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スプラッター描写の凝りよう【徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑】後編
徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑
ハロー早漏遅漏どうも。岸田エンマです!
前回のnoteから時期が経ちましたが、東映ポルノ映画『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』のレビューの続きです!(遅筆ですみません!アッチの筆捌きはF1並に早いのですが…)
さて、前回は『徳川女刑罰絵巻 』のグロさに耐えかねて、前半部分しかレビューを行いませんでした。前半クライマックスで牛裂き刑が見せ場としてありましたが、実は後半でタイトルの牛裂き刑は登場しません。とは言え、こちらも負けじとおどろおどろしい内容となっておりました…。
あなたは耐えられるだろうか…ビジュアルもストーリーも血にまみれたこの世界に!!
マイナススタート・捨蔵の悲劇
舞台は遊郭。遊女を大勢呼びつけ、大尽遊びを楽しむ男が一人。彼が主人公の捨蔵である。名前の通り、みなしごである捨蔵は人のいい性格であった。そんな彼は明るく活発な遊女のお里に惹かれていく。
当然、みなしご出身の捨蔵に金はなく、遊び代の支払いを求めた遊郭から強制労働を強いられることになる。暗い出自とストーリーだが、捨蔵のコミカルな立ち振舞が和らげるのが幸いである。
「前半よりは見やすい内容かなぁ〜」と安心したのも束の間、遊郭のおぞましい実態を目の当たりにすることになる。客取りを巡ってキャットファイトを繰り広げる遊女たち。後輩遊女を犬蜜責めにする拷問(今なら動物愛護団体にも怒られそうなシーン)。孕んだ遊女を使いものにならないので墮胎させる遊郭などなど…。
いやぁ〜勘弁してくれよぉ…。牛裂き乗り越えたところ、別の地獄が待っていたとはね…。特に拷問シーンが地獄である。役者の演技・つんざく断末魔が鑑賞する我々を地獄に落としてくる。この現象はここでしか見れないだろう。
そんな地獄を目の当たりにした捨蔵にとっては悲劇である。だが、捨蔵の持つコミカル性によって、かろうじて鑑賞が出来る構成となっている。例えば、捨蔵が遊郭から男のチンコ斬り拷問を任されたシーンで、拷問される男は断末魔を挙げて苦しむが、「堪忍な〜堪忍な〜」とそそくさに斬るところは、一周回って喜劇に見えるのだ。捨蔵の悲劇は喜劇にも見える。この妙なところが面白いところやなぁ…。
衝撃のラスト!鋸引き私刑
そんな悪どい環境に耐えかねて、捨蔵はお里と一緒に遊郭を抜けることを決める。しかし、遊郭を抜けた先にはまた遊郭。捨蔵らが稼ぐ手段はそれくらいしかないのだ。そして、この二人は捕縛され拷問を受けることになる。悲しいかな…二人に安楽な居場所などなかったのだ。さらに、遊郭の商品でもあるお里は奉行から開放されることになり、捨蔵は一人となってしまう。
そして、捨蔵は鋸(ノコギリ)引きの刑に処される。この刑は市井の民に自由に鋸を引かせるものであったが、鋸を引く人は全くいないため、実質晒し刑であった。「ナレーションでもそう説明されてるから、取り敢えず捨蔵は無事やなぁ」と安心しました。
しかし!そう終わらないのが『牛裂きの刑』!
捨蔵に近づく一つの影。明らかに狂ってる男が捨蔵と鋸を見た瞬間、玩具を扱うように鋸を引き始め…。
続きは皆さんの目で確かめて頂きたい。
この映画はスプラッター描写に凝った映画であったが、突き詰めた故にコメディを感じるものがあった。それは前回の今回挙げた拷問方法のバカバカしさから分かるだろう。この点において、昨今の邦画作品と比べると、圧倒的に突き抜けている。