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#1 写真を楽しむ
1. 自己紹介
還暦を迎えようとしています。
写真を始めたのは40年以上前のことです。当時、自分のカメラは「写るんです」でした。「写るんです」を使い捨てにするお金もなかったので、新しいフィルムを友人に暗室で装填してもらい、使い回していました。
田舎のためか、学校にカメラ部もなく、写真を教えてくれる人もいませんでした。
社会人になってから、初めて中古で「Canon AE-1+50mm」を購入しました。お店で買ったので不良品なんてないと思っていたのですが、今から考えると少し問題のあるカメラでした💦。
私にはそれくらい知識がないまま、写真を撮る楽しさと出来上がったプリントの喜びで続けてきました。何度か止めようと思ったこともありましたが、そのたびに再開して、今に至ります。
2. なぜ素人撮影者?
日本では「カメラマン」「フォトグラファー」「写真家」などさまざまな呼び方があります。それぞれに意味があるようなので、誤解を避けるため「撮影者」と名乗っています。
また、「プロ」と「アマチュア」という区別もありますが、日本ではアマチュアという言葉が、安井仲治氏のような作品撮影をする人を指す場合もあるようです。そのため、わかりやすく「素人」と表現しています。
言葉の選び方は本当に難しいと感じています。
3. 「写真を始めました」から「カメラ始めました」に変わった時代
最近では、写真を趣味にすることを「カメラ始めました」と言うのが一般的なようです。私のような古い人間には少し違和感があります。
「写真始めました」は写真も機材も含めているように聞こえますが、「カメラ始めました」は機材に焦点が当たっている印象を受けるからです。
写真の話をすると盛り上がらないことが多いですが、機材の話になると大抵盛り上がります。昔は機材の話をすることは少なく、「何を撮るか」が主な話題でした。
「カメラ始めました」という言葉の背景には、デジタルカメラの登場による価値観の変化があるのかもしれません。しかし、それが何なのか、私自身まだはっきりとは分かっていません。
フィルム時代の「写るんです」は単なる箱のような存在で、フィルムを入れ替える遊びができました。一方でデジタル写真はデータとして存在するため、手に取れるものはカメラのみ。だから「カメラ始めました」となったのかもしれません。
デジタル技術の進化によって、誰もが美しい写真を撮れるようになり、露出などの知識がなくても撮影を依頼されるという話も聞いたことがあります。
このデジタル技術の変化は、写真だけでなく他の分野にも影響を与えているようにも感じています。
効率を重視し、平均的なものを短時間で作る時代になりつつある一方で、失っているものも多いのではないかと感じています。
言葉の表現が変化する事は時代が動いている事で、これからも「カメラ始めました」とおっしゃる方の発言を注意深く聞いていこうと思います。
4. 機材の話
機材の話はいつも盛り上がります。私も大好きです。1839年に誕生した写真は、まさにテクノロジーから生まれたものですから、技術の重要性を強く感じます。
私はかつて、一眼レフのデジタルカメラをすべて手放し、フィルムカメラとコンパクトデジタルカメラだけを手元に残して写真撮影から遠ざかった時期がありました。
その理由は、街中でスナップ撮影をする人たちが増え、カメラを持っていることで何をしても許されるような振る舞いが横行しているのを目にしたからです。たとえば、人の目の前に立ちで無遠慮に写真を撮ったり、バスに乗り込もうとする人々を邪魔しながらローアングルで撮影したりする行為です。
こういった「表現の自由」を都合よく解釈した行動が広がり、そういった人たちの仲間だと思われたくない気持ちが、カメラを嫌いとスナップ嫌いになるきっかけとなりました。
写真から離れて数年が経ち、2020年に撮りたい被写体ができました。久しぶりに家電量販店を訪れると、一眼レフカメラのほかにミラーレスカメラという新しいタイプのカメラが並んでいました。
そこで、YouTubeでカメラ機材について調べた結果、SONYが飛躍的な進化を遂げていることを知りましが、2020年はちょうど世代交代の時期であり、候補から外すことにしました。NIKONは経営不安の噂があり、デザインも自分には合わなかったため候補外に。最終的に残ったのは、当時まだ人気が出る前だったLeicaとCanonでした。
結局Canonを購入しましたが、後に世代交代によって50%オフで販売されていたLeica M型も手に入れました。
しかし、Leicaはフィルム時代の良さを感じられず、人気が出る直前に手放してしまいました。(今売れば高く売れたはずですが勿体無い事をしました)
その後、デジタルカメラのCanonも売却し、手元にはSIGMAのデジタルカメラだけが残りました。
しかし、写真を副業にする話が浮上し、Canonを再び中古で買い戻しましたが、結局その話はなくなり、Canonのカメラは1回/月ぐらいしか使用していないです。一方で、SIGMAのカメラは未だ私のお気に入りで、外出時にいつも持ち歩く存在です。
YouTubeでカメラ機材のレビューを見ていると、配信者が「最高」と絶賛していた機材を、数ヶ月後には手放していることがよくあります。これに気づいてからは、YouTuberの意見を話半分で聞くようにしています。
機材の選択は人それぞれです。少なくとも、自分に合う機材かどうかはYouTuberのレビューだけでは判断できません。むしろ、実際に会った人から勧められる方が自分に合う場合が多いです。
この違いは、責任感の有無によるものかもしれません。直接会って話す人は、同じジャンルの写真を撮っていることが多く、目的に沿ったアドバイスをもらえる可能性が高いのです。
ただし、最終的には自分で使ってみないと、本当に合う機材かどうかは分かりません。たとえば、ラージフォーマット(4433)カメラを好む人もいれば、同じような重量のフルフレーム(フルサイズ)カメラがしっくりくる人もいます。
本当は軽量で高性能、高画質、操作性が良いカメラがあれば誰もがそれを選ぶでしょうが、そのようなカメラは存在しないですし、今後も全員が満足するカメラは発売されないでしょう。
私にとって最高の機材とは、「撮影したい」と思わせてくれるものです。それがどんな機材であれ、自分の写真ライフを豊かにしてくれる存在であれば、それが私にとってのベストだと思っています。
5. 2025年1月1日の最初に始めたこと
前日に、朝早くから8x10カメラで撮影するための準備をして寝ました。
初日の出の混雑を避けた時間に出発し人がほとんどいない海岸の撮影をイメージしていましたが、セッティングに時間がかかり、2枚撮影するのに1時間以上もかかり人も多くなり、日もだいぶ登った写真になってしまいました。しかし、今回の撮影から撮りたいイメージができたので、また時間を変えて挑戦する予定です。
8x10カメラは珍しいため、準備中に人によく見られます。昨年の大晦日も私の撮影をスマホで撮影していた人がいました。
この日も撮影後に片付けをしていると、ランニング中の方が話しかけてくださいました。かつてファッション撮影をされていたそうで、機材をきっかけに写真の話で盛り上がりました。とても楽しい時間でした。
6. 終わりに
これからも写真やカメラについて話していこうと思います。
よろしくお願いいたします。