私がふくろうずを好きな理由その1「トゥーファー」(ループする)
ふくろうず版ハロー・グッドバイ*1 。
体が勝手に踊り出すようなポップなサウンドとは裏腹に、ヒリヒリして切ない歌詞が胸に刺さる。
人と人はわかり合えない。それでもやっぱり、わかり合う努力はしたい。重なり合うことはできなくても、できるだけそばに寄り添いたい。相手が大切な人であればあるほど、なおさらそう思う。
たとえば〈あなた〉が手の届かないテレビの中の〈スーパースター〉だとしたら、まだ諦めがついたかもしれない。
ふれられるほど近くにいるのに〈許しあうことは一生できない〉なんて。〈こんなにも求めあっているのに 今日もさようなら〉なんて。救いようがないにも程がある。それはもう、ハートだって凍りついて当然だ。
けれども、曲を聴いていると、そんな救いようがない世界のなかで、一見諦めているかのような〈あたし〉の〈真っ青なハート〉が確かに動いているのが、わかる気がする。真っ赤な熱い血を身体じゅうに巡らせようとしているドクンドクンという鼓動が、聞こえてくる気がする。
〈突き刺してよ〉と叫ぶ内田さんの声からは、その言葉の冷たさとは反対に、凍りついた心をなんとかして溶かそうとしている情熱を、感じずにはいられないのだ。
終わりを望んでいるようで、実はまだ終わらない、終わらせたくない、ここが新たなスタートのような気さえする。
初めてのアルバムの1曲目にふさわしい、素晴らしい曲。
*1 :ビートルズを敬愛している内田さんが、Hello, Goodbye をふくろうず流に歌うとしたらこうなるのでは、と私は勝手に思っている。行けなかったツアーで彼らがこの曲をカバーしたことを知った時は泣いた。聴きたかった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?