異端って何?

【質問】なぜキリスト教には異端と呼ばれるグループがあるのでしょうか。異端と正統な教会とはどこが違うのでしょうか。なぜキリスト教は白黒、はっきり分けたがるのでしょうか。異端の定義とは何でしょうか。

【私たちの回答】 私たちが異端と聞くと、白い装束を着た、怪しい新興宗教の集団だと考えます。しかし実際の異端・カルトの信者は、普通のどこにでもいる人たちです。むしろ魅力的に見える人たちが多いようです。

本物があれば、偽物も出てきます。皆さんには、本物のキリスト教と偽物の教会の違いを見分けてほしいと願っています。

異端とは?

では、異端とは何でしょうか。キリスト教の異端とは、聖書の基本教義を否定する宗教団体のことです。

もっと簡単に言えば、異端では「彼ら独自の教えを信じなかったら救われない」と語り、強迫観念を植えつけます。聖書の根幹と言える主要教義を否定するので、キリスト教を自称していますが、キリスト教とは根本的に別物の宗教です。

聖書の主要教義とは?

では聖書の主要教義とは何でしょうか。キリスト教会にも、多くの教団教派があります。プロテスタントだけではなく、カトリック、正教会もあります。正統的な信仰をもつ教会では、古くから「使徒信条」と呼ばれる信仰告白を、聖書の共通認識として持ってきました。以下が「使徒信条」です。

「私は全地の造り主、全能の父なる神を信じます。私はそのひとり子、私たちの主、イエス・キリストを信じます。主は聖霊によりやどり、おとめマリヤより生まれ、ポンテオ・ピラトのもとで苦しみを受け、十字架につけられ、死にて葬られ、よみにくだり、三日目に死人のうちよりよみがえり、天に昇り、全能の父なる神の右に座しておられます。かしこより来て、生ける者と死でいる者とをさばきます。私は聖霊を信じます。聖なる公同の教会、聖徒の交わり、罪のゆるし、からだのよみがえり、とこしえのいのちを信じます。アーメン。」

特に、異端との関係で大切なポイントは、次の2点です。

① イエスは三位一体の神であること

② 救いは信仰によることです。

三位一体とは何か?

異端の共通点

異端は共通して、この2つの主要教義を否定します。「イエスは神ではなかった」と、キリストの神性を否定します。そしてイエスの代わりに、教祖を救世主として登場させます。

キリストの神性を否定することは、三位一体の神を否定します。また、イエスの十字架上での死は、私たちの罪の代価として不十分だったという主張につながります。

もう一つは「救いは、信仰だけによるのではない」と語ります。救われるためには、自分の努力で頑張る必要が出てきます。しかし聖書は、人の行いによる救いを強く否定してきました。

あくまでも救いの道は、神が主権をもって用意したものです。人の側ではただ神であるイエスに信頼(信仰)すれば良いのです。

キリスト教系新興宗教

異端の教えの多くは、聖書からとってきたものです。 しかし、イエス・キリストの神性と、信仰による救いをという聖書の根幹を否定している時点で、キリスト教とは言えません。彼らは自らを「キリスト教」と名乗っていますが、実体は完全に異なるものです。

昔から日本には、エホバの証人、モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)などが入っています。最近では、アジア発祥のキリスト教系の新興宗教の布教が活発に行われています。

霊感商法や多額な献金、マインドコントロールが、社会問題となっています。その問題の根本は、イエスの神性を否定し、信仰による救いという聖書の根幹を否定するところから始まっています。

異端を見破るのは…

偽札は銀行で発見されます。銀行員は普段から、本物の紙幣を見続け、その肌触りは指が覚えています。少しでも異質な偽札が紛れ込んでいたら、すぐに見破ることができるのです。

偽物を見分ける最善の方法は、本物に触れ続けることです。ぜひ聖書のことばに触れ続けてください。聖書信仰の教会での交わりの中で、本物の神の愛を体験し続けてください。

異端の教えを信じる人の多くが、心から神を求め、真理を求めている人々です。異端の教えに従う信者の皆さんが、嘘を見破ることができるように、切にお祈りしています。また、異端の信者の皆さんが偏見やマインドコンロールから解放され、聖書そのものを読み、イエス・キリストによる救いの真理を見分けることができるように、お祈りしています。

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