素直に読んでもらえたら、現在の常識と真理の違いなどに気付いてもらえるだろう。
いまのあなたが「筋トレはむしろ弊害も大きいんだよ」などと言えば、周囲と摩擦が生じるかもしれない。だからといって、間違った常識を放置し、若者や子どもたち、元気になりたくてスポーツや筋トレに励もうとする中高年の方々に間違った指針を与えることは申し訳ない。そんな負のスパイラルから日本を救いたい。
「勝手にスポーツ大臣」は、《和の身体文化》の研究と実践、教育、啓蒙を重要な指針に設定する。そのための教習施設、養成所、道場や寺子屋、塾のような施設を全国に作りたい。その師は、もちろんホンモノでなければならない。
 
新刊《武術に学ぶスポーツ進化論》~宇城憲治師直伝「調和」の身体論~
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