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週末のBloombergより
◆DOTSは年内あと一回の追加利上げを強く示唆しているが、JPとMSはこれ以上の追加利上げなしを予想。
◆金利が十分引き締め的である上、ストライキ、シャットダウン、学資ローン返済など、経済の逆風が強い。
◆過去のシャットダウンでは(週あたり0.15%程度の景気減速要因として)長期金利が低下したが、今回は財政/需給悪化に注目が集まりやすく、どちらかというと金利上昇圧力になりやすいか。
◆BISがヘッジファンドによるベーシス取引(先物売り/現物買い)の積み上がりを心配しているが、債券のプロの目から見れば6,000億ドル(89兆円相当)の裁定取引は特段心配に値する規模ではない(米国債発行残高は25兆ドル)。
◆これまでデフォルト率は恐れられていたほどには上昇せず、クレジット市場のパフォーマンスは非常に良かったが、FEDの higher for longer が後ろ倒しになるほどリファイナンス時のデフォルトリスクは高まる。
◆投資家は高い短期金利を好感して、これまではハイイールド債(固定金利メイン)よりレバローンやCLO(共に変動金利メイン)を選好してきたが、債務者のクオリティは前者の方が高いので、今後は前者(特にエネルギー関連)の方が投資妙味が大きいように思われる。
◆欧州の予想以上に深刻そうな景気低迷で、欧州の債務者を不安視する向きもあるが、当面の手元CASHがかなり厚いので、デフォルトリスクが差し迫っているという感触はない(実際スプレッドはタイトなまま)。
◆ソフトランディングへの期待度はFOMC前後で変化していない(サマーズ氏は過大評価と警鐘)が、その前提としてのDOTSが切り上がってしまった(金利上昇でバリエーション面が厳しくなった)ことを嫌気して米株が結構売られている。
◆FEDは恐らく経済をぶち壊してまでインフレ2%を達成しようとは思っていない。多少高めのインフレが許容される一方で、米国債大量発行によるクラウディングアウトも続くため、長期金利はもうあまり下がらないということかもしれない。
◆企業や家計のファンディングが長期固定金利寄りになっているので、金利上昇に対する感応度が以前より低くなっている。但し、そのギャップは Higher for longer の環境下で今後は確実に埋められていく(借り換えコスト高+銀行の融資スタンス厳格化のダブルパンチ)。
◆中国や欧州のズッコけ具合を見ると、米国への投資が引き続き一番安全で魅力的と考えざるを得ない。
◆UAWのストが拡大している(かつ現時点では全く出口が見えない)が、そもそも生産性低下が続く自動車産業での大幅賃上げは、競争力に悪影響を及ぼし、EVへの必要な投資を阻害し、長期的にはかえって雇用を圧縮しそう。短期的には車価格の上昇と他業界での賃金インフレ後押しも心配。
◆米政府シャットダウンは、1か月以内なら大した影響はないのではないか。
◆原油価格の上昇(6月比+30%)は中銀の仕事をまた難しくしているが、価格が倍になるようなマグニチュードではないので過大評価すべきでない。
◆ウクライナ和平はその後の経済復興が伴わないと意味がない。しかしそのために必要と思われる数千億ドルの資金は、アフリカ大陸の貧困克服や、EM諸国の気候変動対策支援に必要な資金と競合するため、非常に高くついてしまう。ロシアの凍結資産はウクライナ復興に投入されてしかるべき。