【2024年最新版】初めて柔術の試合に出る白帯の人に、申込み・準備・セコンドについてまとめました
柔術をはじめて7ヶ月。先日、初めて柔術の試合に出ました。反省点が多いですが、出場してよかったです。
柔術は個人競技なので、基本的に手続は自分でやります。詳しい人が周りにいなくて困っている人は多いんじゃないでしょうか?
僕は柔術専門ではない格闘ジムに所属しているので、柔術の試合を調べるのに一苦労しました。
この記事では、大会選び、申請、準備、当日の流れについて、まるっとまとめました。
この記事はこういった人に向けて書いています。
柔術専門ではない格闘技ジムに所属している人
まだ柔術の試合に出たことがない人
自己紹介
筆者は37歳。2022年3月、未経験からグラップリングをはじめて、2022年9月に開催されたJBJJF(柔術連盟)の試合に出ました。柔術着あり、ノーギの計3戦を経験しました。
この記事を読めば、不安なく柔術の試合にエントリー・出場できます。
上達したら本番という発想では成長しない
まだ1回しか試合に出てないのに、いきなりエラそうなこと言ってすみません。
以前、学習塾で高校生の指導に当たっていました。模試をたくさん受けて反省する生徒はどんどん伸びていました。あらゆる競技・試験に言えることですが、「強くなってから本番」という発想ではいつまで立っても上達しません。
エントリーして本番に向けた準備をする、これだけで普段の練習では得られない経験です。
試合の目標はもちろん「相手に勝つ」ことですが、試合の目的は「強くなる」ことだと思います。
本番の環境に慣れる、弱点を知り課題を明確にする。実際に1回試合に出ただけでめっちゃ学びが深く、試合後たった2週間でさらに上達しました。
では、初めての柔術の大会について説明します。
1.出場する柔術の試合を探そう
(1)柔術連盟の試合を探す
まずは、国内にある2つの柔術連盟の大会から探しましょう。JBJJF(日本ブラジリアン柔術連盟)、ASJJF(アジアスポーツ柔術連盟)の公式サイトから探せます。
・JBJJFの大会一覧⇒https://www.jbjjf.com/upcoming-events/
・ASJJFの大会一覧⇒https://asjjf.org/main/eventsBySeason/49
【注意】所属ジムが連盟に加盟していないと出られない大会がある
所属するジムが柔術連盟に加盟していないことはよくあります。僕が所属するジムもそうです。とはいえ、加盟団体限定の大会は少なく、経験を積むのに十分な大会は揃っています。
ざっくりと見分ける方法ですが、地方開催の大会、「オープントーナメント」がついている大会は非加盟団体の選手も出場可能です。
ASJJFは加盟ジムしか出られませんが、ジムが連盟に登録する費用は無料です。ジムに登録を相談してみましょう。
(2)民間団体の試合を探す
主にノーギ(柔術ルールのグラップリング)になりますが、民間団体がやっているものもあります。安全面については気になるところですが、回数を重ねている大会、有名ジムがバックについている大会であれば問題ないかと。
例1)TOKKUMI
カルペディエムホープの白木アマゾン大輔さんが主催。2023年6月に第2回大会を実施。
例2)Fighting Nexus SPROUT(アマ・グラップリング)
株式会社ワン・インターナショナル主催
年4回ほど開催。プロと同じケージの中で試合ができます。
https://fighting-nexus.net/schedule/
外掛けOKですが、ヒールフックなど危険な技は禁止されているので柔術のノーギのルールで戦えます。
例3)ブルテリアオープン
柔術・総合格闘技のグッズのメーカーが主催する柔術大会。
例4)Level-G
高橋“SUBMISSION”雄己さんが立ち上げた新しいグラップリング大会。2022年11月に第1回大会が開催され、2023年6月にはトーナメント戦が開催されました。
2.出場する柔術のカテゴリを決めよう
気になる大会があっても、自分が出られる試合があるかをチェックしないといけません。
柔術の試合は、①年齢×②階級×③帯色の3カテゴリに分かれる
①【年齢】は、アダルトとマスターに分かれます
アダルト:18-29歳
マスター(1~6):30歳から5歳刻み
マスター1(30-35歳)、マスター2(36-40歳)、マスター3(41-45歳)、マスター4(46-50歳)、マスター5(51-55歳)、マスター6(56歳以上)
つづいて、②【階級】について。
まずは通常の柔術(着あり)から。
ルースター級:-57.5kg
ライトフェザー級:-64.0kg
フェザー級:-70.0kg
ライト級:-76.0kg
ミドル級:-82.3kg
ミディアムヘビー級:-88.3kg
ヘビー級:-94.3kg
スーパーヘビー級:100.5kg
おおよそ6kgごとに変わります。道着込みの体重です。道着の重さは約1.5~2.0kg。
■参考として、ノーギ(着なし)の階級表も載せます。
ノーギ(柔術着なし)の大会では、着ありより2,3kg軽い計算。僕は裸体重が60.8kgなのでライトフェザー級にあたります。柔術では64.0kg、ノーギでは61.5kgに出ることになります。
③【帯色】について
白→青→紫→茶→黒
これは問題ないでしょう。あなたがいま着けている帯色で出場します。2日程の大会の場合、競技人口の配分で「白、茶、黒」と「青、紫」で試合日が分かれることが多いので間違えないようにしましょう。
【めっちゃ注意】白帯でも試合に出られない場合がある!
もしあなたが、柔道の黒帯取得者、MMAの試合出場経験あり(アマプロ問わず)、レスリング全国レベルなら、柔術連盟の大会に白帯で出場はできません!
3.エントリー前の準備
①ジムに報告する
柔術連盟に加盟していない団体の場合、柔術の大会のスケジュールは把握してないはず。ジムの責任者に出場していいか許可を取りましょう。
②スポーツ保険に入る
柔術や格闘技ジムに通っている人はすでに加入しているはずなので省略。
③セコンドをお願いする
出場申請の前にセコンドをお願いしておく必要があります。これは後ほど書きます。
4.出場申請(エントリー)
超重要です。この後に説明する「変更申請」と合わせて覚えておきましょう。
WEBで各大会の申込みフォームに書きます。
本名を書きましょうね。当日、写真付きの身分証の確認があります。
申込日によって参加費が異なる!
これは早く知っておけばよかった。出る試合が決まっている人は早めに申し込みましょう。
5.変更申請
通常、申込締切日までは、エントリー後も他のカテゴリ(年齢、階級)に変更可能です。さらに、申込が締め切った後でも、特定の期間(数日内)においても変更できる場合があります。
「え? 年齢と帯は変わらないし、変更申請は必要かな?」と思う方もいるはず。僕もそうでした。
そうじゃないんです。
柔術の大会は年齢(7つ)×階級(9つ)×帯色(5つ)がある。なんと計315もエントリー枠があります。
つまり、1つの大会で315人の優勝者が生まれるのです!
でも、実際にはそんなことはありません。最軽量、重量級、年齢の高いカテゴリでは、出場者がめっちゃ少ない。
では、何が起こるかというと、出場者なし、1人のみ(一人優勝)が発生しやすい。そうならないよう、試合が組まれやすいカテゴリに変更申請する必要があります。これは運営側がやってくれるわけではないので、自分でやります。
申込日が早いほど参加費が安くしている理由もこれで説明がつきます。確定分が多いほど、自分も他の出場者も変更しやすいのです。なので、試合に出ると決めたら早めにエントリーましょう。相手がおらず試合が不成立場合は、キャンセル申請(返金)もできます。
6.柔術着のルール
柔術のルールは意外と細かいです。色、袖の長さ、帯、ワッペンの素材・貼れる位置など。
↓こんな感じで、専用のものさしで測定されます。
まだ1着しか持っていないという人は、この機会にもう1着持っておきましょう。破れたり出血で汚れた場合、またトーナメントで汗でずぶ濡れになった場合、替えの道着がないと失格になります。
7.当日計量、減量について
当日軽量と書かれていますが、実質「直前計量」です。試合が始まる10分前に体重計に乗ります。寝技は打撃ほど体重差が実力にあらわれないので、無理な減量はしなくていいと思います。
僕は減量しすぎてライトフェザー級(64.0kg)に61.0kgで出場しましたが(笑)、さほど気になりませんでした。
8.セコンドはめっちゃ大事!
冒頭で書きましたが、この記事は「柔術専門ジムに所属していない選手」向けです。柔術専門ジムなら複数選手が出場するし、ジムもセコンドをつけるので読み飛ばしてOKです。
僕の所属ジムは柔術専門ではないので、総合格闘技のインストラクター(現役選手)にお願いしました。梅原規祥選手はプロデビュー戦を控えた忙しい時期。「ど素人の初戦にわざわざ来てもらうのは申し訳ない」と遠慮していましたが、ご厚意で3試合すべて見てもらいました。
セコンドがいなかったら勝てませんでした!
セコンドはめちゃくちゃ大事な存在です。今回の試合で知った中で一番の学びでした。セコンドは超重要。これは試合に出てみないとわからないです。
展開ごとの指示のおかげで冷静に戦えます。
試合までの時間に会話して心を落ち着かせる。
動画撮影をお願いする
一緒に大会に出る仲間が入ればお願いしよう
同じ大会に出場する選手がいる場合は、お願いしましょう。
もしいない場合、家族友人に「揉み合ったり、動きがあった時点で『落ち着け』『ベース作って』と叫んで」と伝えましょう。あとは残り時間と得点。これだけでだいぶ変わります。多くの大会ではセコンドなしで出場することもできます。
セコンド申請について
コロナ対策の関係で、大会ごとに申請のルールが異なります。僕の場合、申請時、フォームにセコンド申請欄が見当たらなかったので、自分とは別に来場者を1としました。
当日の受付時、セコンド申請ができていないと指摘されました。「セコンドは所属ジムの担当者から申請するんです」と説明を受けましたが、要綱を見てもその記述はありません。「次回からは気をつけるように」と大目に見てもらって、セコンドの梅原さんと一緒に入場しました。
9.柔術のルールをチェック
多くの大会では、IBJJF(国際ブラジリアン柔術連盟)の公式ルールで開催されます。必ずチェックしましょう。写真付きで詳しく反則が載っています。
【得点・ポイント】
テイクダウン、スイープ:2点
パスガード:3点
バック、マウント:4点
【反則】
たくさん反則はありますが、特に気をつけたいもの。
ニーリッピング(外かけ)
頚椎への攻撃(頭を両腕で抱えない)
上の人は攻撃しつづける
ダブルガード(両者座り込み)の20秒ルール
しがみつかれても勢いよく相手を床に落とさない
↓白木アマゾン大輔さんのYoutube。反則について、コンパクトにまとまってます。
10.試合後は表彰式
出場カテゴリの全試合が終わったら10分後くらいに表彰式があります。負けても帰らないようにしましょう。狭い世界なのでまたどこかで戦うこともあるはず。勝っても負けてもお互いを称えましょう。
金古一朗『柔術セオリー大全』は試合前に絶対に観るべき
Youtubeで見たことある人も多いはず。金古氏が今年出した『柔術セオリー大全』は絶対に観るべき。初心者向けが知っておきべきことが。最後の10本は試合での立ち回り方で貴重です。こちらから購入できます。
これで、柔術の大会の準備については、ひととおり説明できたかと思います。
あ、そうだ。本番の試合では、腕がパンパンになります。練習のスパーリング以上に力を使ってしまうので。多数参加のトーナメントの場合は、氷を持っていくといいでしょう。
ここだけは注意が必要です。他は大会の試合をくまなく見ればなんとかなるかと。
僕は初心者なので、あと1,2年は白帯です。どこかの試合で対戦することになった時はよろしくお願いします🤲
最後まで読んでくれてありがとうございます。よかったら「スキ❤️」も押してくれると嬉しいです🐾