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「勝手にスポーツ大臣」19 小林信也 公認草野球《エッグボール》を開発しよう

小林信也スポーツライター塾、開講! 詳しくはHPをご覧ください。
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長男と連日繰り広げた公園での草野球。本当に楽しかった。
野球を好きになる最初は草野球だった。僕の場合は、たったひとりの壁当て。長男とは近くの公園で二人だけの草野球を来る日も来る日も繰り返した。
一塁は立木。ゴロを捕ったら、その木に当てる。枝でも葉でも、打者走者より先に樹にボールが当たればアウト。打者走者が先に樹に触ったらセーフ。攻撃陣はひとりだから、セーフでもアウトでもまた打席に戻って対戦する。
あの時の、溌溂とした息子の姿はくっきりと脳裏に浮かぶ。楽しかったなあ。
当時から腰が痛み始めていて、正直、走ると激痛を伴なった。それでもやりたかった。子どもの輝く笑顔を見るのが心底うれしかった。
 
「公認!?草野球」を、アイディアを出し合って作りませんか!
野球少年が激減している。それも当然だ。いくら大谷翔平がMLBナンバーワン選手になり、日本選手が次々とメジャーリーグで活躍しても、子どもが野球ごっこで遊べる場所がないのだから、野球人口が増えるはずがない。いや、競技人口なんて言い方は違う。野球が好きな少年が増える土壌がないのに、芽が育つわけがない。それで「勝手にスポーツ大臣」はスポーツで遊べる公園づくりを提唱しているわけだが、もうひとつ、公認草野球「エッグボール」の開発を呼びかける。
あ、エッグボールはあくまで仮称のXネームみたいなもの。名前も含めてみなさんのアイディアを募集します!
本当は、草野球が公認だなんて馬鹿げている、それはわかっているけれど、形にしないと伝播しないのが近年の傾向だからプロトタイプをまず作って、あとは自由にアレンジしてください! という気持ちで「公認草野球」をみんなで作りませんか!と提案する。

アメリカのバナナボールをヒントに、みんなで楽しめる野球を開発しよう
「勝手にスポーツ大臣」はもちろん、こんなのどうだろう、という腹案は持っている。
仮称エッグボール。アメリカで「バナナボール」が人気だという。スピードを重視し、野球の退屈なところを逆手に取って、スリリングにしている。見たところ、バナナボールはかつてのバスケットボール、ハーレムトロッターズの野球版という感じ。見せるエンターテインメント。おふざけもすごい。だから日本にそのまま輸入して、老若男女みんなでやりましょう、というものじゃない。でも、僕はすごくインスパイアされた。野球の骨格を生かしながら、もっと気軽にもっとみんなが楽しめる参加型の野球を作ったら、老いも若きも子どもたちも女性たちも一緒に楽しめる遊びができるじゃないか。
バナナボールに触発されて、最初に閃いたのは、いまの野球は、投手が豪速球を投げるからつまらないし危ないんだ、という恐るべき事実だ。
恐るべき、と書いたのは、こともあろうに投手に命をかけてきた僕が、投手を否定するなどありえない。でも発想を転換し、みんなが楽しむことこそスポーツの価値だと変心すると、投手が豪速球を投げ、打者が次々三振する野球なんてつまらない。投手が威張れるだけだもの。
テニスがサーブ&ボレーで勝負が決まるようになって、大味でつまらなくなったと言われる。それと同じかそれ以上の退屈さ。佐々木朗希があわや2試合連続完全試合をしそうになったあの2試合の投球をずっと続けたら、野球は半ば成立しない。面白くもなんともない。
 
投手の豪速球は禁止! 三振を奪ったら投手交代、打者は一塁へ
かつて野球は、打者が投手に「ここに投げて」とリクエストし、投手はできるだけそこに投げる決まりだったと聞いたことがある。打者が打って、それから始まるのが野球だったのだ。その原点に戻り、投手が打者を抑えようとしない野球がエッグボールの基本だ。
三振を取ってしまったら、投手は交代。「打者は一塁へ」、それくらいでもいい。そうなると、四球なんて、よほどでなければありえない。
打つのが基本。それをどうやって守るかが守備側の腕の見せ所。
使うボールは、草野球だから硬式はありえない。技術レベルに応じて軟式球の使用はいいと思うが、みんなで楽しむ入門編のエッグボールはやはりやわらない球だろうなあ。なんて、様々なアイディアを、みんなで出し合い、楽しいダイヤモンドゲームを作りませんか。

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