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パパから愛する娘への手紙

気温が20℃を超える今日この頃、近所の玉川上水沿いには今年も淡いソメイヨシノが咲いた。桜の木の下に咲く菜の花の香りからも、温かい春の訪れを感じる。

気づけば昨夏に誕生した長女もあと数日で9ヶ月目を迎える。

ついこの前まで僕が抱っこすると泣いていた娘が、今では隣で一緒に寝てくれるまでになった。たくましいのか、鈍感なのか、僕のイビキにも全く動じていないようだ。

大は小を兼ねると、生まれた時に被っていた大きな帽子もここ最近では顔が大きく見えるほど小さくなってしまった。夏には麦わら帽子も新調したい。

断固として哺乳瓶でミルクを飲まなかったのに、最近は目盛の数がどんどん上に上がっていく。ミルクの缶もあっという間になくなる始末だ。

うんちもどんどん臭くなる。はっきり言って大人顔負けだ。うんちをしそうになると顔が急に真剣になり、息みだす。それがとっても愛くるしい。妻は毎回「うんちレーダー」が反応して大人のトイレで娘を座らせて用を足させることができる。

最近ずり這いを習得しリビングに敷いたマットレスから上手く降りる術を覚えたことで、知らぬ間に机の下を潜り抜けて大好きな本棚で遊ぶのが日課になった。クローゼットや戸棚が開いていると、まるでワニのような素早い動きで中のものを物色しようとする。

お座りもお手のものだ。僕と一緒に積み木遊びもするようになった。僕が娘の前で高いタワーを作ってみせると、娘はそろりそろりと崩れないように手を伸ばす仕草を見せる。倒れるとびっくりして毎回可愛い泣き顔を見せてくれる。

名前を呼ぶと手を挙げて返事ができるようになった。つい昨日にはいただきますの手を合わせる仕草も覚えてきたらしい。我が子ながら天才じゃないかと思ってしまう、いや、きっとそうに違いない。

お風呂はいつも一緒に入るのが楽しみだ。僕が買ってきたアヒルのおもちゃたちは最初は怖がっていたものの、今では大事なお友達になっている。

ご飯の時間になるとそれまで不機嫌だった娘も笑顔になる。まるでお笑い芸人のザコ◯ショウのような動きで手をバタバタと上下に動かし、ニンジンやさつまいもをモリモリと口に運ぶ。かと思えば、途中で飽きてテーブルの下に食べ物を落とす。大人の反応を見て、さらに嬉しそうな顔をする。

「ぱあぱ、ぱあぱ」娘が最近よくいう言葉だ。特に教えていないのに、僕のことをパパって呼んでくれているのだろうか。

近所で買い物していると知らないおばさんたちから「綺麗な顔だね」「あなたが一番可愛い」と言われる。僕も心の中で「そうでしょ!」と言っている。こればっかりは親バカだと思われてもいい。

妻のみーちゃんはいつも僕に「あっという間に◯◯ちゃんが大きくなっちゃう。寂しいなぁ。」とボソッと呟く。子供と一緒に過ごせる時間は、平均して母親が約7年6ヶ月で父親が3年4ヶ月と聞いたことがある。そりゃ短く感じるのも当然だ。改めて8ヶ月の育児休暇をとってよかったと思っている。仕事に復帰した今も、帰る途中に早歩きの自分に気づく。

娘からは毎日たくさんの元気と癒しをもらっている。昔会社の先輩が言っていた娘自慢が今になって身に染みる。

なんといっても、娘は本当によく笑うようになった。

その笑顔が見れただけで、泣き顔を見れただけで、寝顔を見れただけで、僕はこの世に生まれてきて本当によかったと感じる。抱きしめても抱きしめきれないくらい愛しい。これからも自分の唇がなくなるくらいほっぺにチューしたい。

あとどれくらいでそんな触れ合いができなくなるのかなと思うと少し悲しくなる。
だからこそ、今この瞬間を噛み締めて妻と3人でこれからも楽しい時間を過ごしていきたい。

改めて生まれてきてくれてありがとう。そして、娘のために日々奮闘してくれているみーちゃん、ありがとう。



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