アジアプロ野球チャンピオンシップを振り返って〜後編〜
前回はオーストラリア代表に勝利し、決勝戦を控えるというところまで執筆しました。
オーストラリアとの予選三戦目を終え、ついに決勝の韓国戦を迎えます。
と、決勝戦前に語っていた韓国のリュ・ジュンイル監督。2023年最後の公式戦では、指揮官の肩に思わず力も入ります。
アジア決戦の先発を任されたのは、西武のチームロンゲこと今井達也選手。
と、決意を口にしました。
試合は韓国の4番、ノ・シファン選手の2点タイムリーツーベースによって韓国が先制すると、日本は牧秀悟選手のソロと佐藤輝明選手の犠牲フライで同点に。
同点のまま迎えた延長戦では、タイブレークとなった10回に韓国が1点を勝ち越しますが、その裏に日本が2点をとってサヨナラ勝利。最後は巨人のルーキー・門脇誠選手がタイムリーで決め、見事日本がアジア1の称号を手にしました。
予選の第二戦目といい、本当に韓国とはギリギリの戦いが続きました。特に決勝に関しては10回裏ツーアウトまで日本がリードした機会が無かったという追い詰められっぷり。
守備が非常に堅く、打線は全体的にストレートに強いという印象を感じました。ストレートが少しでも高めにいってしまうとしっかり振り抜かれてしまうという怖さがあったため、日本代表もかなり張り詰めながらプレーしていたと思います。
とコメントしたリュ・ジュンイル監督。その上で、韓国の選手たちには日本野球にあるプレーの精密さが少し足りないとし、日本の選手たちと同じように2月から動けるよう体作りをしてほしいと選手たちに伝えていました。
ただ、韓国は日本よりも寒いので冬に体作りをしようとするとかなり大変だと思いますが、それに慣れると日本にとって非常に脅威な存在になりうるでしょう。
また、
と話したリュ・ジュンイル監督。2024年11月に行われるプレミア12を心待ちにしていました。
今回のアジアプロ野球チャンピオンシップは日本が二連覇という形で制しました。しかし、韓国をはじめ、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリアもそれに肉薄するような実力、野球をしてきました。韓国は若き二冠王、ノ・シファン選手、国際大会経験豊富なイ・ウィリ選手を中心とした投打に軸のある野球、チャイニーズ・タイペイはハイアベレージを残すリードオフマンのグオ・テンシン選手、豪速球を誇るグーリン・ルイヤン選手が柱となる守り勝つ野球、オーストラリアはチーム1の打率を残すスペンス選手、若き成長株のブッシェル選手をメインとした打力高めのバランス野球。
それぞれの国にそれぞれの戦い方があり、相手の国とスポーツマンシップに則ったリスペクトある勝負をする、今回はまさにそのような大会だったと思います。
また、オーストラリア対台湾戦の3位決定戦の際には、オーストラリア代表公式がツイートした応援要請に応えた日本人の有志団体がオーストラリア代表の選手たちに応援歌を歌うという、素晴らしい行動を起こす方々がいました。野球の攻撃では応援歌を歌って選手を応援するという日本特有の文化がやがて世界に広がり、来年のプレミア12や3年後のWBC、果てはロサンゼルスオリンピックでも応援歌を歌い合うということが実現すると嬉しいですね。
筆者の夢見る未来を書かせていただいたところで、今回の「アジアプロ野球チャンピオンシップを振り返って」は終わりとさせていただきます。今後はこの4カ国だけでなくフィリピンやシンガポールなど、この辺りにある国の様々な代表チームを招いてそれぞれで切磋琢磨しながら成長しあっていきたいですね。
明日からは短編シリーズを投稿します。そちらも是非ご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
出典・画像引用元
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?