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NPO しんぐるまざあず・ふぉーらむ 令和4年度助成金支給実績 数千万円のズレの疑い


はじめに

先日ニュースでも報じられた「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の元職員の会計不正が発覚した件について

Twitter(X)にて事業報告書を読み解いてきました。
前回・前々回と令和3年度の助成金支給実績について投稿しましたが、


今回は令和4年度の助成金支給実績の内容についてアニュアルレポート等と比較して検証していきたいと思います。
令和3年度に引き続いて、令和4年度も助成金支給実績がおかしなことになっているので、その点を見ていきたいと思います。

助成金支給実績

しんぐるまざあず・ふぉーらむの助成金支給実績は東京都のNPOサイトに掲示されています。

なお、「助成金支給実績」は助成金の支給を行った団体は報告が義務付けられているものです。

アニュアルレポート

また今回は2022年度(令和4年度)の同団体のアニュアルレポートと比較していきます。
アニュアルレポートは以下リンクから確認できます。

https://www.single-mama.com/wp/wp-content/uploads/2023/07/e20ae7819b9ec2f4fdbf6bd985a2e513.pdf

それでは、次項から令和4年度の助成金支給実績とアニュアルレポート等と比較しながら見ていきましょう。

令和4年度の助成金支給実績

0.助成金支給額実績の「@」の使い方

こちらも前回のnoteでも記載しましたが、令和4年度も全体的に「@」の使い方がおかしいんですよね。

@マークの使い方

「@」は会計では通常「単価」に対して付与するものです。
令和3年度同様、令和4年度も「人数(世帯)」の前に「@」を付けるという謎仕様。
2022年度(令和4年度)から会計担当者を複数名追加したそうですが、誰もココは指摘しなかったんですかね。
人を追加した意味があったのかなと疑問に感じてしまいますが・・・。

1.新入学お祝い金

まずは新入学お祝い金ですが、アニュアルレポートでは46人に贈呈となっていますが

アニュアルレポート 新入学お祝い金2023のランドセル贈呈

助成金支給実績ではランドセルと記載していると思われる箇所は42人+2人で44人ですね。

助成金支給実績 新入学お祝い金2023

「お祝い金」「バックパック」「Quoカード」の人数は問題ないのですが、ランドセルだけ2人分差が出ていますね。
何でこうなったんでしょうね・・・。

2.カプコン2022~2023年越し支援

次に「カプコン2022~2023年越し支援」
助成金支給実績では22団体で合計¥18,097,500-

助成金支給実績  カプコン2022~2023年越し支援
助成金支給実績  カプコン2022~2023年越し支援Excelまとめ


ですが、アニュアルレポートでは
22団体で合計¥20,000,000-
ですね。

アニュアルレポート  カプコン2022~2023年越し支援

差額の¥1,902,500-はどうなったんでしょうね。

3.助成金支給実績に記載のないカプコンの助成金

助成先団体の事業報告書を見ると、前項の「カプコン2022~2023年越し支援」だけでなく、他にもカプコン関連の助成金があるように見えます。
前回も参考にした「NPOインクルいわて」の2022年度の事業報告書を見ると

NPOインクルいわて 2022年度の事業報告書

「カプコン2022~2023年越し支援」(上表青枠)ともう一つ、「カプコン2022年春食糧支援助成金」(上表赤枠)が存在していますね。
ですが、助成金支給実績にも、アニュアルレポートにもこの「カプコン2022年春食品支援助成金」の記載がないです。
1団体で100万円も助成していますから、数千万単位の助成と思われるのですが、なんで助成金支給実績にも、アニュアルレポートにもこの記載がないのか不思議ですね。

ちなみに、カプコンの統合報告書2023(2022年度分)を確認すると、
https://www.capcom.co.jp/ir/data/pdf/annual/2023/annual_2023_01.pdf

1年で4000万円しんぐるまざあず・ふぉーらむに支援しています。

カプコンの統合報告書2023(2022年度分)

2022年度のアニュアルレポートを確認すると
①カプコン2022~2023年越し支援

アニュアルレポート  カプコン2022~2023年越し支援

②DAIJOUBU!2022 食料支援(1月)

DAIJOUBU!2022 食料支援(1月)

この2事業のみが記載されています。
①カプコン2022~2023年越し支援 ¥18,097,500-
②DAIJOUBU!2022 食料支援(1月) ¥7,218,362
②の「DAIJOUBU!2022 食料支援(1月)」は他の寄付金も混ざっているので、カプコン負担分は最大でも約700万円程度ですね。
なので①②合計で最大2500万円程度ということになります。
残りが「カプコン2022年春食品支援助成金」と仮に考えた場合、カプコンは4000万円支払っているので、「カプコン2022年春食品支援助成金」の総額は約1500万円以上ということが考えられますね。
総額約1500万円の行先が助成金支給実績にも、アニュアルレポートにも記載がないのですか、・・・そうですか。

4.だいじょうぶだよ!基金

2022年度のアニュアルレポートで「だいじょうぶだよ!基金」の記載があるのですが、

2022アニュアルレポート だいじょうぶだよ!基金第4次


第4次助成は2021年度のアニュアルレポートにも記載しているものなんですよね。助成先団体数、総額も一致していますね。

2021アニュアルレポート だいじょうぶだよ!基金第四次

何で年度跨ぎでもない事業なのに、前年度の結果をまた掲載しているのか不明です。
ちなみに、2022年は第5次助成金の配布が行われているんですよね。
2022年11月30日のTopicにも記載があるのですが、

Topic だいじょうぶだよ!基金第五次助成金

22団体に¥20,149,000-助成していることになっています。
ですが、そもそもの話として2022年の助成金支給実績には「だいじょうぶだよ!基金」の記載がなく、かつアニュアルレポートには第4次助成金の記載のみという状況なんですよね。

もう訳が分からないですね。
金額だけでなく、事業そのものを把握いないのかな?と疑いたくなりますね。

5.厚生労働省「ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業」

厚生労働省「ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業」は、さらにカオスです。
アニュアルレポートだと
①2021年度繰り越し 27団体 ¥49,884,000-
②2022年度     28団体 ¥24,091,000-
③2022年度補正   22団体 ¥10,376,000-

アニュアルレポート ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業

とあるのですが、2022年度の助成金支給実績では
1.令和3年度
2.令和4年度
3.令和4年度延長追加分
4.令和4年度補正分

助成金支給実績 ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業

と、4事業あるんですよね。
事業名称・団体数・金額を比較すると下表の通り。

ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業 アニュアルレポート・助成金支給実績比較

もう、対象から金額まで全然異なりますね。
唯一、アニュアルレポートの「①2021年度繰り越し」と助成金支給実績の「2.令和4年度」が団体数・金額が一致するかな?
まぁ、対象名が異なるわけですけれども・・・。

まとめ

前項までの助成金支給実績でおかしな所の内容をまとめると下表の通りになります。

2022年度助成金支給実績のおかしな所まとめ

2.差額約200万円
3.記載がない分で約1500万円
4.第5次の記載なし分で約2000万円
5.差額約1900万円
合計で約5600万円分助成金支給実績がおかしいと見て取れますね。

ちなみに、令和4年度の同団体の活動計算書を確認すると、助成金支給実績に関係する支援費と支払助成金の合計が

活動計算書 支援費と支払助成金

約4憶1千万円なので。約13.5%に当たる部分がが記載漏れor使途不明ということになりますね。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
本投稿の序盤でも触れましたが、しんぐるまざぁず・ふぉーらむはこの2022年度から会計担当が1名体制だったところに、2名人員を追加して体制の強化を図っていたようですが

体制の強化

実を結んだとは到底言えない状況ですね。
令和3年度までは会計担当者が一人だったため、ということは言えるかもしれませんが、令和4年度は3名体制でもこの内容ですからね。
会計担当者1人のやらかしというレベルの話ではないのかなと思います。

次回は今回の内容をベースに、事業報告書と比較して事業報告や会計上の数字とおかしいところが無いかを確認していきたいと思います。
まぁ、あったから次回予告しているんですけどね・・・orz

それでは今回はここまでとなります。
最後までご覧いただきありがとうございました。

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