第2期キウイ戦の自戦記~VS紫花チノさん戦~
忘れていたわけではありませんが、諸々忙しくて後回しにしていたキウイ戦の自戦記を今更ながらまとめて書いていこう、の回です。
本棋戦はR氏の達磨さん(https://twitter.com/UM3_DARUMA)主催による、級位者の棋戦となっております。(キウイ戦のXはこちらhttps://twitter.com/kiui20221119)
本譜の対局の様子は
公式配信(https://www.youtube.com/watch?v=Sl-NUL6F42s)
紫花チノさん視点(https://www.youtube.com/watch?v=ZjpX8wmB07w&t=0s)
雲雀視点(https://www.youtube.com/watch?v=Eq-vXPRdV8g&t=0s)
上記からご覧ください。
・対局
さて、12月15日に行われた紫花チノさん戦について早速振り返っていこうと思うわけですが、まず事前準備の段階でアヒル使いということは情報として得ていたので、それを踏まえてどう対応していくか、を求められた将棋でした。
あれ…そういえば師匠の菜々河れいさんがこんなこと仰ってたな…とよく思い出したものです。
ということで、本対局については菜々河れい師匠考案の菜々河流向かい飛車を軸に組み立てていく将棋にしました。
ということで序盤から改めて振り返っていこうと思います。
本譜については先手番でした。
初手から▲7六歩、△8四歩、▲1六歩、△1四歩、▲6六角(図1)と進みます。
先手番で菜々河流向かい飛車を目指した手で、アヒル党の8四飛を防ぐ手でもあります。
ここでの△8五歩は▲8八飛で大丈夫、ということですね。
早々に端の交換を入れているのはここ最近取り入れた対抗系の将棋において損をしない形だと思ってるからですね。
ある程度形に含みを持たせられる、というか…本当は居飛車も指せるオールラウンダーになったら使いたいと思っている手ではある。ともあれ、ここからは先手の駒組はまぁわかりやすいので、後手がどういう風な構想で来るのか、を考えながらの将棋になります。
ということで本譜の進行は図1より、△1三角、▲8八飛、△6二銀、▲6八銀、△7二金、▲7七桂、△5二玉、▲5八玉、△4二銀、▲4八玉、△3一金、▲3八銀、△3五角、▲3九玉、△8五歩、▲2八玉、△4四角(図2)と進みます。一気に進んだなと思うかもしれないですがある程度こんなもんじゃないですかね
さて、ここで先手はどうするか問題があったわけです。
こちらから角を変えるか、向こうから変えてもらうか。
結論から言うなら先手から変えたほうが将棋としてはわかりやすかったと思います。
▲4四同角、△同歩までは進むとしてそこで再度▲6六角とすれば後手の4三地点が空くのでアヒルの形では受けずらいというか形が崩れますし、何しろそのままだと良さを出せないというのが今更ながら思ったところです。
(この点については、感想戦で音無ちえるさんからも触れられてますが…)
以下、例えば△4三銀に▲5六歩とかから左銀を活用していく感じでどうか…でしょうか。(図2-1)
でも意外と△5四角とか嫌ですか?
本譜の進行は▲9六歩と後手から変えさせる手順の進行を選びました。
普段なら▲9六歩はもっと後でもいいかと思うのですが、まぁアヒルの形なら端入れておいて損しないだろう、的なあれです。1分将棋で私の棋力だとそこまで深読みできなかったので、雰囲気です。
以下、△6六角、▲同歩に後手の狙いのひとつである△8五飛と浮きました。(図3)
ここで先手がどうしていくか、という将棋なわけですが、今見てもやっぱり第1感は本譜の▲7五角だなぁと思うところです。
でもたややん先生が公開してくださっている推定選択率を表示できるものを見ても7五角が入ってないので相当筋悪なんだなと思うところです。
(配布されている推定選択率についてはこちら参照ください。:
【配布あり】将棋のGUIに新検討モードを追加する(SCWindow)【将棋AI水匠/たややん】 https://youtu.be/IeAWgFXvy8c?si=ZDFKHQz7JOvaYpV3)ちなみに▲7五角には△8二飛らしいんですが、アヒル指す方が8二飛とするわけがないのでここでは考えないものとします。ということで本譜に戻り、▲7五角、△3四飛、▲6五歩、△9四歩、▲8六歩、△同歩、▲同飛と進みます。(図4)
ここで△8四歩と飛車の横利きで歩を打てないのがこの形の売りだと勝手に思ってさっきの▲7五角がいきてくるわけなんですね(本当か?)
(最近81Dojoとかで指してると度々この類型に遭遇するのでなんでだろうと思ってます。)
ただこの形に持っていけたところで角は先に手放しているとはいえ、相当な指しやすさは感じていました。
以下、△8三歩、▲6六角、△9五歩、▲同歩、△同香、▲同香、△9四歩と進みます。(図5)
いくら指しやすい形になっているとはいえ、ここは一気に勝ちにできるところを逃している節があったので悔やまれるところです。
本譜ここで▲9四同香としたのですが、変えて▲8五香が刺さりまくっている、という話なんですよね。(図5-1)
無理に受けるなら△7四角とか△6一角になるんでしょうか。
ただ△7四角は次の▲7五歩で角が死んでいるので打てないですか。
△8五角と香車取って、△8四香を狙うくらいですが、▲8五同桂馬と取っておけば駒得だし、9三に垂らしておけば相当振り飛車勝てそうですね。
ということで、本譜における最初のターニングポイントはこの8五香が見えるか問題でした。
本譜これが見えなかったのでちょっと大変なことになりました。
以下、▲9四同香、△同飛車、▲9五歩、△同飛車、▲9六香、△9七角、▲9五香、△8六角成と進みます。(図6)
はい、ここで私は勘違いをしました。
次に△7六馬と寄られる手がすごく嫌に見えたんですね。
ここは黙って▲9二香成として、仮に△7六馬なら▲6七銀と上がればいいわけです。あーっとなんの為の6八銀型だー!
ここで先に▲6七銀としたせいで△9五馬と香車を取られました。いや、△9五馬自体はいいんですよ。
問題は次に▲9二飛が見えなかった問題です。
普通にこの形の都合上、馬金取とか激痛じゃないですか。
▲9二飛に仮に馬が逃げれば(ここでは△8六馬と一旦しておきます。)7二飛成と金を取っておいて、次の6一金が相当ヤバいので、5一銀と引くか、7一香かどっちかくらいだと思うんですが、これは相当振り飛車勝ちだと思います。(図6-1)
美濃囲い崩れないですし。
ということは馬を助けられない、という話になるので、▲9二飛には△7一金と引くか、△7一銀と引くか、△7一香と打つかくらいだと思いますが…。
香車2枚あるし、△7一香が真っ先に浮かんだのは振り飛車党だからでしょうか。馬取れても固くて一瞬嫌になりそうですが。(図6-2)
とまぁ、この辺が見えるかどうかが本譜における2つ目のターニングポイントでした。
本譜の進行は▲9一飛と下したことで、そこまで両取りが痛くない形を選びました。
恐ろしいことにここ2秒で指したらしいですよ。何のための1手60秒の将棋なんだ。
以下、△8六馬、▲8一飛成、△7一飛、▲9二龍、△9一香、▲7二龍、△同飛車、▲9二歩、△同飛車、▲9三歩、△7二飛、▲7五桂、△8一香、▲8五金、△9七馬、▲5五角、△8四歩、▲9四金と進みます。(図7)
なんだかんだひどいながらに、一応勝負できそうな形には持ってきたかな、というのがこの局面では思ってたところです。
ここの後手の最善手が△5四歩だったらしいですが勢い▲8三桂成から突っ込んでさぁどうなってるか、みたいな感じですかね。
結構嫌そうですが。
▲8三桂成に△同香、▲同金、△7一飛に▲6六角とかですか?(図7-1)
先手の手が一旦落ち着くから後手のほうが指しやすいんですかね。
飛車金交換で後手駒得してますし。
本譜に戻りますが、▲9四金に対して△9二歩から▲8三桂成に△同香、▲同金、△7一飛、▲9二歩成、△同香、▲同金、△8八馬、▲8二金、△5一飛、▲7五香、△5四歩、▲6六角、△5五桂、▲5六銀、△6九飛、▲6八香と進み、私らしく受けて粘る展開になりました。(図8)
そして、次に出てきたのは5五の桂馬をいつ払うか問題です。
桂頭銀の形になっているとは言え、美濃の急所に刺さりそうな位置にいるのですごく嫌な形です。
これを払うことができれば、相当固いので勝ちに持って行きやすそうです。
そして私はギリギリまで保留しました。
ギリギリまで?嘘です。完全に放置しました。評価値上はほぼ勝ちでもこの選択が敗着と言っていいでしょう。しかもそのあと美濃囲い指すうえで必須の受けを完全に忘れたからもうどうしようもない。ということで104手目まで飛びまして、図9は△6七歩の局面です。
以下、▲6七同香、△同桂成、▲同銀、△5五桂と進みます。(図10)
ここで私は▲6四角としたわけですが、わかりやすさで行くなら▲4二と、△同金、▲5六銀打だと思います。
後手の9一にいる飛車が使えるようになるまで時間掛かるし、成ったら成ったで5一銀と引っかける手が生じるので後手も指しにくい局面だと思います。
後手に桂馬がないから△5五角~△3六桂の頓死筋もないしね。
あと△9九飛成~△7九龍上で二枚龍の形になっても5九に桂馬か銀を打てばわかりやすく負けはなかったですね。
厳密にはこの後もしばらく評価値上は優勢でした。
では、私はどこで頓死したでしょうか。ということで図11です。
振り飛車党がこれやっちゃああかんのよ。
はい、これで大頓死です。これを指した段階で1100点オーバーの評価値を一気に-840まで落としました。なんならこれ受けなかったせいで3九銀からの6手詰めです。
ここは死んでも3九に駒を打ちこむべきです。
この場合は大駒はさすがに打てないので桂馬でしょうか。
そうすれば即詰みはないので、そこで5四桂からゆっくりいけばよかったわけです。詰ませるもんなら詰ませてみろはもっと強くてかっこいい人がやるべきですよねこの局面でやるものじゃない。
・一局を振り返って
ということで、自身のキウイ戦開幕局は優勢から勝ちきれず大頓死という派手な幕開けになりました。今見てもひどいなぁと思うばかりです。
ただ序盤の準備はしっかり活かせていたので、もっと中終盤力と受けの力を磨くべきですね。
結局将棋は終盤がダメだとそこまで積み上げた物すべてボロボロになるので。
ということでキウイ戦の対紫花チノ戦の自戦記でした。
今後のnoteの予定的にはキウイ戦の自戦記、あとは感想戦配信してnoteにまとめてない”舞台アサルトリリィ生演奏バンドライブ「Lily Scramble!!!!」”、先日の三鋭戦の自戦記を書く予定です。
いつになったら終わるかな…。
最後まで本記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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5月~6月頃に受注生産という形でご案内できるかと思いますので、もうしばらくお待ちください。
それではまた次の記事、あるいは配信でお目にかかれたらと思います。
ありがとうございました。
2024/04/26 雲雀 信龍
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