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ニューブレイカー2024〜森敬斗〜

 今シーズン新たに殻を破った選手を紹介する企画、「ニューブレイカー2024」。第十二回は、俊足爆肩でダイヤモンドを駆け抜ける"ハマのフェラーリ"です。

名前:森敬斗(もりけいと)

 彼の名前が森敬斗選手です。森選手は右投左打の内野手で、静岡県静岡市出身、2002年1月28日生まれの22歳です。
 小学校の頃には県民性から平日はサッカー、土日に野球をしていたという森選手、中学からは三塁手兼投手、三年になると外野手も担いました。
 高校は神奈川の競合・桐蔭学園へ進学すると、一年夏からいきなりベンチ入り、二年秋からは主将としてチームを牽引します。自身も秋の関東大会初戦で逆転サヨナラ満塁ホームラン決勝で2本のホームランを放つなど長打力も発揮。三年夏の大会では4回戦で敗れ甲子園への夢は叶いませんでしたが、走攻守に高い能力を持っておりU-18日本代表へ選出されました。
 そして、ホームランを放てる長打力に加え遠投120メートルの強肩50メートル5秒8という俊足が高く評価され、2019年ドラフト1位でDeNAから指名を受け入団します。
 入団後は高い身体能力を持ちながらもそれを活かしきれない状態が続いており、2022年に61試合に出場してから一軍での活躍の数は下火に。しかし今季はレギュラー・京田陽太選手やルーキー・石上泰輝選手らとの激しい遊撃手争いの中で生き抜き、キャリアハイの71試合に出場。シーズン後半には打撃も調子を挙げ.246で今季を終了。刺殺84、補殺160もチーム同ポジションでトップでした。チームはこれからCSを戦っていきますが、その中でのキーマンにもなりうるでしょう。

強み:華麗な流し打ち

 森選手には先述したような強みがいくつもあるのですが、強い肩や速い足だけでは広島・矢野雅哉選手やソフトバンク・周東右京選手など森選手に勝るとも劣らない能力を持った選手がプロ野球にはいます。では、それらの選手にもないような森選手の強みとは何かというと、綺麗な逆方向への打撃です。
 データだけで見れば逆方向、すなわちレフト方向への方向別打率は.184と低いかもしれません。しかし、筆者が注目したいのは終盤戦でのバッティングなのです。夏場に一軍登録を抹消されてから再登録されたのが9月10日、そこからのヒットの記録を追いかけると、レフト8本、センター5本、ライト2本、内野安打5本と明らかに逆方向への本数が増えています。
 逆らわずに逆方向へ打てる遊撃手がいると、下位打線でも上位に繋がりができやすくなるのでとても頼もしいですね。

課題:守備での粗さ

 一方でプロ入り後から言われ続けているのが、守備面での粗さが顕著に出ていること。特に捕球及び送球時にボロが出る癖があり、イージーゴロでも一塁でアウトにすることを気にしすぎるのかボールが手につかないことがあったり、思い切り投げすぎて制球を失い大暴投になってしまうなど本来力を入れなくても良い場面で力んでしまう傾向があるようです。
 数字を見ると、遊撃66試合の出場で失策は12。5.5試合に1回の確率でエラーをしており、内野の要ともいえるショートでこの数はかなりまずいです。
 ただ、これらの課題も最近は実践を通してかなり改善されてきているようで、逆に俊足が活きて球際に強くなったり、他の選手では刺せないような弱い当たりをアウトに出来たりと、森選手にしか出来ないプレーが増えてきているのも事実。来季は半分以下に減らしていけると良いですね。

得意投手

 阪神・ビーズリー選手からは4打席の対戦で3安打を、広島・アドゥワ誠選手からは5打席の対戦で3安打を放っており、今季は得意としていました。
 球団別に見ると対広島戦では31打数11安打、打率.355と少し高めでした。

苦手投手

 巨人・山﨑伊織選手には9打数2安打、阪神・伊藤将司選手には7打数1安打と抑え込まれました。
 他にも4タコの投手はかなり多くの数おり、これらの選手たちに対して来年どのようなアプローチをかけていくのかも期待です。

森選手のプレー動画

 鉄砲肩とも形容される強肩で味方の投手を救い、逆らわない流し打ちでチャンスを作り、疾風の様にベースを回って得点を稼ぐ。森選手には3通りの点の入れ方がありますね。こういう選手がしっかりとレギュラーになってくれると、坂本勇人選手、源田壮亮選手と紡がれてきたショート史にまた一つ新たな名が刻まれますよね。
 爆肩集を見ていても、本当に楽しみな存在が入ってきたと感じさせてくれますよね。

一口情報:ラミレス

 2019年ドラフトで指名された際、DeNAの監督はアレックス・ラミレス氏だったわけですが、実は森選手とラミレス氏は以前にも顔を合わせたことがありました。
 2011年、巨人対ヤクルト戦が静岡県草薙球場で行われた際、地元の少年野球チームの一員として試合に招待されていた森選手は、試合前のセレモニーでなんと当時巨人にいた"ラミレス選手"に花束を贈呈していたのです。子供の頃に目の前で見たプロ野球選手に、今度は監督として指名される。本当に野球はドラマばかりですね。

まとめ

 今回は、DeNA・森敬斗選手を紹介しました。守備、打撃共に確実性を増すことができれば間違いなくDeNAのショートのレギュラーを何年も掴むことができるでしょう。
 スタジアムのヒーローになる様な活躍を続け、ハマスタの夜空に輝く星になってほしいですね。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

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