【人間観察】学生さん!ありがとう!
一昨日のことだ。所用で早朝から出かけた。
バス停〇✕▽駅は、土曜だし、始発駅だから、悠々と腰かけて行けるだろうと、高を括って乗り継ぎの私鉄駅を降りる。
すると、バス停前に長蛇の列。
よく観ると、乗ろうとしたバスは、すでにギュウギュウ詰めで、バス停に停車中である。どうも、その長蛇の列は、その満員のバスを諦め、次のバスのための列のようだ。
やまのぼ には、その列の後ろに並ぶ余裕などない。大事な約束時刻に遅れるわけにいかないのだ。
仕方なく、ギュウギュウ詰めのバスに、お尻から強引に乗り込むことにする。どうせ、いつもの高校生たちだろうから、三つ先のあの学校前で、ドッと降りるのだろう。
ところが、その思惑は甘かった!
その駅で一人も降りるどころか、まだ乗ってくる客で、人口密度はマックス状態。そうこうしている間に、やまのぼ の目的地に着いてしまった。
「すみません!後ろから降ります!後ろを開けてください!」
やまのぼ のそんな必死の訴えは、運転手さんに完全に無視された。
やまのぼ は、諦めてギュウギュウ詰めの車内を、「降ります!」と、学生さんにぺこぺこしながら、前の降車ドアへ進もうとした時だ!
車内の通路が、急にすう~ッと空いてくるではないか?
まるで、モーゼの海割りの如くにだ。
「なんだ!なんだ!みんなここで降りるんじゃないか!」やまのぼ は、スイカでぴッ!と鳴らし、前の降車ドアから胸を張って颯爽と降りた。
ところが、一緒に降りたはずの学生さんたちが、粛々とバスに再び乗り込んでいるではないか。
背中で展開するそんな風景を観て、老獪きわまるやまのぼ 爺様は、やっと気づいた!
そうだったんだ!
一人の後期高齢者一歩手前のやまのぼ 爺様のために、モーゼの海割りを、学生さんたちがしてくれたのだ。
あのとき、「ありがとう!」を、言いそびれた学生さんたちに、改めて申し上げたい!
「ありがとうございました!今後ともよろしくお助けください!」
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