翻訳記事:なぜデザイン言語システムにプロダクトマネージャーが必要か
単一サービスのアプリのデザインシステムはわりと簡単に完成したりしますが、特にWebサービスなど常に機能が進化したり更新されてるサービスなどの場合、最初のデザインシステムらしきものが出来たら、実際の運用フェーズに入る…わけではなく、運用しながら改善と実装の繰り返しが現実世界では待っていて、わりと「作って完成」的な感覚でデザインシステムに手を出すと痛い目を会うのはだんだん皆さん、気づいてきたみたい。
で、みんな運用どうしてるんですかね?的な部分がそろそろ注目されつつありますが、そういえば、国内だとデザインシステムチームにデザインプログラムマネージャーやプロダクトマネージャーの話は話題にならないよね?ってところでちょっと古い(といっても去年の夏)の記事。
以下、記事の翻訳。
※ 原文で「Design Language System」とあるので「デザインシステム」とせず、全文通り「デザイン言語システム」と訳しています。
なぜデザイン言語システムにプロダクトマネージャーが必要か
By InRhythm™
概要
エンタープライズデザイン言語システムを専門とするシニアプロダクトマネージャーは、効率、一貫性、そしてイノベーションを加速する統一したデザイン言語システムの作成、拡張、最適化においての専門知識を大規模な組織全体で提供します。製品開発、ユーザーエクスペリエンス、そしてクロスファンクショナルなコラボレーションに関する深い理解を活用することで、企業はイノベーションを加速し、自社の官僚主義を打破し、製品品質を向上させると同時に、デザインの負債や開発および維持管理コストを削減することができます。
Ashton CoghlanのLightning Talkセッション(YouTube)では、デザイン言語システムを効果的に管理するための主要な戦略を明らかにします。
概要
デザイン言語システムとは?
プロダクトマネージャーがデザイン言語システムに何をもたらすのか?
プロダクトマネージャーを雇う10の理由
終わりに
デザイン言語システムとは?
直接的な定義によれば、デザインシステムとは、明確な標準に基づいた再利用可能なコンポーネントのコレクションであり、これらを組み合わせて任意の数のアプリケーションを構築することができます。 Intercomのプロダクトデザインディレクターである Emmet Connolly 氏は次のように述べています。「…ほとんどのデザインシステムは、実際には単なるパターンライブラリでしかありません。つまり、ほぼ無限の方法で組み立てることができる UIのLEGOピースの大きな箱です。 すべての部分に一貫性があるかもしれませんが、それは組み立てられた結果が一貫していることを意味するわけではありません。 あなたの製品は、単なる再利用可能な UI要素の山ではありません。 それには構造と意味があります。 それは一般的なWebページではなく、一連のコンセプトを具体化したものです。」
デザイン言語システムは、要素がどのように見え、どのように動作するかについての信頼できる情報源(the sourc of truth)と考えることができます。
デザイナー、開発者、コンテンツ作成者はDLSを使用して、デザインの要素がすでに存在するかどうかを確認できます。
コンテンツ作成者は、DLSを使用して、特定のデザインコンポーネントの使用方法を説明できます。
自然言語のように、デザイン言語システムは、コンポーネントが徐々に追加され、時間の経過とともに成長すると考えられています。
デザイン言語システムは、デザインを理解するための共有言語であり、それが透明性的に実装の理解につながることを目指しています。
つまり、デザイン言語システムは、製品の構成要素をガイドしサポートする、生きて呼吸する有機体です。
プロダクトマネージャーがデザイン言語システムに何をもたらすか?
デザインシステムは、効率的な製品開発のワークフローに欠かせないものとなっており、システムを製品そのものとして扱うことには大きな利点があります。デザインシステムは、常に進化しつづけるツールやプロセスであり、初期構築から継続的なメンテナンスや反復に至るまでの全ライフサイクルをサポートする製品管理(プロダクトマネージメント)が必要です。
デザイン、エンジニアリング、プロダクトマネージメントのクロスファンクショナルな製品トリオの協力的な取り組みが成功するデザインシステム構築の鍵であり、時間とともに組織に価値を提供し続けます。
デザインシステムが成熟するにつれて、プロダクトマネージャーがいれば、新しいリリースに向け整備されたバックログを維持し、受け入れやサポートプロセスを維持し、継続的な投資を確保するためにデザインシステムの影響の測定・報告を支援できます。
プロダクトマネージャーを雇う10の理由
システムデザイナーとエンジニアが現在のワークフローやテクノロジーと互換性のあるデザインシステムを構築するための専門知識を持っている場合、専任のプロダクトマネージャーがシステムのビジョンを組織の目標に合わせて調整し、それらの目標に基づいてロードマップに優先順位を付けることができます。 導入を促進し、デザインシステムの利用者たちとのフィードバックループを作成するためのコミュニケーション戦略も構築します。
デザイン言語システムの実装をサポートするためにプロダクトマネージャーを雇うことの実証済みの利点は次のとおりです:
部門を超えたコラボレーション – プロダクトマネージャーは、デザイン、開発、ビジネスなど、さまざまなチーム間のコミュニケーションとコラボレーションを促進します。これにより、デザイン言語システムがすべての関係者のニーズを確実に満たすことができます。
戦略的ビジョン – プロダクトマネージャーは、デザイン言語システムの長期戦略を定義して実行し、それが会社の目標と目的に確実に一致するようにすることができます。
優先順位付け – 多くの競合する要求があるため、プロダクトマネージャーは、デザイン言語システムの機能と改善に優先順位を付けて、組織に提供される価値を最大化できます。
顧客にフォーカス – プロダクトマネージャーは、顧客のニーズを理解し、そのフィードバックをデザイン言語システムに組み込んだ経験があります。 これにより、ユーザー中心のアプローチが確保され、使いやすさと導入が向上します(下流工程のプロダクトチームは顧客です)。
変更管理 – デザイン言語システムの実装には、プロセスとツールの大幅な変更が伴う場合があります。プロダクトマネージャーは、これらの変更管理を支援し、スムーズな移行を確保して、中断を最小限に抑えることができます。
指標と測定 – プロダクトマネージャーは、デザイン言語システムの採用、使用法、有効性に関する指標を追跡および分析します。 このデータ主導のアプローチは、改善の余地がある領域を特定するのに役立ち、関係者にデザイン言語システムの価値を実証します。
スケーラビリティ – 組織が成長するにつれて、プロダクトマネージャーは、デザイン言語システムを効果的に拡張して、増加するユーザーとプロジェクトのニーズに対応できるようにすることができます。
文書化とトレーニング – プロダクトマネージャーは、明確で簡潔なドキュメントとトレーニング資料の作成を監督し、チームメンバーがデザイン言語システムに簡単にアクセスして理解できるようにします。
継続的な改善 – プロダクトマネージャーは製品とシステムを反復することに熟達しており、デザイン言語システムが常に最新の状態に保たれ、組織や業界のニーズに合わせて進化するようにします。
予算とリソースの管理 – プロダクトマネージャーは、リソースを効率的に割り当て、予算を最大限に活用し、デザイン言語システムの開発が順調に進むように支援できます。
これらの10の要素は、最初からデザイン言語システムの実行可能性を高めるだけでなく、組織内で(デザイン言語システムが)永続的な影響力を保つための強固な基盤を提供します。
終わりに
プロダクトマネージャーはクライアントと協力して、クライアント独自のビジネス目標に合わせてデザイン言語システム戦略を作成し、ブランドを高め、すべてのデジタル製品とプラットフォームにわたってシームレスなユーザーエクスペリエンスを推進します。
元記事: www.inrhythm.com 、投稿者: Kaela A. Coppinger.
翻訳以上。