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やさしかった人を思い出しました。

寝ているかあくんは突然、悲鳴を上げるかのように泣き出します。
なんかとても怖い夢をみたんだろうなと思います。

そんなかあくんをみていると、思い出します。

小さい頃の僕は、喘息でよく入院していました。

だいたい、夜中に発作が起こります。
その発作が起こる頃の時間帯は両親のお店が一番忙しいときです。

たがらとても母には心配かけただろうな…と思います。

発作が出たある夜中に、病院に行きました。
すると、すぐに入院となります。この入院は僕が一番いやなやつなんです。

なぜかと言うと、病院が怖くて怖くて仕方ないからです。

夜は、微妙に静かで困ります。
ナースの足音とか、水道の音やらがちょいちょい聞こえます。こういうのが嫌でした。

母の顔をみるとだいぶ落ち着くのですが、病院の当直の先生によっては、即入院!となることがあります。

その時の思い出です。

薬が効いてきて発作がおさまり、そのまま寝れると朝になるのでいいのですが、これがならないことがあります。

薬が効いてきて、落ち着いてきて、安心します。しかしそのあと、不安になってきます。

しばらくは我慢しますが、限界がきて泣いてしまいます。

ここで母がいれば落ち着くのだと思いますが、母はお店が忙しいので呼び戻されてしまいます。

ということで、凄く泣きました。
すると隣のお母さんが僕に声をかけてくれました。

「大丈夫だよ」と
とても優しく声をかけてくれて、とても安心して眠れました。

知らない人なのに、知らない僕にやさしく声をかけてくれました。

名前も顔も覚えていないのですが、この時のやさしさは覚えています。

かあくんが寝ていて大泣きすると、このときの素敵なお母さんを思い出します。


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