ボルボ百景58 祖父が生まれ育った足利の里山へ
ちょうど足利に行く用事があったので、
祖父の実家があったあたりを探してみました。
祖父は農家の次男だったので、
尋常小学校を出たばかりの12歳で
足利の故郷を後にしました。
そして東京下町のメリヤス工場で
丁稚奉公をして独立。
招集されて空襲で焼け野原になっても
小さなメリヤス工場を戦後に再開。
久米繊維の礎を築いてくれたのです。
残念ながら実家やお墓は
幼いころに連れられただけなので、
どこなのかもわかりませんでした。
しかし、祖父の宗派、真言宗のお寺は
この界隈では、東光寺だけでした。
お墓を探すと久米家の親族の名前を
探し出すことができました。
祖父が幼い頃見た景色と
あまり変わっていないであろう里山。
12歳で見知らぬ街へと
丁稚奉公に出されるのは
どんな気持ちだったか。
生前、祖父に聴くことは
できませんでした。