【人間観察】ヨソの奥様が魅惑的なワケ
今朝は、小糠雨だった。
日課の朝の散歩は、いつもよりショートコースを選んだ。月極で借りている駐車場を回って神社の裏手へ出る。そして、少し登り坂のバス通りを登り切って、帰宅という二十分ほどのコースだ。
『最近、この月極駐車場にも、外車が増えたなぁ・・・』と、眺めながら進んでいたときだ。
そこに駐車しているMさん宅の赤のボルボの後ろの窓が両側とも全開だ。
帰宅するなりカミさんに「Mさんに電話してあげようか?」<やまのぼ>がそう言い終わらないうちに、カミさんはMさんに電話をしていた。
「大丈夫だった!ありがとう!」暫くしてM夫人からのお礼の電話を<やまのぼ>がとった。
「奥様によろしくお伝え下さい!」「・・・」それは、オレが見つけたんだゼ!と、思いながらだったので、ギコチナイ会話になった。
『大丈夫だって何が・・・シートなんかも随分濡れてるようだったが・・・』
そう思っていたので<やまのぼ>は、「大丈夫だったから」としきりに繰り返すM夫人が理解できなかった。
「大丈夫って?」<やまのぼ>はやっとの思いで言った。「いえ!さっきオタクの奥様から連絡もらって駐車場へ行って来ました。大丈夫だってお伝え下さい」
<やまのぼ>は、ますますトンチンカンな迷路に入り込み、頭が悲鳴をあげていた。
「大丈夫って?窓は閉まっていたんですか?開いていなかったんですか?」
<やまのぼ>は一瞬<キツネにでも摘まれたのか?>と思いそんな質問をした。
「いえ!開いてはいたんですが・・・大丈夫だったんです。何も盗られたモノがなくて」
<やまのぼ>は、初めてM夫人のいう<大丈夫>の意味が飲み込めた。
カミさんとオレは、言葉を交わすまでもなく、車内が雨でびしょ濡れだから、一刻も早く窓を閉めなければと思っていたのに・・・。
人それぞれ感覚には<不一致>ってモノがある。同じ出来事に遭遇しても、その反応は、同じではないのだ。
そんなことを改めて痛感した朝のひとときだった。
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