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今のこの気持ちも、明日には消えてなくなる【蓮ノ空ラブライブ大会】

その瞬間、私たちは歴史の目撃者となった。
1万人をこえる観衆が見守る中ラブライブ決勝大会が行われ、その結果に会場は歓喜と困惑に包まれた。



2025年1月10日

ラブライブ!決勝大会が開催され多くのスクールアイドルが最高のパフォーマンスを披露した。
身内贔屓………と言うにはいささか彼女たちと私の距離は遠いが、私は蓮ノ空女学院を応援しに会場へと足を運んだ。
そこで見た瑞河女子高等学校のパフォーマンスに心を奪われた。


瑞河女子高等学校

桂城泉さん。スクコネで3カ月連続月間MVPを獲得し、数々のスクールアイドルのコンテストに参加してはタイトルを総なめにしている。下馬評では圧倒的な優勝候補だ。これでまだ1年生だというのだから驚きである。

『Edelied』

瑞河女子に入学してからのスクールアイドルとしての彼女の活動はこの瞬間の為にあったのだろう。絶対に勝利を掴む、そんな彼女の意思がその表情に、気高いパフォーマンスに表れていた。1曲、時間にしてわずか数分の出来事であったが圧巻のパフォーマンスに私は飲まれた。曲が終わり、気づけば素晴らしいパフォーマンスに惜しみない拍手と歓声を送っていた。それと同時に

勝てないかもしれない………

そう思わせるには十分すぎるパフォーマンスであった。


そんな緊張感の中『蓮ノ空女学院』の名が告げられ私の応援しているスクールアイドルがステージ上へと姿を見せた。


蓮ノ空女学院

『AURORA FLOWER』

気づけば蓮ノ空のステージは終わっていた。
瞬間のようにも永遠のようにも感じられたパフォーマンスに歓声をあげた。2年ほど追いかけてきた蓮ノ空女学院との思い出。そのすべてが思い出されるようなパフォーマンスに気づけば涙し、拳を突き上げていた。

勝てる、勝てるんだ………!

さっきまでの不安が嘘のように私の中には確信めいた予感がわきあがっていた。

蓮ノ空の出番を終えすべてのスクールアイドルのパフォーマンスが終了し、結果発表をただ待つ。再び凄まじい緊張感が私を襲った。


結果発表

その結果を告げられた瞬間、全身が弛緩し思わず椅子に座りこんでしまった。
「同率?どういうこと?」
困惑の最中、さらに衝撃のアナウンスが告げられた。

ラブライブ大会史上初、同率1位のグループが2組。
そしてその2グループによるプレーオフ開催が決定。
一騎打ちのプレーオフ、とどのつまり引き分け再試合だ。

蓮ノ空のステージをもう一度見ることができる。歓喜に沸き、座り込んでいた全身に力が漲り思わず立ち上がった。


2025年1月26日

ここから先は少し未来の話。
すでにプレーオフの日程も発表され、2グループは決着をつけるために今まさに練習の真っ最中であろう。

どちらが1位か結果が出る。
結果が出てしまう。
結果が出るということは今のこの気持ちもなくなってしまうということだ。あの日、あの瞬間瑞河のパフォーマンスを見て上げた歓声も、勝てないかもしれないと言う不安も。蓮ノ空のパフォーマンスを見て勝てると思った気持ちも。結果を待つ時の祈るようなあの気持ちも。全部今は別のものに変わってしまっている。それはひとえに引き分けという結果が出たからだ。しかしその瞬間瞬間に抱いた気持ちはたとえ今は消えていたり変わっていたとしても嘘ではなかった。あの瞬間のあの気持ちは私だけのものだ。

勝って欲しいという願いも結果が出たらどんな気持ちに変わっているだろうか。

それを確かめたい。どんな結果になろうと見逃さないよ。
決して夢を諦めなかった少女たちの最終決戦。

歓声をあげろ。思いを熱狂に乗せて、彼女たちに届くように。

文責・秋月信綱


編集後記

蓮ノ空が今を生きるスクールアイドルの物語なら、今しか書けない、今残す意味のある記事を書きたいと思いこういった形になりました。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。願わくば1月26日、同じ時代に息する少女たちを皆さんと一緒に見届けたいと思います。

今この瞬間を大切に

信綱


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