サイコロきっぷで出雲へ〜二日目① 北山温泉 砂の器
寝る前にたくさんもらった出雲のパンフレットを見ながら、2日目をああしようこうしようと考えていた。
考えたのは、ドーミーインの朝ごはんを最初の6時半に食べる→ドーミーのお風呂とサウナ→チェックアウトしてバーのマスターおすすめの「そば処 あごう」に11時の開店前に並ぶ→バタデンで出雲大社前駅に行ってバスで稲佐の浜へ行く→北山温泉→出雲市駅でお土産買う→4時半の電車で帰る。というプラン。
6時半前に起きて朝ごはんを食べてお風呂まではいけた!でも、起きたらかなりの雨で、稲佐の浜へは行けそうもなく、そして昨日食べれなかった出雲そばが朝ごはんのビュッフェにあったりしてお料理も色とりどりでおいしかったのでなんか食べすぎてしまい、マスターの教えてくれた蕎麦も食べれる気にもなれず、、、11時のチェックアウトまでいて、蕎麦はやめて「しっとりつるつる北山温泉」まで行くことにした。
サイコロきっぷが発売されることも知らなかった去年の12月、神戸ハーバーランドであったくまモンのクリスマスパーティに行った時に「しまねっこ」もやって来ていて、お世話係のお姉さんが(ゆるキャラの面倒みてる人はお世話係と呼ばれているw)かわいいしまねっこの袋に入ったパンフレットを配っていた。お姉さんは私を見て、島根どうですか?とパンフレットを渡してくれた。その時に出雲行きたいんです。ずっと思ってるんです!と熱く宣言してそのパンフレットを頂いたのだった。
あの瞬間にこの出雲行きは決まってたのではないかと思っている。お姉さんお陰で来れましたよ〜!
そのパンフレットは女子旅向きのものでとても綺麗でトイレに置いて何度も読み返していた。特に「美肌県しまね うるおい研究室」というコーナーがあって、とにかく島根県の温泉は多種多様でうるおいがすごいと書いてあったのだ。
ドーミーインの温泉ももちろんいいんだけど、どこかちゃんと温泉に行ってみたいなと行く前から思っていて、玉造温泉へ行くなど考えたんだけど、出雲の温泉にしようと思って決めたのが、「しっとりつるつる北山温泉」! しっとりつるつると最初から言っているのだ。ほんまにそうなのか確かめなあかん!
この温泉は一畑電車 川跡駅から歩いて10分のところにあって島根県立大学の隣、田んぼの中にある町の人達が使う日帰り温泉施設。
「出雲の温泉応援キャンペーン お得に出雲市の日帰り温泉を巡ろう!」というパンフレットをもらっていて五百円の割引があったので、なんと二百円で入ることができた!
脱衣場へ入った瞬間に、出雲のおばあさまでものすごい賑わい。地元の人に愛される温泉施設なんだなというのがすぐにわかった。
入ってみると看板に偽り無し!!少し茶褐色のお風呂は入った瞬間にしっとりつるつるになる。大きい浴槽はその琥珀色のお湯がたっぷりで、炭酸泉と最近新築されたというサウナと水風呂、外に露天風呂がある。
大きな湯船の天然温泉はとても気持ちよくて長風呂が苦手な私もしばらく浸かってお湯を楽しんでいた。ふと見上げると壁に大きな「稲佐の浜」の絵が!今日本当は行きたかった、その麓まで行ってお参りをしたかった稲佐の浜の弁天島が銭湯ペンキ絵となってくれていたのだ!私が行けなくて悲しんでるのをこうやって出雲の神さんは見せてくれたんだなとまたまた有難い気持ちになった
サウナも新しくて気持ちよく、水風呂もいい具合。そしておばあさまばかりだからかそのサウナと水風呂は私だけしか使ってる人がいなく貸切状態。ほんまええなあと思ってると何やら理解できない言葉が耳に入ってきた。おばあさんたちが楽しそうに友達と話してるんだけど、時折、そうやねえなどと相槌を打つ言葉はわかるんだけど内容が全く何を話してるのかわからないのだ。
しばらく考えて、ハッとした!これは、「砂の器」だ!!!
松本清張のあの有名な小説の最後のトリックに使われる、犯人が使うズーズー弁、これを主人公の老刑事はずっと東北の言葉だと思っていたのだけど、実は島根県出雲地方は東北地方と似た方言を使用する地域であること(雲伯方言、出雲方言)を知り、島根県の地図から事件のキーワードだった「亀嵩」の駅名を発見するというあの、あれだ!そのズーズー弁がお風呂の中で話されていたのだ!これは昨日の出雲大社や夜の出雲で全く聞くことの無かった言葉だった。いや、聞き逃していたのかもしれない。こういう地元の人だけがいる日帰り温泉だからこそ聞くことができたのだろう。私は興奮した!砂の器で老刑事役をしていた丹波哲郎の気分でお風呂を出て休憩所で缶ビールを買い、体と頭の火照りを冷ましたのだった。
23.2.13~サイコロきっぷ 出雲の旅 二日目①