巨人・中田翔選手が使用した「オプトアウト」って何?
ここ数日、野球界を賑わせている「大物選手の去就」。その中でも、巨人・中田翔選手の去就はトップレベルに注目されています。そんな中、中田翔選手は巨人に対し「オプトアウト」を使用。日本のプロ野球ではあまり聞き慣れない言葉ですが、一体このオプトアウトとは何なのでしょうか。今回は、このオプトアウトについて紹介します。
元々はマーケティング用語?
検索エンジンで「オプトアウトとは」と入れて検索すると、まず出てくるのはマーケティング用語としての説明。
マーケティング会社の説明によると、
とのことです。これを野球に置き換えると、
・「宣伝広告の受け取り」→「球団との契約交渉」
・「ユーザーが拒否」→「選手が拒否」
・「メーリングリストから除外」→「契約選手リストから除外し、自由契約にする」
・「会員からの脱退」→「チームメンバーからの脱退」
ということになるのでしょうか。
野球においてのオプトアウトとは
マーケティング用語でもあるというこの「オプトアウト」ですが、野球においてはどのような意味になるのでしょうか。
正確に野球においてのオプトアウトの意味を説明すると、選手が複数年契約の途中でも、一定の年数・成績を満たせば契約内容を見直すことができる権利となります。
Full-Countから抜き出すと、
となっていました。
なお、これは全ての選手につけられているわけではなく、複数年契約を結んだ選手の中でも、オプションとしてこのオプトアウトをつけた選手に限り使用することができます。
裏を返せば、中田翔選手は巨人で複数年契約を結んだ際に、オプションとしてオプトアウトをつけていたということになります。
過去のオプトアウト使用例
では、過去のプロ野球で行われた実際のオプトアウト使用例を見ていきましょう。
直近で話題となったのは、ソフトバンク・千賀滉大選手。千賀選手は2021年シーズンオフにソフトバンクと新たに5年契約を結びました。しかし、今千賀選手はメジャーリーグにいます。普通に考えれば今もソフトバンクで5年契約の3年目を迎えようとしている頃ですよね。そこで出てくるのがオプトアウトです。
千賀選手はこの契約時にオプションとしてオプトアウトを盛り込んでおり、1年ごとに契約を見直し、FAが出来るようにしていたのです。
そして2022年オフにそれを使用し、さらに海外FA権を行使して海を渡っていきました。
当時はこの「オプトアウト」というもの珍しい名前に多くの野球ファンが反応し、Twitter(現X)でもトレンド入りするほどに話題になりました。
合わせて話題になっている"ウルトラC"とは?
また、この中田翔選手のオプトアウトに合わせて話題となっているのが、「ウルトラC」という単語。ある程度の年齢以上の方々なら聞き覚えのある言葉だと思いますが、この言葉を知らない方々が増えてきたのではないでしょうか(実際に筆者もこの言葉を今回初めて知りました)。
ウルトラCとは、もともと1964年の東京オリンピックにて生まれた言葉で、当時の体操日本代表チームが、C難度という当時の最高難度の技よりもさらに難しい技を披露したことで、"C難度を超える"という意味で「ウルトラC」という言葉が生まれました。
その頃はA〜Cでしか表されていなかった難度は、現在の体操男子ではA〜H、体操女子はA〜Iとなっており、これは死語となってしまいました。
しかし、野球界では今も使用されており、特に「ウルトラCプラン」というような使われ方がされています。これは、経験の浅い若手をいきなり主力として使うことや、選手を適性のあまり無い別のポジションにコンバートさせることなど、監督が一発逆転を狙って行う采配のことを指します。
今回の中田翔選手のケースでは、中田翔選手自身が一発逆転を狙い、メジャーリーグへの移籍もあるかもしれないという可能性を込めて「ウルトラC」と呼ばれています。
まとめ
今回は、今の日本プロ野球ではあまり聞き馴染みのない「オプトアウト」について紹介しました。今回の記事の要点をまとめると、
・オプトアウトとは、野球において選手が複数年契約の中でも1年ごとに契約を見直せるオプション制度。
・オプトアウトを使用すると、球団との契約を破棄して自由契約になることも、FA権を行使することもできる。
・選手が一発逆転を狙って起こす行動プランのことを「ウルトラCプラン」ということもある。
という感じです。また、中田翔選手は今回のオプトアウトについて、
と、コメントを残していました。今後は中日などが獲得調査に動くとされており、来季の中田翔が何色のユニフォームを着ているかは分かりませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。