インド国内旅行 『東北地方への食の旅 Sikkim&Meghlaya』 #1 シッキム編
インド東北地方『通称Seven Sisters』
※2002年にシッキムが加わってからは8州なので、本当は'Eight Sisters'
どの州も、インド本国とはかなり文化風習が違って、どちらかというとアジア圏に近いものが多く、
インド料理や文化に疲れた日本人にはかなり郷愁を誘うものではないかしら?
かくいう私も、いつからか東北地方では納豆を食べると風の噂に聞いてからはずっと訪れてみたい土地の一つだった。
私は、インドに暮らし始めて割とすぐに長女を授かることができて、当初計画してた「インドを隅々まで見てやろう」という野望(😆)を果たせないまま、慣れないインドでの新生活に加え、初めての子育てが始まってしまったのでR
それから国内旅行は子供達を連れて行ける土地、例えば比較的綺麗なホテルがある、とか衛生的であるとかの基準で旅行先を選んでいたので、本当に自分が行きたいところには行けてない、というか、行きたいと思っていたこともちょっと忘れていたのです。
それを思い出させてくれたのが、
友達のMさんとMちゃん夫婦
ご主人のMさんなんて、現地法人の社長さんなのに奥さんのMちゃんを連れてインドの僻地という僻地に行きまくっていたの
この大好きな二人の楽しそうな話を聞くたびに、どんどん自分が行きたかった場所と気持ちを思い出して行ったのです
2018年に長女がミラノに留学、次女が寄宿舎があるマスーリーの学校に転入したのを機に、ちょっとづつ「マニアック旅行」を始めたその第一段が2019年3月に行ったこのシッキム&メガラヤ旅行
まず、私とさんちゃんが選ぶ目的地は、食べたいご飯があるところ
面白い宿があるところ
で、その土地に行ったら必ずローカルの人で賑わうバザール(市場)に行くこと
シッキム編
シッキムにした理由は、
・私たちが大好きなネパール文化とインド東北文化が混ざっている事
・納豆がある事
・kechupari lakeという湖のほとりでゲストハウスをしている春子さんに会いに行きたかった事
でも残念ながら春子さんは日本に帰国中で会えなそうだったので、そのお楽しみはまた次回へ持ち越し
空路 Delhi→Siliguri
シリグリ在住の従兄弟に空港へ迎えに来てもらって強引に連れて行かれた彼の家で叔母さんとお嫁さんが作った美味しいランチをいただく事に(インドあるある、うちに寄ってくれないと拗ねちゃうよ、パターン 笑笑)
ランチ後、従兄弟がタクシーをアレンジしてくれたので、
目的地のGangtok(ガントック)への行程の約半分の場所にあるKalingpon(カリンポン)目指して陸路でGo
カリンポンは山あいの小さくて可愛らしい街
東北文化に触れるのを待ちきれない私たちは、早速小さなマーケットに歩いて出かけて、道端の水牛の焼肉を食べたり、小さい商店の手作りアチャールを食べたり、その店で見つけたRanu(麹/Nuruk/Ragi/Marcha)に大喜びの大興奮w
小さいみかん・ドライ納豆(Kinema)・デリーにはない豆・乾燥ココナツのお菓子・一番右の丸いおせんべいみたいなのがラヌ(麹)
次の日は朝早めにまた陸路でGangtokへ
冒頭にある色とりどりのTibetan仏教寺院なんかを見ながら中心街で降ろしてもらう
エアビーで探したホテルにチェックインして、またまた腰が落ち着かない私たちはマーケットへ
山あいの街ながら、昔から交易が栄えていたエリア(チベットと英国統治時代のインドを結ぶ)なので、どことなくコロニアルスタイルの古い建物なんかもあり、上品な街という印象
Gangtokで遊ぶ
まず考えるのは美味しい食べ物のことww
早速友達のJリーから教えてもらった彼女のシッキムの友人がお勧めしてたというNimtho 実はこのお店デリーのGK1にも支店があって、デリーの方のお店はオープンしたばっかりに行ったことがあったの オープンしたばかりだったからか、その時はメニューの数がとても少なくて少しがっかりした記憶があるけど、このガントックの本店はスゴーーーーークメニューも豊富で何より内装がむちゃくちゃ可愛かった
↑店内から、ギャントックの中心街 MG Margを眺める
(一体インド中にいくつのMG Marg やMG Roadがあるんだろう?デリーグルガオンのそれはMehrauli-Gurgaon Roadだけど、他の地域のほとんどではMahatma-Gandhi Road/Marg)
写真の中の正面、看板の下に見える白と黒の建物は英国統治時代の建物をそのまま使った店舗
こんな建物がちらほらあった
↑modern but ethnic
↑店の中に伝統的な田舎のキッチンが模してあった
↑チベット仏教のたくさんいるDemon (Thangkaと呼ばれる鬼)
あちらこちらで見る写真とかはまさに不動大名王さまってかんじ。 同じ神様だろうけど
でもこの壁掛け↑ はアニメキャラみたいでめっちゃ可愛いくない?
https://www.tibettravel.org/tibetan-buddhism/tibetan-buddhist-demons.html
このNimthoはトラディショナルなシッキム料理とネパール料理を出すお店なので、メニュー全部がツボで、結局すごく短い滞在時間だったのに3回も行ってしまったww
↑ Nepali Thakali thali (ネパールの定食)
さらさらとしたMustang Dal (Simi) が激ウマだった!
※左上のおしるこみたいな色の
↑ Shikkimese Thali (シッキムの定食)
シッキムは住んでいる人もネパール人が多いし、公用語はネパール語だし,ネパールと大差ないのだけど(来てみて初めて知った!)
やっぱりオリジナルな文化も料理もある
↑キネマ(ドライ納豆)・コ・ジョル (Kinema Ko Jhol)
これが好きすぎて買って来たドライ納豆で動画も作ったった。わはは
※参考までに↓↓↓
↑ Mutton Fry /マトンフライ(マトン肉の炒め焼き)
インドはマトン肉と言えばヤギ肉 特に山間部のmountain goatがよく好まれる
↑ Chiken Sadeko/チキンサデコ(ネパール風チキンサラダ)
↑ Nepali Khaja /ネパリーカジャ(ネパールの軽食)
まるでお酒のおつまみセットのようだけど、どれもネパールの山間部で暮らすために力がつくような豆類や発酵食品などがバランスよくとれる
通常chiuraaと呼ばれるフラットライスと一緒に供される
↑これは別の店
見た目がまるで紅生姜が載っているとんこつラーメンのよう
な、チキントゥクパ(チベタンヌードル)
濃厚なチキンスープにトッピングは硬くて周りが赤みがかった昭和っぽいチャーシューと、ビーツのみじん切り
Gangtokの市場 Lal Bazar/ラル・バザール
4〜5階建ての建物の中に、ありとあらゆるものを売る店が乱雑に並んでいるマーケット ラルバザール 作られたのは1956年と意外と古い
Gangtokの住民はもちろん、結構遠くからも人々が買い物に来てるようだ
実は、シッキム州はインド国内唯一の完全オーガニック農業を遂行している州だそう
なので、普通に地元のおばちゃんたちが出している八百屋さんの野菜もオーガニックなの
もちろん、もともとの母数である栽培量も、栽培面積もとっても小さいからオーガニックに統一しやすい、という理由もあるけど。
↓この記事はインドのオーガニック農業の州別状況をまとめたもので、とてもわかりやすい記事だったので、興味ある方は読んでみて
https://www.downtoearth.org.in/blog/agriculture/on-a-tardy-trail-state-of-organic-farming-in-india-73269
↑ピータラビットのにんじんも、太っちょの山生姜、いかにも薬を使ってなさそうな青みがかったトマト、右上の袋に入ったチビ・ピーマンみたいなやつは、激辛かつ旨味がある、かの有名な唐辛子Dalle Chilli
大根の太いこと!どの野菜もピカピカ
デンプン質が高い山のジャガイモ ピンクがかっている皮が特徴 ゴーヤ、赤玉ねぎ、オクラ、グリーンピース、カリフラワー
↑お香とお米の店 右下にある、白い箱でピンク文字の箱のお香はラダックにも売っていた ものすごーーーくいい香り
米粉で作った麺、ポン菓子(米はぜ?って言わなかった?)、瓶詰めの漬物このおばちゃんが、麹(Ranu/ Marcha)を売っているって聞きつけて、探し当てて辿り着いたけど、自家用分しか残ってないと断られて、でも粘ってお願いしたら売ってくれたwww
↑ 中国からの安い輸入品たちが山積みされている店
バケツ、石鹸、爪切り、野菜用バッグ、油、神様の絵 なんでも売ってる
↑この日の戦利品
手作りキャラメル、麹(マルチャ/ラヌ)、各種漬物、プラムを干してお砂糖まぶしたお菓子
もう一つの目的 Tongba
↑夜も更けてきたので、もう一つの大事な目的
「Tongba」を求めて薄暗い路地を探す
閉まりかけの市場の片隅の八百屋のおばちゃん達にTongbaを飲める場所はないか聞いてみる でも、なんだかみんな、知らないのか教えたくないのか、ちゃんと答えてくれない
一つの店のおばちゃんが、「あるよ。でも絶対見つからないからうちの息子に連れて行かせるよ」って言ってくれた
え?
普通のBarで普通に飲めると思っていた私たちは、なんだか怪しい気配を感じた
その息子ちゃんの後をついていくと、やっぱりどんどん怪しい路地へ
ちょっとドキドキして、路地の写真を撮るのも憚られた
でも、たどり着いたお店は家族経営の可愛らしい店↓
↑私の隣にいるのが、働き者の妻 その奥がバイトの子 その奥の帽子かぶってるのが夫 だけど、夫は何もせずダラダラ酒飲んで座ってるだけw 店番さえしてない
よく怒らないなぁ、妻 えらいなぁww
奥のドアのむこうがうちらが入ってきた通路で、通路を挟んで向かいにある空いてるドアが別の店
こんな感じで1間間口のような小さい店がいくつもぎゅっと並んでた
入ってすぐの小さい引き出しの上に、ざるに入ったゆで卵と、カサカサのチャーシューみたいなものが載っているお皿が置いてあって、客は勝手にそこから取っていくシステムらしい
木で作られた小さめのベンチみたいなものにみんな並んで座っている
写真ではわからないけど、店内はタバコの煙で白く煙っている 戦後の場末の酒場のようだ。 知らんけどww
↓これがお目当ての「Tongba」トンバ
↑ 雑穀のヒエ(Ragi/Finger Millet)を発酵させたものを、この竹の筒(この竹筒のマグのこともトンバと呼ぶ)に詰め、
お湯を注いで5分待つと発酵したからヒエからアルコール成分がお湯と一緒に出て熱燗にしたお酒っぽくなる
それを、アルミニウムのストローで飲む
ストローの先はヒエの細かい粒が入ってこないように潰したみたいになっている
ご想像の通り、温かい酒をストローで飲むという行為は、かなり酔いを早める
それも含め、寒い山間部の知恵なのか、どうなのか
ネパールで昔飲んだ時は、アルミの小さい茶漉し付きのヤカンに入って出てきて、可愛くて楽しかったけど、この竹の筒で飲むのも味があっていい
ここのBARではヒエが入った筒を目の前にどんっと置かれて、お世辞にもきれいと言えないデカい樽から、ちょびっと濁ったお湯(!?)を風呂場でつかうプラスチックのマグに入れてこっちも、どんって出されたので、
、、、、、「乳酸菌たっぷりお腹に優しい!優しい菌は腸に優しい!健康になるお酒!!!」って心で唱えながら飲んだよ 笑
おかげさまで、お腹は壊しませんでした
このお酒は、お湯を入れるたびにアルコールは薄まっていくけど、どれだけ飲んでも筒を交換しなければ同じ金額なので、だいたいみんな2〜3回お湯を継ぎ足して楽しむらしいけど、私たちは一回にしときました
やーだ、お金持ち!笑
ちょびっと観光
ガントックから有名なモネストリー(Monastery/僧院)や、すごい壮大な景色の湖など見所はたくさんあったのだけど、食べ物とマーケットで興奮しすぎてあっという間に次の場所へ移動する日になってしまって、ほとんど観光はできなかった
今度は、ちゃんともっと遠くまで行けるように計画していこう
ガントックの北緯は27度で、世界高峰第3位のカンチャンジャンガと同じで、しかも距離も近いから、きっとガントックのもっと奥の北シッキムは素晴らしい絶景の宝庫でしょう!
↑ロープウェイから一望できるガントックの街
↑カラフルなチベタン寺院 早朝くれば祈祷儀式にも参加できるらしい
↑建物をぐるりと囲うマニ車
↑チベット風の絨毯がめっちゃ可愛い!!
このテーブルのデザインもツボ!