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#3 私が愛するデジタルカメラとレンズ



1. 自己紹介

還暦を迎えようとしています。
写真を始めたのは40年以上前のことです。当時、自分のカメラは「写るんです」でした。「写るんです」を使い捨てにするお金もなかったので、新しいフィルムを友人に暗室で装填してもらい、使い回していました。
田舎のためか、学校にカメラ部もなく、写真を教えてくれる人もいませんでした。
社会人になってから、初めて中古で「Canon AE-1+50mm」を購入しました。お店で買ったので不良品なんてないと思っていたのですが、今から考えると少し問題のあるカメラでした💦。
私にはそれくらい知識がないまま、写真を撮る楽しさと出来上がったプリントの喜びで続けてきました。何度か止めようと思ったこともありましたが、そのたびに再開して、今に至ります。

2. なぜ素人撮影者?

日本では「カメラマン」「フォトグラファー」「写真家」などさまざまな呼び方があります。それぞれに意味があるようなので、誤解を避けるため「撮影者」と名乗っています。
また、「プロ」と「アマチュア」という区別もありますが、日本ではアマチュアという言葉が、安井仲治氏のような作品撮影をする人を指す場合もあるようです。そのため、わかりやすく「素人」と表現しています。
言葉の選び方は本当に難しいと感じています。

3 私が考えるデジタルカメラとレンズ

偏見かもしれませんが、私はデジタルカメラ全般に価値を見出せないと感じています。
例えば、デジタルカメラの歴史を変えたといわれるニコン D1(25年前に発売)を、今購入する人がいるとしたら、実際に使用する以外の目的で購入するのだろうかと思います。一方で、Leica M3のような70年前の機械式カメラを購入する人の目的が最新カメラと同様の事ができるので特に違和感を覚えません。
デジタルカメラは、そのほとんどが電子部品で構成されており、たとえばチップコンデンサが故障するだけで動作しなくなることがあります。また、IC(集積回路)の保証期間は約3年と思われるので、微細化された高性能な設計であればあるほど、壊れやすい傾向があると考えられます。
運良く壊れなかったとしても、メーカーがバッテリーの供給を停止してしまえば、発火のリスクがある互換バッテリーを使うか、純正バッテリーがまだ使用可能なうちに手放すしかなくなります。
実際、4433というラージフォーマットの初期フラッグシップモデルは、発売からわずか4年でメーカーがバッテリー販売を終了しました。当時「安い」と言われていましたが、100万円もした。そのカメラがバッテリー供給が絶たれただけで文鎮になった様子を目にして、デジタルの世界の厳しさを痛感しました。
レンズについても、マウントの変更が問題になります。Leica M型のように長い間マウントを維持しているメーカーはほとんどありません。最近では、ミラーレス化によってほとんどの会社のカメラがマウントを変更しました。今後、マウントが変わらない保証はないことが分かります。

4 私が愛するデジタルカメラとレンズ

私のお気に入りのカメラはSIGMA fpLです。このカメラの優れた点は以下の通りです:

  1. バッテリーが安い
    家電量販店で約2,000円で購入可能。しかも、以前の世代から引き継がれたバッテリーを採用しているため、今後も供給される可能性が高いと考えています。

  2. 本体価格が手頃
    2025年1月2日時点で223,337円。フルフレームセンサー搭載のこの価格は、APS-Cセンサー搭載のX100VI(288,000円)よりも安いです。

  3. 操作がシンプル
    メニューが非常に少ないため、設定の操作が簡単です。多機能な現代のカメラは、メニューのどこに設定があるのか分からなくなることが多いですが、fpLではそのようなストレスを感じることがありません。

  4. 思ってもいない写真が撮れる
    ダイヤルが軽々と回るので設定した露出になっていたりすることがあります。その時、狙って撮ることができない写真が残ることがあります。同じ露出だけではない何かバグのような動作をしているのかもしれません。(そのような写真が残る時、次の撮影までかなり時間がかかる事が多いです)

ただし、このカメラを万人に勧めることはできません。理由を挙げると

  • AF性能が非常に遅い

  • ストロボ撮影が困難(シンクロスピードが1/15秒)

  • ローリングシャッター歪みが顕著

  • バッテリーがあっという間になくなる。

  • 立ち上がりが遅い

  • ダイヤルが軽々と回ってしまう

  • マウントがマイナーなSLマウント(カタログにはLマウントと書かれていますが、このマウントはLeicaの古いマウントと同じ名前なのでSLマウントと呼ばれています)

このような事からこのカメラを他人に勧める事はできないです。
レンズはレンズアダプターで装着して、フランス製のレンズシャッタータイプを使っています。操作がかなり面倒ですが、動きのない被写体に特化したfpLには適しています。

5 終わりに

写真撮影において機材選びは重要ですが、「万人向け」の機材は存在しません。
撮影者が自分の撮りたいものやスタイルを理解し、それに合った機材を選ぶことが重要だと思います。
なぜなら、物価の高騰が進む中、失敗したから別の機材を買い直す、という方法が難しくなってきているからです。元値が高いと買取価格の目減り率が同じであっても自分の資金の減りが大きくなるからです。昔は20万円もあればフラッグシップカメラが買えました。Leica M6も新品でこれくらいの値段で買えました。失敗したと思っても、0.8掛けで買い取られても、4万円の損失でしたが、今や高性能カメラは50万円。フラッグシップは100万円する時代です。50万円のカメラ買って失敗したからと、買ったその日に売っても7万5千円から10万円は自己資金が減ります。
大切なのは、選んだ機材が「撮影意欲を掻き立てるかどうか」です。どれほど高性能でも、撮影意欲が湧かないのであれば、その機材は適していないのかもしれません。
私自身、フィルムカメラ2台とデジタルカメラ2台の計4台を所有していますが、それぞれ異なる目的や楽しみ方があります。この中でフィルムカメラの1台だけ新品で購入したものです。(が、私が購入したカメラではありません)
最終的には、デジタル技術の進化に伴い、撮影と写真制作の意味そのものが変わっていくかもしれません。その中で、撮影者が何を求め、どのように写真と向き合うのかが問われる時代になっていくのだと感じます。

記事を読んでいただきありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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