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知り合って2ヶ月でNYコレクションへ

一年前、初めて個人でNYコレクションに行った話です。

「きっかけはSNS」
2023年9月11日、Satomi,el beso NYFW2024ssにネイルデザイナーとして参加してきました。

Satomiさんと知り合ったきっかけは、SNSでした。
コレクションの2ヶ月前の7月、Satomiさんの応援者さんが、私を見つけて連絡をくれたのがはじまりです。
初めはクラファンのアドバイスのために話をしたのですが、なんとありがたいことにNYFWでのネイルのオファーをいただきました。
知り合ってから数日で現地まで同行することが決まり、チャンスが動く時の速さに興奮が止まりませんでした。
それに、チームではなく個人に依頼をもらったのは初めてで、大変嬉しく光栄なことでした。

これまで続けてきた海外コレクションの経験と、コツコツと発信してきたSNS、全てのおかげだと本当に嬉しかったです。
どこかで誰かが見ていて見つけてくれる。発信する事は、作品を制作するのと同じぐらい大事だと思いました。
大好きなNYに、またレベルアップした自分で行けることに心が震えました。



「ネイルはマストな世界」
アイドル衣装デザイナーのさとみさんは、まずキャラクターを決め、そこから衣装をデザインしていくという制作方法をされます。
名前や性格なども決まっていて、ネイルをしているキャラがいるのです。
「ネイルはマスト」
「ネイルがないと完成しないスタイル」なのです。
それは私がこれまで必死で求めてきた、ネイルの価値が認められている場所でした。
「必要なもの」として迎えてもらいました。


全部で10ルック。ありがたいことに信頼して、デザインのほとんどを任せていただきました。
Satomi,el besoのコレクションがさとみさんの想う形で成功するよう、衣装を着たモデルさんがより輝くよう、他の誰も作れない唯一無二のネイルを創りました。

さとみさんは、仕上がったネイルに感動してくれました。私の中で冒険したデザインもあったので、喜んでもらえてホッとしたのを覚えています。


10作品の中の一つ。


「フライトのトラブル」
1人で行くNY、実は往路でフライトのトラブルに見舞われました。機材が原因で、乗る予定だった3つの便が欠航になり、ダラス空港のソファーで一夜を明かしたり、やっと乗れた便は燃料切れでNYの手前の空港に緊急着陸したり…。さらに、1日遅れでやっと到着したNYの空港に、私のスーツケースは無く、4日間滞在予定の3日間は届きませんでした。

幸いネイル作品だけは機内持ち込みにしていて何とかなりましたが、道具類がありませんでしたので、エタノールやピンセット、ハサミ、コットン、両面テープ、生活用品…これらは現地で調達しました。

3便欠航、燃料切れで別空港へ。5つの空港を回る羽目に。


とにかく、このNYはSatomi,el besoさんの大事なコレクションなので、皆様にご迷惑をかけないように、そのことを一番に考えました。

これまで国内外10回以上のランウェイに参加し、その際様々なトラブルをチームで乗り越えてきました。その経験から、たとえ1人でも、どう対応すべきかということだけを考えて動くことができました。

また、日本から心配してくれて、サポートしてくれた人がたくさんいました。
ネイルデザイナー仲間も、道具などのアドバイスをくれたり、本当に力になりました。
実際には1人でしたが1人ではない気持ちで、不安に陥ることなく乗り切り、なんとかコレクションには大きな支障が出ることなく最善を尽くすことができました。

現地で調達したモノ。スーツケースは3日間届かず。
慣れない道具での仕込み作業



「興奮のNYFW」
今回のコレクションは、2日間で約10ブランドのランウェイが行われました。
やはり海外コレクションの現場はカオスでした。それも、エキサイティングにエネルギーが飛び交う空気感はNYならではでした。

またゲストの衣装がすごいのです!全身赤や紫、蛍光ピンクなどの人も多く、最高にお気に入りの衣装で集まるゲスト達に「やっぱりNYはこうなんだな!」と興奮しました。大好きなNY、ハードさも ありますが、この場にいられることが幸せでした。



Satomiさんのチームは私を入れて5人。
足りないことに執着せず、与えられた中でどこまでベストなパフォーマンスをするかを考えられる人達でした。これができることは、海外コレクションではとても大切なことです。
衣装陣営は本当に大変。
とにかく私は、ネイルのことは当たり前にこなし、衣装をサポートできるよう動きました。みんながお互いサポートし合いました。

Satomi,el besoさとみさん


私は、コレクションでは、バックステージもデザイナーとしても、どちらも経験があります。この2つはまったく立場が違いますが、両方を知っているのは大きな強みです。
この時は自分自身ではなく「役割」を意識して行動しました。
さとみさんからも、ネイルでも、人としても、オファーしてよかったと思ってもらえたようで、役に立てたことがたまらなく嬉しかったです。


会場の中、ネイルをつけたブランドは一つ、ネイリストは私1人だけでしたから、大変注目されました。
モデルさんもとても喜んでくれましたし、ヘアメイクさん、他のブランドのデザイナーさん、運営の方々もネイルを見に集まってくれました。
ゲストの中にミスカレッジの方がいて、ネイルをプレゼントしたりもしました。


一人で参加するコレクションは、責任は重くなりますし、現場対応力も必要ですが、ご縁は深く繋がり、ネイルの価値をより感じてもらえると実感しました。
このように、ファッションをはじめ、他の業界の方々との関わりは、ネイルデザイナーの活動を拡げるためになると考えます。今、自分がそのような存在になれてきたのがとても嬉しいです。
これからも、このように「NOBU」のネイルが必要と思ってもらえるよう邁進します。

背中を押してくれたネイルチーム爪華師代表、チームの一員にしてくれたSatomiさんに、心から感謝いたします。
ありがとうございました。

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