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プロ野球ブレーカーズ2023〜オリックス、ヤクルト編〜

 今シーズンブレークを果たし、チームの新たな柱となっている"ブレーカーズ"を紹介する「プロ野球ブレーカーズ2023」。
 第一回は、オリックス、ヤクルトのブレーカーズを紹介していきます。

オリックス:俊足がウリ!茶野篤政選手

 オリックスで今年花開いたのは、育成ドラフト4位ルーキーの茶野篤政選手。
 茶野選手は、2022年のドラフトにてオリックスに育成4位で指名をもらいました。中京学院大学附属中京高校から名古屋商科大学、独立リーグの徳島インディゴソックスを経ての入団でした。

 元々はセカンドで俊足巧打の選手として活躍していましたが、独立リーグに入団してからは外野も守り、プロに入ってからは外野手での登録となりました。
 50メートル5秒9の俊足が最大のウリですが、一軍の投手相手に単打でコツコツチャンスを生み出すバッティングや、8月2日の楽天戦ではサヨナラ打を放つなど勝負強さも併せ持っているバッターです。

 そんな茶野選手、元チームメートからは次のように評価されています。

 「茶野は継続する能力に長けていました。たとえば前でさばく、バットが遠回りしない右手一本でのティーはずっとやっていました。僕もティーは茶野から話を聞いてやっていますし、茶野から教わった走塁トレーニングにも今取り組んでいて、盗塁数も増えています」

高校野球ドットコム 2023年5月14日 15:02配信の記事より一部抜粋。
徳島インディゴソックス 井上絢登選手より

 「茶野さんは練習や試合で失敗しても、すぐに切り替えて見つかった課題をすぐに消化していました。そこは自分のリードの部分でも生きていますし、同じ独立リーガーの先輩が1軍で活躍しているのを見ると勇気づけられます」

高校野球ドットコム 2023年5月14日 15:02配信の記事より一部抜粋。
徳島インディゴソックス 北村辰輝選手より

 自ら試合で課題を見出し、そこをすぐに解決に向けて取り組む姿勢がチームの中でもいい影響を与えているようですね。
 また、同じリーグで戦う愛媛マンダリンパイレーツの弓岡敬二郎監督(元オリックス)は、

 「みんな、『プロに行きたい、プロに行きたい』と言いますが、そんな姿勢が見えない時に言うんです。昨年一緒にプレーしていた茶野君があれだけの活躍をしている。あんないい見本はないやないかと。独立リーグの星ですよ」

BASEBALLKING 2023年6月22日 6:29配信の記事より一部抜粋。

 と茶野選手を「いい見本」と賛辞した上で、"独立リーグの星"という表現もしていました。
 現在オリックスの外野陣は、これまでのT-岡田選手や小田裕也選手に代わり、中川圭太選手や野口智哉選手ら若手が台頭している代替わりの時期。ここに茶野選手が食い込んでいけば、オリックスの黄金期が続くかもしれませんね。ここからの活躍に期待です。

茶野選手のここまでの成績(7月終了時点)

 71試合 259打数 65安打 1本塁打 
 20打点 5盗塁 打率.251  
 出塁率.304 長打率.290 OPS.594

オリックス・茶野選手。画像はプロ初のサヨナラタイムリーを放った時のもの。

ヤクルト:変則右腕は燕のホープ!小澤怜史選手

 ヤクルトのブレーカーズは、今季高卒8年目の苦労人・小澤怜史選手。
 静岡県三島市出身の小澤選手は2015年のドラフトにてソフトバンクに2位指名を受けたものの、ここではなかなか結果を出すことができず、育成契約となった後、2020年に戦力外通告。
 この5年間を小澤選手は、

 「ケガもあったし結果も出せなかったし、すごいもがいてた時だなと思います。3年目(2018年)にケガをして、4年目、5年目は育成だったんで、特に苦しかったのは3年目ですね。ケガをして何もできなかったんで……」

文春オンライン 2023年6月13日配信の記事より一部抜粋。

 と苦杯を舐めるように振り返りました。

 しかし、20年オフにトライアウトを経てからヤクルトと育成契約を結ぶと、22年6月に支配下契約を勝ち取ります。
 21年途中に投げ方をサイドスローに変えてからストレートにクセが生まれ、打たせて取るピッチングができるようになりました。

 「チカラさんと話していて、期限が来る前からなんとなくサイド(スロー)にしようと思ってたんです。やっぱ、この成績じゃあなっていうのがあったんで、8月中旬ぐらいからもう次のことというか、サイドのことは考えてたんですよね」

週刊ベースボールONLINE 2022年9月5日 11:00配信の記事より一部抜粋。

 と話す小澤選手。二軍投手コーチだった小野寺力氏と話し合い、21年の支配下登録期限前からこの構想はあったそうです。
 転向後も、投げづらさはなかったという小澤選手。

 「感覚的に、上から投げる力感と横からの力感もそんなに変わらなかったんで。球の強さも変わらない感じがあったんで、できそうだなって思ってました。僕の場合は(スライダーなど)横の変化もサイドのほうがつきやすいし、フォークも感覚は変わらなかったんで、ピッチングスタイルを特に変えることなくできていると思います」

週刊ベースボールONLINE 2022年9月5日 11:00配信の記事より一部抜粋。

 と、新たなピッチングフォームが合っていたようです。

 そして、22年に新天地でのデビューを果たすと、23年はブレーク。150キロ近いストレートとフォーク、スライダーを中心に、7球種の多彩な変化球を操るピッチングで、今季は6月28日の巨人戦で、雨天コールドながら6回完封勝利を挙げました。
 そんな小澤選手、読みは「こざわ」。ソフトバンクでの入団時にはその読みを強調もしていました。"こざわ"選手のさらなる飛躍がヤクルトの順位向上を促します。

小澤選手のここまでの成績(7月終了時点)

 22試合 8先発 4勝 2敗 2H   0S
 67.2回 21失点(自責点18) 防御率2.39
 54奪三振 29与四死球 被安打44
 WHIP1.08

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