オリックスが三連覇達成!ディグプロ9月20日
抜群の投手力を誇る猛牛軍団が、イチロー氏を擁した95、96年を超える三連覇を達成しました。
今回は、9月20日に行われた6試合を振り返っていきます。
※以下一部敬称略、試合順は開始時刻順、同時刻の場合はスポナビ野球速報の表示順に。
ヤクルト対中日戦
明治神宮野球場
18:00プレイボール
スコア ヤクルト6×-5中日
スタメン
ヤクルト 中日
1 中 塩見泰 1 中 岡林
2 左 山崎晃 2 左 加藤翔
3 二 山田哲 3 遊 カリステ
4 三 村上宗 4 一 ビシエド
5 右 サンタナ 5 三 石川昂
6 一 J.オスナ 6 捕 宇佐見
7 捕 中村悠 7 右 細川成
8 遊 長岡 8 二 龍空
9 投 石川雅 9 投 メヒア
ヤクルトは中11日で石川雅、中日は8月2日ぶり、中48日でメヒアが先発します。
ヤクルトは1回表、先発の石川雅が一死一塁からカリステにツーランを被弾し2点を先制されますが、2、3回で1点ずつ返し、早い段階で同点に追いつきます。
しかし、迎えた4回表に再びカリステにホームランを浴びると、なおも一死満塁のピンチで龍空に2点タイムリーを許し、2-5と3点リードされます。
その後は両チーム無得点が続いたものの、ヤクルトの3点ビハインドで迎えた8回裏でした。中日・フェリスに対して先頭の村上宗がヒットで出塁すると、5番・サンタナにツーランが飛び出し、1点差に。
さらに二死一、二塁のチャンスを作ると、塩見泰の打席で暴投が発生。この間に二塁ランナー・内山は一気に三塁も回ってホームイン、同点のホームを踏みました。
終盤に相手のミスから5-5の同点に追いついたヤクルト、この流れで9回も続きます。
前の回から回跨ぎをしている中日・松山晋から2四球とヒットをもぎ取り一死満塁のチャンスを作ると、一打サヨナラの場面で打席にはJ.オスナ。その初球でした。高めから落ちてくるフォークを打ち返すと、打球は前進守備の三遊間を強いゴロで抜ける打球に。これで三塁ランナーが生還し、試合終了。
と苦笑いしつつ自身の殊勲打を喜んだ助っ人の一打で、ヤクルトがサヨナラ勝利しました。
勝利投手 田口麗斗(2勝4敗32S)
敗戦投手 松山晋也(1敗)
本塁打
中日:カリステ3号ツーラン
カリステ4号ソロ
ヤクルト:サンタナ17号ツーラン
阪神対巨人戦
阪神甲子園球場
18:00プレイボール
スコア 阪神4-3巨人
スタメン
阪神 巨人
1 中 近本 1 右 長野
2 二 中野 2 遊 門脇
3 右 森下翔 3 三 坂本勇人
4 一 大山 4 一 岡本和
5 三 佐藤輝 5 捕 大城卓
6 左 ノイジー 6 中 丸
7 捕 坂本誠 7 左 増田大
8 遊 木浪 8 二 吉川尚
9 投 伊藤将 9 投 山﨑伊
阪神は中9日で伊藤将、巨人は中7日で山﨑伊が先発します。
阪神は1回に一死三塁のピンチから巨人・坂本勇人のセカンドゴロの間に先制を許しますが、2回に坂本誠のショートゴロで同点に追いつくと、3回には中野のタイムリーによって勝ち越しに成功します。
その後は両チーム一瞬たりとも油断できない投手戦が続き、スコアボードには重く、重く、0が刻まれていきます。
そして、迎えた7回。阪神先発・伊藤将は回の先頭に丸を迎えると、3球目を捉えられた打球がセンターのフェンスを超え、同点のソロとされてしまいます。
さらに一死三塁のピンチで山﨑伊の代打・梶谷と対しますが、セカンドゴロに打ち取ったもののホームでランナーを刺せず、フィルダースチョイスで勝ち越しを許しました。
それでも、阪神の炎は消えていませんでした。
8回裏、阪神は二死から佐藤輝のツーベースなどで二、三塁のチャンスを作ると、打席には6番・ノイジー。その6球目、外に逃げるスライダーを上手くセンターへ返すと、これを見てランナーは2人が一気に生還。見事逆転に成功します。
と頷いたノイジーでした。
結果的にこれが明暗を分け、リードした阪神は9回を岩崎が辛くも無失点に抑え試合終了。
阪神が熾烈なシーソーゲームを制しました。
勝利投手 及川雅貴(3勝1敗)
敗戦投手 菊地大稀(4勝4敗)
セーブ 岩崎優(3勝2敗33S)
本塁打
巨人:丸佳浩18号ソロ
広島対DeNA戦
MAZDAZoom-Zoomスタジアム広島
18:00プレイボール
スコア 広島1-3DeNA
スタメン
広島 DeNA
1 中 中村奨成 1 右 大田
2 二 矢野 2 中 桑原将
3 遊 小園海 3 左 佐野恵
4 左 堂林 4 二 牧
5 右 末包 5 三 宮﨑
6 一 マクブルーム 6 一 ソト
7 三 デビッドソン 7 捕 山本祐
8 捕 會澤 8 遊 林琢
9 投 大瀬良 9 投 東克
広島は中6日で大瀬良、DeNAは中5日で東克が先発します。
残り試合もかなり少なくなってきているところでの2位攻防戦。どちらにとっても負けられない試合は、初回から動きます。
1回表、DeNAの先頭・大田が四球を選び二死二塁となったところで、打席には牧。粘った末の7球目にきた低めのストレートを弾き返すと、打球は左中間スタンドに飛び込む先制のツーランに。ハマの頼れる4番が試合を動かします。
援護をもらった状態でのスタートとなったDeNA先発の東克は、広島打線を5回途中までパーフェクトに抑える完璧なピッチング。6回終了時点で被安打1、無失点と広島打線を黙らせます。
そして、さらに自身のタイムリーで1点を追加し0-3となった7回裏にこそ1点を返されたものの、無死一、二塁のピンチを三社連続で打ち取り、窮地を脱します。これで、東克は7回8奪三振1失点の好投。
と、この試合でも丁寧な左腕でした。
東克の後を受けたウェンデルケンも無失点に抑え、2点リードの9回のマウンドには守護神・森原が上がります。小園海から始まるクリーンナップを三者凡退に抑え、2位攻防戦はDeNAが制しました。
勝利投手 東克樹(15勝2敗)
敗戦投手 大瀬良大地(6勝11敗)
セーブ 森原康平(2勝1敗16S)
本塁打
DeNA:牧秀悟29号ツーラン
楽天対ソフトバンク戦
楽天モバイルパーク宮城
18:00プレイボール
スコア 楽天6-1ソフトバンク
スタメン
楽天 ソフトバンク
1 遊 村林 1 二 周東
2 三 伊藤裕 2 一 野村大
3 左 島内宏 3 右 柳田
4 指 浅村 4 左 近藤健
5 右 岡島 5 中 柳町
6 一 阿部寿 6 指 デスパイネ
7 中 辰己 7 遊 川瀬
8 捕 太田光 8 一 井上朋
9 二 小深田大翔 9 捕 甲斐
投 藤井聖 投 大関
楽天は中6日で藤井聖、ソフトバンクは8月5日ぶり、中45日で大関が先発します。
熾烈な3位争いを繰り広げる両チーム、試合は両先発の粘りのピッチングが続き、序盤3イニングスは0-0のまま進行します。
均衡が崩れたのは4回裏。楽天は2四球から一死二、三塁のチャンスを作り出すと、阿部寿の犠牲フライで先制に成功します。
その後すぐさま追いつかれてしまったものの、5回裏には村林、島内宏、浅村のタイムリーで再び勝ち越します。
5回に1点を失い一時同点に追いつかれてしまった楽天先発の藤井聖ですが、これ以上傷口は広げず、5回1失点で降板。
と謙遜しながらも、心の底では自身も一緒に勝てた喜びを噛み締める左腕でした。
楽天は7回にも岡島、阿部寿のタイムリーで2点を追加すると、6-1で迎えた9回は酒居が無失点に抑え、ゲームセット。
楽天が10安打6得点で勝利を収め、CS圏内のソフトバンクを0.5ゲーム差まで追い詰めました。
勝利投手 藤井聖(3勝)
敗戦投手 大関友久(4勝7敗)
西武対日本ハム戦
ベルーナドーム
18:00プレイボール
スコア 西武4-1日本ハム
スタメン
西武 日本ハム
1 左 ペイトン 1 中 万波
2 遊 源田 2 二 細川凌
3 一 マキノン 3 三 清宮幸
4 指 栗山 4 右 木村文
5 三 佐藤龍 5 指 A.マルティネス
6 中 愛斗 6 一 野村佑
7 右 蛭間 7 左 松本剛
8 捕 柘植 8 捕 郡司
9 二 児玉 9 遊 奈良間
投 渡邉勇 投 上原
西武は渡邉勇が今季初先発、日本ハムは中6日で上原が先発します。
この試合は、先日今季での引退を発表した日本ハム・木村文の現役最終戦。古巣の西武との一戦、試合前には西武の戦友たちからサプライズがあったり、守備につく際には、長きに渡り見守ってきた両球団のファンから温かい拍手が送られたりと良い雰囲気で試合が始まります。
その木村文は第一打席が1回二死一塁で回ってくると、6球目のカットボールを打ち上げ、ライトフライに倒れてしまいます。
しかし、4回に迎えた第二打席では初球のストレートを捉えると、打球は強烈なライナーとなってレフトの左を襲うツーベースに。らしいアグレッシブな打撃と走塁を見せてくれました。
このツーベースを木村文は、
と、現役生活に別れを告げました。
一線を退く先輩のため、この試合でより奮起したのは西武でした。西武は4回に佐藤龍のツーランで先制すると、6回にマキノンのツーランでダメ押し。8回に日本ハム・加藤豪のソロで1点を返されましたが、3点リードの9回は田村伊が無失点に抑えゲームセット。
両チームのファンが笑顔になる、そんな木村文の引退試合でした。
勝利投手 渡邉勇太朗(1勝)
敗戦投手 上原健太(4勝6敗)
セーブ 田村伊知郎(1勝1S)
本塁打
日本ハム:加藤豪将6号ソロ
西武:佐藤龍世2号ツーラン
マキノン13号ツーラン
オリックス対ロッテ戦
京セラドーム大阪
18:00プレイボール
スコア オリックス6-2ロッテ
スタメン
オリックス ロッテ
1 中 中川圭 1 右 荻野
2 三 西野真 2 中 岡
3 捕 森友 3 指 ブロッソー
4 指 セデーニョ 4 一 山口航
5 二 ゴンザレス 5 二 中村奨吾
6 左 杉本 6 左 石川慎
7 一 T-岡田 7 三 安田尚
8 遊 紅林 8 捕 田村龍
9 右 野口智 9 遊 友杉
投 山﨑福 投 カスティーヨ
オリックスは中6日で山﨑福、ロッテは中9日でカスティーヨが先発します。
この試合に勝てば優勝が決まるオリックスですが、出だしは順調ではありませんでした。
0-0で迎えた3回表に無死一、三塁のピンチを招くと、ロッテ・ブロッソーにセカンドゴロを転がされ、先制点を献上。さらに5回にはまたもやブロッソーに、今度はタイムリーを打たれてしまい、0-2とリードを許します。
しかし、この試合のオリックスの粘り強さははっきり言って異常でした。
2点ビハインドで7回裏を迎えると、オリックスは二死からゴンザレスの死球と暴投で二塁のチャンスを作ると、杉本がタイムリーを放ち1点差に迫ります。
するとこれを皮切りに、なんと紅林、野口智、中川圭、西野真に四者連続タイムリー。打者一巡の猛攻で6点を奪い、一気に6-2と逆転します。
これで状況は一転、8回も終了し胴上げの瞬間まであと3人となったオリックス。4点リードで迎えた9回は山﨑颯が登板します。
まず先頭の友杉はフォークでショートゴロに打ち取り、ワンナウト。続く荻野にはヒットを打たれますが、2番・岡はショートゴロに斬って、これでツーアウト。悲願の瞬間まで、後1人。
ここで迎えたのは、この試合好調のブロッソー。しかし山﨑颯は2ストライクまで追い込むと、最後に選んだのはフォーク。そして、鋭く落ちる球をブロッソーは空振り。
この瞬間、試合が終了し、オリックスが三連覇となるリーグ優勝を達成しました。
この試合後、指揮官の中嶋監督は、
とインタビューに応じ、その顔からは溢れんばかりの笑みが見て取れました。オリックスが快挙達成です。
勝利投手 小木田敦也(4勝)
敗戦投手 横山陸人(2勝2敗1S)
順位表
パリーグ
順位 チーム名 勝利-敗戦-引分 G差
1位 オリックス 79-47- 4 優勝
2位 ロッテ 63-60- 5 14.5
3位 ソフトバンク 64-65- 2 16.5
4位 楽天 62-65- 1 17.0
5位 西武 60-71- 1 21.5
6位 日本ハム 56-75- 1 25.5
セリーグ
順位 チーム名 勝利-敗戦-引分 G差
1位 阪神 82-47- 4 優勝
2位 広島 71-62- 4 13.0
3位 DeNA 69-62- 3 14.0
4位 巨人 66-66- 2 17.5
5位 ヤクルト 54-78- 3 29.5
6位 中日 50-79- 4 32.0
まとめ
オリックス、本当におめでとうございます。20年にあれだけ言われていたオリックスが、今となっては三連覇する超強豪チームまで成り上がりました。これはひとえに中嶋監督や福良GMなど、首脳陣の選手を見る慧眼が備わっていてこその芸当だと思います。
とくに近年のオリックスの投手の伸びは凄まじく、山﨑颯選手や宇田川選手、東晃選手など毎年のようにブルペンや先発から新しい戦力が生まれてきます。
打線もしっかりと「線」になっている印象が強く、特にビッグイニングが他球団よりも多いような気もします。来るべくして来た猛牛の黄金期、目指すは巨人を超える"V10"です。
最後までお読みいただきありがとうございました。