垣野勝司 「生成りシリーズ」レビュー
垣野氏の代名詞ともいえる「生成りシリーズ」。
この「生成り」は陶芸用語で言うところの「化粧掛け」を7~8回繰り返す事により生まれます。
俗にいう「粉引(こひき)」です。
☝「生成り」の元となる化粧土☝
化粧が剥がれにくい様に独自の調合がなされています。
☝7~8回塗り終わった状態☝
アイボリー色が化粧土の色で、茶色い部分は素地の土の色。
この色の差は、化粧土を塗り重ねていく際、刷毛が前に塗った化粧を剥がしてしまう事により起こるのだそう。
しかし、
それにより生まれる個体差が手作りの風合いを高め、「生成りシリーズ」の温かみを生み出しています。
☝塗り終わり☝
ひとつひとつ表情が異なる。
★長所★
次に「生成りシリーズ」の長所です。
①欠けにくい
陶器としては高温の1,250度(例:萩焼は大体1,200度)で焼成していることに加え、硬い土を独自に調合している為、欠けにくいです。
ちなみに欠けにくさの実例としては、
カンナキッチン(防府市の飲食店)のオーナー様にランチのメインプレートで御使用頂いてる「生成り丸リム皿」が、オープンされてから2年以上欠けなかった、と嬉しい御報告を頂いております☝
☝カンナキッチンさんの月替わりランチに使用されています☝
席数20席のお店で2年間チップ無しという御報告が、売り手としてこの「生成りシリーズ」に強い信頼を持つきっかけとなりました♪
⇩カンナキッチンさん
➁多くの料理との相性が良い
この点は説明するよりも画像を見て頂く方が早いので幾つか御紹介を☟
☝「生成りMoon Dish × 大学芋」
☝「生成りリム深皿 × マーボー春雨(市販のやつ 笑)」
☝「生成りバット皿 × トマトとオクラのピクルス」
☝「生成り鉢 × ブロッコリー単体 」
☝「生成りリム皿 × スーパーの惣菜 」
☝「生成り皿 × 焼き野菜カレー」
☝「生成りボウル(高台付き) × 盛岡冷麺」
☝「生成り舟形皿 × 具だくさん麻婆ナス」
☝「生成り六角豆皿 × 漬物」
☝「生成りリムオーバル皿 × たらこパスタ」
☝「生成りスープカップ × コーンスープ」
☝「生成りバット皿(大) × イチジクとマッシュルームのサラダ」
☝「生成りカップ × ブルーベリーヨーグルト」
☝「生成り薬味皿 × ミニおかず」
カンナキッチンさんのランチより
☝「生成り舟形皿(小) × おかず3種盛り」
カンナキッチンさんのランチより
☝「生成り碗 × お味噌汁」
カンナキッチンさんのランチより
☝「生成りカップ × 茶碗蒸し」
カンナキッチンさんのランチより
☝「生成りリム鉢 × 白オクラのネバネバ」
☝「生成り丼 × 3種のネバネバ丼」
☝「生成り舟形皿 × アボカドとサツマイモのバター炒め」
☝「生成りどら鉢 × ナスの煮浸し風」
いかがでしたでしょうか、この生成りと料理の相性の良さは(笑)!?
という事で、どんな種類形状の器も安心してお求め頂いて大丈夫です!
③吸水性が(ほぼ)無い事により衛生的
いわゆる土ものの「粉引」タイプは萩焼を筆頭に吸水してしまうものが多いです。
例えば昔の高麗茶碗などには「雨漏手(あまもりで)」という「粉引茶碗」がありますが、吸水し過ぎてボディに斑点ができてしまうほどでした(斑点自体は景色として愛でられていますが)。
その為、
見た目の印象が「粉引」そのものの「生成りシリーズ」は、その事を御存知の陶芸ファンからは
「水、吸いそう・・・(つまり、乾きが甘いとカビが生えそう、という悪い予想的表現 )」
と言われちゃいますが、この「生成りシリーズ」に関してはほぼその心配は必要ありません!
と、ここで最近お求め頂いたお客様からありがたいLINEが届きましたので御紹介すると、
と、売り手の私がお伝えしないといけない事を全てほとんど語って下さいました(ありがたき幸せ~泣!)。
ちなみに高温焼成と土の調合が吸水を防いでいるのはもちろんの事、個人的に一番難しいと予想されるのは、素地と化粧土が剥がれない様に調合する事と、化粧土と透明釉の蒸着具合がしっかりする調合が成功している点です。
これがなされていないと「粉引」は吸水しますし、通常、「粉引」はチップ(欠ける)するとそこをきっかけにパリパリと釉薬や化粧までもが剥がれ始めていくものがあるのです。
そういう使用に関してかなり注意が必要になる焼き物が「粉引」な訳ですが、こちらのLINEを下さったお客様は「粉引」のそういう性質を御存知だったからこそ、この「生成り」の機能美に感心して頂けたのだと思われます。
吸水すると乾きが甘いまま暗い所に保管するとカビます・・・。
しかしこの「生成り」は吸水しないのでカビないので、その点で衛生的と言えるのです!
④撮影しやすい
ごく薄めに透明釉を掛けている事により表面に強い光沢を放つ事が無い為、料理の撮影が非常にしやすいです。
光沢がある器だと、きれいに撮れる逆光斜め45度からの撮影をした場合に、その角度がちょうど光が反射して器本来の色味を映し出す事ができない場合があります。
「料理は映えても器が光って・・・」
という悩みを抱える心配が無いのもこの「生成りシリーズ」の長所です。
まとめ
いかかだったでしょうか?
垣野氏の「生成りシリーズ」は派手さこそありませんが、機能美、デザイン、手作りの温もりに長けた本当におすすめしやすい器達です。
そしてそんな垣野氏の器を10月30日18時よりJIBITAオンラインショップにて販売致します!
種類も豊富なのでぜひこの機会に自分だけのとっておきを見つけてみて下さいね♪
★「垣野勝司 オンライン個展」
期間:10月30日18時~11月10日11時59分まで
※⇧終了しました。
↓ JIBITAオンラインショップはこちら ↓
https://jibita.stores.jp/
⇧過去の個展時の紹介動画です。