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時澤真美 ガラス作品の制作フロー
こんにちは、のぶちかです.
今回はロングインタビューに続き、時澤さんの主な作品に関する制作フローを簡単に御紹介します。
◆その①
「a bottle」シリーズ
先ずはこちらを御覧下さい⇩
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☝これは時澤さん直筆の「a bottle」シリーズの制作フローです。
もうこれを見たまんまなのですが、少しポイントを補足すると
ポイント①
予めデッサンにて規格を決める。
ポイント②
ある一定以上の厚みが必要な作品なので、最初に巻き取るガラス量が多い。
ポイント③
予め厚みのある状態をつぶす為、規格のアウトラインまでの削りこみに時間が掛かる。
ポイント④
上図には書いて無いが、仕上げに表面をしっかり磨き上げ、更に表面へのファイヤーポリッシュを行う。
ポイント⑤
※PCでデザインした模様を転写してサンドブラストし、金彩を焼き付けて完成!
↓※デザインから転写までのフロー
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以上、サッと終わってしまいましたが、出雲のガラス作家 川辺雅規さんは以前JIBITAで時澤さんの作品を手に取られ、
「勘弁してほしい(笑)」
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と仰っておられました。
「何がですか?」
と、のぶちかが尋ねると、
「この磨きの技術と丁寧さ。ここまでやってこの値段だと自分なら2倍は(値段)を付けないと合わない」
と、時澤さんの磨きの技術の凄さについて御説明下さいました。
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確かにそれまで「ガラスは透明だから透明で当たり前」という感覚でしか見た事が無かったガラスですが、時澤さんの作品は基本的に削りを入れるものがほとんど。
つまり、削ったままだとすりガラス状になって曇ってしまう訳です。
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削る量や道具によっては非常に目が粗くなる事から、荒砥、中砥、仕上げと段階を踏んで磨き工程を分けなければならない事から、非常に手間が掛かる仕事となる訳です。
それなのにこの「a bottle」シリーズの透明度と表面の滑らかさときたら…。
ちなみに削りを行うものは一旦徐冷をしてからでないと削れない為、サイズにもよりますが徐冷だけでも半日から1日掛かるそうです。
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それを削ってまた温めなおしてファイヤーポリッシュ、徐冷、そして更に金の焼付け、徐冷という工程から作業時間に約3日間を要するのがこの「a bottle」シリーズとなります。
鑑賞のポイント
磨き技術はもちろんの事、のぶちかが思うこのシリーズの鑑賞ポイントとしては、丸く厚く吹いた球体状のガラスを扁平にして削り出すという作業上発生する厚みのムラや器物内側の曲線が取り込む光と影と周辺の景色です。
どこに置くか?
どこで見るか?
それによって「a bottle」自体の表情が変わるのです☝
つまり、光も影も景色も全て「a bottle」の作品の一部。
例えば、
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上の写真は夜明け前の薄暗い中での表情。
「暗いから見えない」
ではなく、
「暗くても放つ存在感」
そんな作品がこの「a bottle」なのです。
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これが厚みが均一で薄く吹いただけの形状(それが悪いという訳ではなく)だと、いくら透明でもここまでの存在感は放ちにくいです。
小さくても、透明でも、暗い場所でも、遠目に見ても、しっかりとした存在感を放つ作品「a bottle」。
この作品の魅力が少しでも多くの皆様に共感して頂けると嬉しく思います。