ベースボール・ファッション〜リストバンド編〜
筆者、のぼ〜る広報が野球で使われる用具を紹介しそこから分かることを紐解くことで、プロ野球選手における"おしゃれ"とはなんなのかを追求していく、題して「ベースボール・ファッション」。
およそ1ヶ月ぶりとなった第四回は、主に打者がつける装備品、「リストバンド」です。
リストバンドってどれ?
野球におけるリストバンドとは、主に打者が着用するもので、つける意図についてはまた後ほど説明させていただきます。
さて、リストバンドといえど、打者には先述した手袋や肘当てなど様々なものが付いており、(過去に投稿した記事がありますので、ぜひそちらもお読みください。リンクを下に貼っておきます)一体どれがリストバンドがよく分からない方もいるのではないでしょうか。
画像で説明すると、
この中田翔選手の左腕についているピンクの輪っかです。
なんでリストバンドを着けるのか?
打者がよく着けているものというのは分かりましたが、では何故リストバンドを着けるのでしょうか。調べるとかなり多くの理由がありましたが、ここでは主要なものを4つ挙げさせていただきます。
①汗を拭うため
リストバンドの生地は物によってはタオルのようになっており、吸水性があります。なので、額などから汗が流れてきた時にさっと拭けるようになっているのですね。
また、利き腕から汗が垂れてきた時にリストバンドで堰き止め、手に流れボールが滑ることを防止する効果もあると考えられます。
②インパクト時の衝撃を吸収できるため
プロ野球では、鉄の塊のような硬球を木のバットで打ち返すため、インパクトの瞬間には相当な衝撃が主に手首にかかります。そのため、リストバンドを着けることでそこに衝撃を分散させ、手首の故障が防ぎやすくなります。
一説によると元阪神・掛布雅之氏がプロ野球で最初にリストバンドを着けた選手とされていますが、掛布氏も手首の保護が目的で着用を始めたそうです。
③ファッションのため
今回、「ベースボール・ファッション」でリストバンドを扱うにあたり、この理由が最も大きなものとなります。ファッションといえど、様々な"魅せ方"があるので、後で述べさせていただきます。
④筋力をより活かすため
リストバンドは文字通り手首に巻くバンドなので、締め付けがある分筋肉もそれに反応し、筋力がより発揮されるようになります。
手首の筋力が活かされることで打力が向上したり、手首のスナップが効いてスローイング力が向上するなどの恩恵を得られます。
リストバンドのファッションって何?
では、先ほど③で取り上げた「ファッション」についてより深掘りしていきます。
リストバンドは手首を守るといえど、頭や肘を守る防具よりも価値は高くないので、ヘルメットなどよりは優先順位が下がります。そのため着けない選手というのも中には一定数いますが、リストバンドは着けると少し特別感が増すんですよね。
リストバンドには赤や青に加え蛍光色など様々なカラーバリエーションがあり、刺繍で自分の背番号や名前が縫われているものもあります。
オーダーメードで頼めば世界に一つだけのリストバンドを作ることも可能なので、着けるだけでテンションが上がるのは容易に想像できますよね。
自分の好きな色のバンドに金色で自分の背番号が刺繍してあるリストバンド。読んでいるみなさんも何となく着けてみたくなってきたのではないでしょうか。筆者はリストバンドを着けて草野球をしてみたいです。
また、プロ野球ではあえて目立つ色のリストバンドを着けることで、その色を自身のイメージカラーとして定着させ、ファンに覚えてもらいやすくするという選手もいますね。
リストバンドにも種類がある
オシャレとしても活躍するリストバンドですが、その種類もまた様々です。大きく分けると3種類に大別され、
①細く厚めのブレスレット型
②長く厚めのロング型
③長さはピンキリ、薄めのアームスリーブ型
というものがあります。1つずつ画像を交えながら説明をすると、まずブレスレット型。
ブレスレットのように細くなっており、筆者の中ではこれが典型的かつオーソドックスなリストバンドだと思っています。
画像のリストバンドはNPBが地球温暖化に対する啓発活動「NPB Green Baseball Project」の
一環として行っている「グリーンリストバンド」で、2008年からこの取り組みが行われているそうです。ペナントレースで着用する機会もあるそうなので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
次に、ロング型。
腕全体を覆うほど長くはありませんが、ブレスレット型よりは長いのがロング型の特徴。平坦に置いた時、長方形になっているのがロング型です。ただ、これもタオル生地のように柔らかくなっており、汗を拭くのにはもってこいです。
坂本勇人選手の左腕のリストバンドは白に金の刺繍が施してあるのがなんとも言えないプレミアム感を醸し出していますね。
最後に、アームスリーブ型。
村上宗選手のように長いものもあれば短いものもあり長さはピンキリですが、アームスリーブ型は他2つのように厚くはないということが共通して言えます。また、平坦に置いた時台形のような形をしているのがアームスリーブ型です。これには腕全体をカバーすることで筋力を引き出すことや、デットボール時の負担軽減の役割もあります。
今宮選手はアームスリーブ型に加えブレスレット型を併せて着用する機会がありますが、その理由は分かりませんでした。知っている方がいらっしゃれば、ぜひ教えていただけると助かります。
おしゃれな選手とリストバンドの組み合わせ3選
ここからは毎度恒例、筆者が独断と偏見で選ぶおしゃれな現役選手とリストバンドの組み合わせを3つ紹介していきたいと思います。
1 丸佳浩選手×ピンクのブレスレット型
1人目は、巨人・丸佳浩選手とピンクのブレスレット型の組み合わせ。丸選手は肘当てのアジャスターもピンクですが、やはり左腕につけたリストバンドが目につきます。丸選手は様々な部分にピンクを拵えており、ピンクが好きなのかもしれませんね。似合ってます。
2 宇佐見真吾選手×黒のロング型
2人目は、2度目のトレードで再起を図る中日・宇佐見選手です。宇佐見選手は黒のロング型を着用していましたが、中日に移籍し、ドラゴンズブルーに袖を通したことでよりその黒が映えるようになりました。ドラゴンズブルーに黒はとても合うんです。
3 源田壮亮選手×紺のアームスリーブ型
3人目は、「たまらん」守備でもお馴染みの西武・源田壮亮選手。画像は侍ジャパンの時のものですが、両腕についたリストバンドがコントラストを生み出し、非常におしゃれな見た目をしています。源田選手の守備は華麗なだけでなくおしゃれでもあったのですね。
リストバンドから紐解いた"おしゃれ"
ここまでのおさらいを少ししてみましょう。
野球では主に野手が着けているリストバンド、着用するのには汗を拭うだけでなく、手首を守るためやおしゃれのためなどさまざまな意図がありました。また、丸選手のよつにリストバンドの色を珍しくすることで、それを自身のイメージカラーにする選手もいます。
このことから、
プロ野球選手におけるおしゃれとは、些細な部分を自分色で染め上げること
だと思いました。3種類のリストバンド、試合で注目してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
出典・画像引用元
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?