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東寺とお彼岸

この日は友人と一緒に。またもや朝早く起きて、9時半には阪急大宮駅。バスで東寺東門前バス停へ。

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少し前に高野山に行ったので、やはり東寺をしっかり見ようと思ったのだ。元々弟が龍谷で大学時代に八条に住んでいたので、めちゃくちゃ近かった東寺。弘法さんの市には何度も行ったことがあったのに、拝観料を払って中に入ったかどうかの記憶が全くない。大学の頃に仲良かった友達が京都の子でお寺が大好きな友人で色んなお寺に連れて行ってくれた中で終い弘法にも行ったのに全く覚えていない。でもそういう昔の体験が50まで知らない間に積み重なって今がある。そんな今気になることも全て過去の基礎のお陰だなあと最近よく思う。学校の勉強なんかもきっとそうなんだろう。教科書に載っていたことで生活に役立つことなんて無いとかよくいうけど、全てがどこかで役立つのだろう。死ぬ頃にフリを回収して全てにオチがついたら面白いのになと思う。
さて、東寺、もちろんでかい。空海がここと高野山をどうやって行き来したのだろうと思うぐらい高野山から遠くて高野山を全く思い出せない場所だ。平坦だしw


本堂へ行く前に塔頭の「観智院」へ行く。

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やはり京都だなあと。久しぶりに来てみて隅々まで隙のないお寺のしつらえやもてなし方に感心する。よく考えたら奈良で打ち水をしているところなんて見たことない気がする。そこかしこの些細なことで洗練を感じたわ。他に思ったのは、グッズが多種に渡ってあって量が多い!観光地として完璧だなと感じる。観智院は、「五大虚空蔵菩薩」で有名。右から「獅子、象、馬、鶴、鶴」に乗った虚空菩薩が並んで立っている。。。と思ってHPをみたら「獅子、象、馬、孔雀、迦楼羅」だってw 鶴じゃなかったw とにかく、その扁平顔の虚空菩薩がいいのだ。それもこれは空海も修行した長安の青龍寺の本尊だったものであるとのこと。なんとも密教的な仏像で心に残った。

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↑旗までかっこいいぞ

観智院の空海は若々しくて東寺を見つめていた。

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それから、「食堂」で手ぬぐいを買う。これは、東寺、仁和寺、神光院で朱印を押してくれる「京都三弘法参り」の手ぬぐいでデザインがなんとも素朴で可愛い。それにしても仁和寺はわかるけど、神光院ってどこなのだ?と帰って検索してみると上賀茂神社あたりらしい。いつか行けるのが楽しみ。

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宝殿を拝見してから、大師堂と呼ばれる「御影堂」へ行く。

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読経を聞きながら御影堂の前の看板を読んでいたら、司馬遼太郎が書いた御影堂についての一説が書かれていた。司馬遼太郎は年末年始を京都のホテルで過ごしていたらしく、そんな時に友達から京都に来てるので案内してほしいと言われるとこの御影堂の前を待ち合わせにしていたらしい。平安京の最古の遺構である東寺の中でも京都御所よりも遥かに古い住宅建築の御影堂をみてから他の場所へと移るのが京都への礼儀であると書いていた。

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私はその御影堂の建築よりも、正月に京都にやってきて、司馬遼太郎に京都案内をさせるなんて事をやってた人がいるんだとそっちにびっくりしたわ。そんな贅沢なことをできる人がおるんやねえw


さて、本丸の境内へと入っていくぞ。

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今回見たかったのは、立体曼荼羅のある「講堂」。ここには大日如来を中心として21尊もの仏像が規則正しく並んでいる。平面の曼荼羅を立体にしたという須弥壇。確かに仏が多い。曼荼羅を読めるようになりたいなと思わせる。ここに多分密教の真髄があるのだろう。知らんけどw


ゆっくり拝見してから、隣の「金堂」に入っていく

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こちらはシンプルに大きな薬師如来を挟んで日光月光菩薩の三尊。薬師如来は坐像で台座をぐるりと十二神将が賑やかに囲んでいる。先程の立体曼荼羅よりも金堂の方がグッときた。金堂は外は真っ黒なんだけど、中に入ったら朱が塗られていてそれがいい感じにくすんでいてかっこよく、その中に金色に輝く仏がとてもマッチしていておおお!となる。一度出たけどまた見たくなってもう一度入って座ってゆっくり見た。

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五重塔まで行ってみる。初層は見せてもらえる時もあるみたいだけど、この日は閉まっていた。でも日本一大きな五重塔を一回りして大きいなああああと思う。因みに2番目は興福寺の五重塔らしい。この前興福寺で近くからよく見たけど太さが全然違う。立派である。京都へ新幹線で来る人がこの塔を見て京都を感じるのがわかるなあ。などと思っていると、なんと!あれ?わああああ!リュックがない。金堂にうっとり座った時に置いてそのままにしてたんや!暗がりだったので気がつかなかった!ええええええん。と一緒にいた友人に言うと、絶対あるからと焦ってくれない。あの薬師如来の前で盗みをする人なんておらんよ、なんて平然と言う。普通に歩いて金堂に戻ると、、、はい、確かにリュックはあった。警備員のおじさんも、取りに来られるかと思ってもうしばらくここに置いたままにしておこうと思ってましたとニコニコ言う。ありがとうございました。と、またお賽銭をして東寺を後にした。

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そろそろお腹が空いてきた。京都はなんでもあるだろうとノープランだったので、バスで四条河原町まで行く。すごい人だ。コロナ前とは言わないけど最近歩いた町の中で一番人が多い。ぶらぶらと歩いて先斗町を抜けて川沿いの、タイ料理を食べた。

そこからまたぷらぷらと歩いていると京都の百貨店、藤井大丸までやって来ていた。友人が、ああ、藤井大丸の近くにおばあちゃんのお墓があるんよねと。藤井大丸の裏側でと言うので、少し探してみるとああ、ここやわと、親しみやすいお寺がある。庫裡のところで声をかけてその奥にある扉を開けてもらい、お墓について行ってみる。気がついたらその日はお彼岸だったので、おばあさんが来て欲しかったのかななんて言っていた。
お参りを済ませて、村上重本店で漬物を買い、永楽屋でお抹茶をいただき、阪急で帰った。
いい日だった。

21.9.23


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