野口だ！平良だ！森下だ！ディグプロ7月18日
球界の未来を担う若きスター達が富山で躍動しました。
今回は、7月18日に行われたフレッシュオールスターを振り返っていきます。
ウエスタン対イースタン戦
富山市民球場アルペンスタジアム
18:00プレイボール
スコア ウエスタン7-3イースタン
スタメン
ウエスタン イースタン
１ 中 井坪 １ 中 浅野
２ 左 中村貴 ２ 二 奈良間
３ 遊 野口 ３ 捕 松尾
４ 右 森下翔 ４ 指 矢澤
５ 指 生海 ５ 右 蛭間
６ 捕 渡邉陸 ６ 遊 友杉
７ 一 内田 ７ 一 北村恵
８ 二 樋口 ８ 三 平良竜
９ 三 髙寺 ９ 左 細川凌
投 門別 投 小園健
ウエスタンはドラフト2位指名の高卒ルーキー、阪神・門別、イースタンは昨季ドラフト1位指名の高卒右腕、DeNA・小園健が先発します。
1回表 門別が一死満塁を抑える
1回表、先頭の打席に入ったのは巨人期待のルーキー・浅野でした。初球打ちを警戒した門別は入りの球にカーブを選択しますが、これを上手く打たれセンター前ヒットにされてしまいます。
さらにここから奈良間、松尾、矢澤と全員初球攻撃を始め、一死満塁のチャンスを作ります。
しかし、門別も負けていません。蛭間を三球三振に仕留めると、友杉をファーストへのファールフライに打ち取り、無失点で切り抜けます。
1回裏 森下翔に先制タイムリー！
ピンチの後にはチャンスあり。その言葉通りウエスタンは四球とヒットで一死一、二塁のチャンスを作ると、打席にはドラフト1位ルーキー・森下翔。その2球目、外角に来たストレートを逆らわずに弾き返すと、これがライトへの2点タイムリーツーベースとなります。
「１００万円を狙わないと、何のために来たんだって感じなので。きょうは１００万円しか狙いません！」
と、試合前の練習時に宣言していたMVPを狙いにいく一打でウエスタンが2点を先制します。
2回表 門別が2回無失点の好内容
先制点をもらった門別は、一死から平良竜にヒットを許し、さらには盗塁を決められてしまったものの、落ち着いて9番・細川凌を見逃し三振に斬ると、最後は浅野をライトフライに仕留めてスリーアウト。イースタンに得点を許さない投球で、2回2奪三振無失点でマウンドを降ります。
降板後門別は、
「最初はすごく緊張して、ちょっと力んでいたかなというところがあるんですけど、ランナー出て、しっかり自分のピッチングができたのでそこはよかったと思います」
と振り返りました。
2回裏 ロッテ菊地吏が2奪三振
イースタンは先発の小園健に代わり、ロッテのドラフト1位ルーキー・菊地吏がマウンドに上がります。
菊地吏は先頭のソフトバンク・生海から外角にワンバウンドで落ちるフォークで空振り三振を奪うと、続く樋口をショートフライに。最後は髙寺を145キロの唸るストレートで三球三振に仕留めました。
1回2奪三振無失点の好投に菊地吏は、
「松尾君のリードが良かったです。初めてのフレッシュオールスターはいつもと違う雰囲気でワクワクして楽しかったです」。
と、共にドラ1バッテリーを組んだDeNA・松尾との投球を楽しんでいました。
3回表 ソフトバンク・木村光も三者凡退
3回表のマウンドには、ソフトバンクで前日に支配下契約を勝ち取ったばかりの木村光がマウンドに上がります。
木村光は140キロ台後半のストレートを主体にスプリットやカーブなどを織り交ぜ、イースタンの2、3、4番を三者凡退に退けました。
背番号は育成時の「160」のままでのピッチングだった木村光は、試合前に語った
「チームを波に乗せられるように3人で終えたい」
という目標を見事達成してみせました。
3回裏 野口がソロホームラン！
イースタンの3番手は、ヤクルトの高卒2年目右腕・竹山でした。全球150キロに迫ろうかというストレートで、井坪、中村貴を抑え二死まで漕ぎ着けましたが、打席には3番・野口。
ルーキーイヤーから50試合以上に出場していたオリックスの若手ユーティリティープレイヤーは竹山と対峙すると、3球目のストレートを一閃。すると打球はライトポール際へと飛び、フェンスオーバーのソロホームランに。
「うれしい気持ちもあったんですけど、ちょっと確信してしまった。恥ずかしかったので、ちょっと速く走りました」
と、ホームランを確信して見届けてから少しはにかんでしまったのは、まだ若手である証拠ですね。
4回表 オリックス・曽谷がピンチ招くも無失点
ウエスタンの3番手ピッチャーは、オリックスのドラフト1位ルーキー・曽谷でした。
最速150キロを超えるストレートに完成度の高い変化球が魅力の左腕は、先頭の蛭間に内野安打を許すと、平良竜にもバウンドの高いボールで内野安打を決められてしまい、二死一、三塁のピンチを招きます。しかし最後は細川凌をセンターフライに打ち取り、無失点で凌ぎます。
4回裏 ロッテ・高野脩が7球で無失点
4回裏のマウンドに上がったのは、ロッテのドラフト4位ルーキー・高野脩でした。すると高野脩は、先頭の巨人・山瀬をストレート2球でライトフライに打ち取ると、続く内田をストレート3球で、樋口をストレート2球でそれぞれアウトに。
わずかストレート7球での三者凡退に、
「守備にも助けられて何とか無失点に抑えられました！足が震えるぐらい緊張しました！」
と、球団を通じて振り返りました。
5回表 中日・仲地が1回無失点
続いて登板したのは、中日のドラフト1位ルーキー・仲地でした。140キロ台中盤のストレートに加えツーシーム、カーブなどを持ち球にする右腕は奈良間の代打・辰見にヒットを許すと、続く古市にはストレートの四球を与えて一死一、二塁に。
しかし、このピンチでも動じることなく矢澤の代打・澤井を三球三振に仕留めると、蛭間をセカンドゴロに打ち取りスリーアウト。1回無失点の好リリーフに仲地は、
「三振は狙いにいこうと思っていきました。楽しく投げることができました」
と振り返りました。
5回裏 西武・井上広輝も1回無失点
続いて登板した井上広輝も好リリーフします。
先頭・髙寺、井坪を19球要しながらも抑えると、二死から中村貴にヒットを許したものの、最後の野口との勝負は井上広輝に軍配。
同僚・黒田の辞退による代替選手としての出場でしたが、140キロ台のストレートにスライダー、チェンジアップを混ぜ、堂々たる投球でした。
6回表 楽天・平良竜が猛打賞となるタイムリー！
ついに6回、イースタンが反撃に転じます。
ウエスタンの5番手・松本晴を相手に友杉、北村恵が連続ヒットでチャンスを拡大し、無死一、二塁で平良竜に回します。ここまでですでにマルチヒットを記録している平良竜は松本晴の5球目を捉えると、打球はライトフェンス直撃のタイムリーに。
「（賞を）取れるようにと思ってやっていた。めちゃくちゃ、うれしい」
と嬉しそうに振り返る小兵の一打で、イースタンが3-1と反撃します。
なおも無死満塁となったところで浅野の打球をファースト・内田が悪送球したことでさらに1点を返しますが、反撃はここまで。しかし、イースタンが3-2と1点差に迫りました。
6回裏 DeNA・深沢が2奪三振
ここまで1イニングずつの継投できているイースタン、6回も新たなピッチャー・深沢がマウンドに上がります。
深沢は右のサイドハンドから140キロ超えのストレートにスライダーやカーブを放ると、森下翔、生海を連続三振に。最後は代打・福永奨をライトフライに仕留め、無失点で降板します。
7回表 広島・益田武が3人で守備を終える
ウエスタンの6番手は、広島のドラフト3位ルーキー・益田武。150キロを超えるストレートに鋭いフォークが武器の社卒右腕は先頭の澤井を三振に仕留めると、続く蛭間はチームメート・二俣に助けられ、セカンドゴロに打ち取ります。
二死から友杉にヒットこそ許したものの、続く北村恵の打席でキャッチャー・福永奨が盗塁を刺してくれたことで、3人で守備を終えます。
7回裏 井坪の2点タイムリーなどで4得点！
投手は深沢に代わり林優となりましたが、ここでウエスタンの打線が襲いかかります。
先頭・内田がエラーで出塁すると、続く二俣もヒットを放つなどして一死二、三塁に。ここで打席には井坪が入ります。その3球目、外角ギリギリのストレートを外野へ運ぶと、これがライトへの2点タイムリーツーベースに。
「それまで打てていなかったので、しっかり最後1本打てて良かったです。いろいろな人のプレー見られたので、楽しかった」
と振り返る一打で、ウエスタンが突き放します。
さらに野口、森下翔にもタイムリーが飛び出し、この回4得点。7-2とイースタンと点差を大きく離します。
8回表 浅野にもタイムリー！
8回のマウンドに上がったのはオリックスの育成3位ルーキー・入山でしたが、入山に生まれたわずかな隙からイースタンが得点を奪います。
先頭・北村恵がヒット、続く平良竜が四球で出塁し、暴投などで一死二、三塁となったところで打席には1番・浅野。
2ボール2ストライクからの6球目、147キロのストレートを弾き返すと、これがレフトへのタイムリーに。1点を返しさらに二塁ランナーも還るかというところでしたが、ここはレフト・中村貴からの好返球があり1点止まり。しかし、7-3と追い上げを見せました。
8回裏 巨人・山田龍が2奪三振
イースタンの8番手には、巨人の高卒2年目サウスポー・山田龍が上がります。
山田龍は福永奨をセカンドフライに打ち取ると、内田、二俣とどちらも高めのチェンジアップで見逃し三振を奪い、無失点でマウンドを降ります。
「タオルもたくさん見えて、名前も呼んでいただいた。歓声が凄かったので、それが凄くうれしかった」
と、山田龍は出身地の富山で派手に躍動し、ファンに勇姿を見せました。
9回表 阪神・桐敷が三者凡退締め
4点リードで迎えたウエスタンの9回表、マウンドには阪神の2年目左腕・桐敷がマウンドに上がります。
最速150キロ超えのストレートやツーシームが武器のサウスポーはまず澤井をレフトフライに打ち取ると、続く蛭間は全球ストレートで空振り三振。そして最後は友杉を初球でショートフライに打ち取り、ゲームセット。
「クローザーは初めてでしたけど、やることは変わらないので、ストライク先行で。点差もあったので、思い切りいきました」。
と語った桐敷の3人締めで、ウエスタンが勝利を収めました。
MVPはウエスタン・森下翔、優秀選手にはイースタン・平良竜、ウエスタン・野口が選出。
こうして、試合が終了。MVPに選ばれたのは3安打3打点を記録した阪神・森下翔でした。共に賞金100万円を獲得した森下翔は、
「取れると思っていなかったですけど、取る気ではいたので。うれしいです」
と、試合前に宣言していたMVP獲得を見事有言実行させました。
まとめ
今年のフレッシュオールスターは、7-3でウエスタンが勝利を収めました。しかし、両チーム鮮やかでしたね。やはり若手特有の力強さのような、勢いのようなものが感じられる走攻守で、みていてこちらもウキウキするような試合展開でした。
明日からは、バンテリンドーム ナゴヤ、そしてＭＡＺＤＡＺｏｏｍ－Ｚｏｏｍスタジアム広島で一軍のオールスターゲームが開始します。両試合ともnoteで投稿しますので、是非ご一読いただけると嬉しいです。
また、7月18日に脳腫瘍でお亡くなりになられた元阪神・横田慎太郎氏には心よりご冥福をお祈りします。実に6年間という長い闘病生活であったそうですが、引退試合でみせた奇跡のバックホームには胸を打たれました。28年間、お疲れ様でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。