モナコ、リヒテンシュタイン、バチカン、マルタ、アンドラ、サンマリノ;ヨーロッパの超小国
2024年、モナコに行ったので、おおむね世界に承認されている、ヨーロッパの超小国は訪れたことになります。
それで雑感を書きたいと思います。
激動の世界で独立を長期間維持するのは大変だと思います。
多分経済的な面で言えば、最もリッチな国はモナコでしょう。
ここは世界のセレブが住んでいる、tax heavenです。移動の自由や、言論の自由はあると思いますが、実質的に 大公が全てを決め 政治的な権利は国民にないでしょう。気候も温暖だし、警察も しっかりしていて、安全性は高いと思います。
36,297人(世界銀行2023年)2.02平方キロメートル(バチカンに次いで世界第2の小国)。
リヒテンシュタインは実質的にスイスと言って良いでしょうが、ここも民度は高いと思います。馬好きの大公によって全てが決定される。政治的な権利は国民にないでしょう。ただ美術館や公園など市民生活レベルはとても高いと思います。39,062人(2020年12月時点)(外国人約34%)160平方キロメートル(小豆島にほぼ相当)。
バチカンはモナコやリヒテンシュタインと異なり、宗教国ですが、ミケランジェロなどの作品をもち ヨーロッパ文化そのものを体現しているため、比較的安定してるとも言えます。近年は少年へのセクハラ、マフィアのマネーロンダリングなどカトリックの不祥事に厳しい目を向けられています。人口は1000人以下で、ここで生まれても国民になりません。全ての国民は他国との2重国籍者です。その意味で市民生活はないと言えると思います。経済力はモナコに比べれば低いですが、文化財の資産は多額で、また政治影響力は非常に高いでしょう。
バチカン国籍保有者は618人(2023年6月)約0.44平方キロメートル(日本の皇居は約1.15平方キロメートル)。
マルタは、これらの3つの国とは異なり、共和国です。
約54万人(2023年)316平方キロメートル(淡路島の半分)。人口は超小国に中では多いので、普通の国の感覚です。マルタ人というのはギリシャ、イタリア、レバノン(フェニキア)あるいはトリコや北アフリカの諸民族も混じった人たちで、最後の宗主国が英国であったため、イギリス人もおり、極めて多様だと思いました。特に料理は地中海の真ん中にあり、海産資源に恵まれ、トルコ、イタリアの影響も受けレベルが高いと思います。ただイワシ料理は無かった。シチリア島のイワシは有名だそうです、機会があったら食べてみたい。
歴史文化的にも、マルタ騎士団の教会建築、絵画は特筆すべきものがあります。またコンテナー貿易港として地中海の中核となっている。
アンドラとサンマリノは似ています。いずれも、tax heaven、消費税もなく、周辺国との物価差で、観光客などを集めています。アンドラは8.08万人(世銀2023年)468平方キロメートルと大きいのですが、ピレネー山脈の中にあり、住めるところは広くありません。また2000m級の山に囲まれて、空気が薄いです。トゥールーズなどのフランスの大都市からも遠いです。雰囲気的にはここに掲げた国の中では最も暗い感じです。ただ多様な背景を持つヨーロッパ人が アンドラの公務員や商業セクターの雇用者として働いていて面白いです。この国はカトリックの司祭が治めている。
サンマリノは34,000人 面積61.2平方キロメートル(日本の東京都世田谷区や十和田湖(青森県・秋田県))で、アドリア海から30km離れ、高いとこでも700mぐらいでしょうか。リミニからバスで。サンマリノには法人税があるのですが、税率が低いようです。イタリアに囲まれおり、陽気な感じ。急峻な山の上にあるのは確かに独立に必要な条件だった。世界最初の共和国で 現在も続いている。
訪れてみて、それぞれ個性があり、人間が生きることの可能性がとても広いことを強く感じました。