ストーリー31 リーダーのモデルを探すハジメさん
ハジメさんは、数人の部下といっしょに仕事をしています。先日、五年に一度の大きな人事評価の機会がありました。部下をはじめ広い範囲の人からあらゆる角度で評価される機会です。
「みんなは自分をどう思っているのだろうか。要求に応えられているのだろうか。上司失格だと言われるのではないか」
必要以上に不安になりました。
ハジメさんは温厚な性格で、真面目に仕事をする人でした。特に、みんなの声に耳を傾け、誠実に応えることが強みです。一方、気を使いすぎて、なかなか決断できない弱さもありました。
評価の結果は、予想していたほど悪いものではありませんでした。部下に対して思いやりのある上司、という言葉を見つけて、それが自分だ!と一気に不安が吹き飛ぶようでした。
一方、部下をまとめ上げて結果を出す力に不足あり、という厳しい評価もありました。自分でもそうだと感じていたことでした。
「自分はどんなリーダーになればいいんだろうか」
ハジメさんは、いままで関わってきた上司の姿をあれこれ思い浮かべました。
「あんな先輩たちのようなリーダーにはなれない」
あまりにも自分とはタイプが違いすぎます。真似すらできません。
「では、どうしたらいいのだろうか」
ハジメさんは悩んでいます。部下の言うことをよく聞きながら、みんなを同じ方向に引っ張っていくことはできないだろうか。リーダーならやっぱり強引にでもみんなをまとめなくてはいけないのか。自分に合うようなリーダーのモデルがいないだろうか。
答えはすぐ近くにあるような気がしています。ハジメさんはそれを見つけるまで、あきらめないつもりです。
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