心に “ゆとり” を。

心に余裕が無いな･･･と感じる昨今
ふと、思い出したことがあります。

学生時代、
お付き合いしていた女性は
腰の辺りまで伸びた綺麗な髪の
ストレートロングヘアーでした。

ある日突然、
「髪を短くしてみよかなぁ」
と彼女は言いました。

そして数日後、
海遊館に行こうと約束した
待ち合わせの駅に来た彼女の姿は、
肩に掛かるか掛からないかの
ショートカット。

頬を赤く染めながら、
髪に手をやり、
照れくさそうに
近寄って来た彼女。

「似合ってる？」
「似合ってるよ」

そんな会話をした後に、
美容室での出来事を
彼女は話してくれました。

「美容師さんに
　“短くしてください”
　て言ったら、
　これぐらいですか？
　これぐらいですか？
　って、少しずつ言うから、
　
　もっと、もっと、て伝えてん。
　そしたら美容師さんが、
　“本当にいいんですか”って。

　なんか『ローマの休日』の
　ワンシーンみたいやったわ
　（微笑）」

「ふぅ～ん。
　で、ローマの休日って？」

「えぇ～～！！！
　『ローマの休日』知らんの？
　オードリー・ヘップバーンの名作！
　そっか、だから、なんか、
　反応が薄かったんや」

「ごめん･･･」

「うぅぅん、いいよいいよ。
　のぶおくん、高校時代から
　働いてるし、今も毎日バイトで
　忙しいもんなぁ」

（･･････、
　忙しいからなんだろうか？
　俺って、皆が当たり前に
　知ってることも知らんのやな･･･）

そう心に寂しさを感じたものの
その後も『ローマの休日』
を観る “心のゆとり” はなく、
心に余裕の無い毎日でした。

自分自身で心に余裕を
創り出すことが必要である
ことに気づく
“ゆとり” すらなく･･･。

ーーー

結婚後、
そんな思い出話しを
奥さんにしたところ･･･

ちょうど、
『ローマの休日』の制作５０周年
デジタル・ニューマスター版が
映画館で上映されていたので、
２人で観に行くことになり、
帰り道、彼女は言いました。

「ローマ行ってみようか？」

旅行好きの彼女は、
数ヶ後には私をローマへ
連れて行ってくれました。

写真は、その際に撮影した
早朝のスペイン階段です。

※オードリー・ヘップバーンは　
　YouTube から拝借させて頂きました。

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