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オールナイトに憧れた少年

私は自由な時間の過ごし方が未だによくわからない、サラリーマン病といえばそれまでだが、休みの日も気がつけば来週の仕事の段取りを頭の中でやってしまうからあんまり休んだ気がしない、唯一土曜日の夜に彼女のラインにちょっかいを出し、昭和の時代の土曜深夜にやっていた某現役女子大生のバラエティー番組のオープニング、時代を思わせる髪型とレオタード姿で「おばあちゃん体操」みたいな簡素な振り付けで歌い踊る女子大生のみなさんを当時13歳位の性に目覚めたての下半身バッキンガム宮殿状態の自分にとっては世界がマリリンモンローだと言っても自分にとってはこの女子大生のおねいさん方が間違いなくセックスシンボルだった、仲間から仕入れたエロ雑誌には
「おねいさんが教えてあげる❤️」の文字そのまんまの解釈で「お、教えてください女子大生!」と言わんばかりにテレビに釘付けだったのを覚えている、
オープニングに流れるセトリみたいなのも手書きで
「合格記念にパンツ見せて下さい」だの、まるでSODの作品タイトルかと見間違える程の過激さだった、これを民放でやってたのだから今じゃ考えられない、そしてなんていうか、そんなトレンディな女子大生の皆さんから如何に振り向いてもらえるのか?
に少年の思考は動いていく、「正解はなんなんだろう?」その答えは同番組内に散りばめられていた、
それは「とんねるず」の存在だ、タカさんの伝説のカメラ倒しハプニングに代表されるように、あの構図はクラスで女子の目をひくために猛者(亡者)共の男子生徒たちがこぞって強さアピールや面白アピールをする、まるで求愛ダンスに勤しむ動物のように、
男は本能的にそれは知っていて、野球やサッカーといった花形の才覚がある者はほっておいてもチョコレート(手紙付き)を貰えるわけだが、そこからこぼれ落ちた者たちにとっては別のやり方で気を引くしか無い、その別のやり方を示してくれたのが「とんねるず」だったことは自分の基準じゃ間違いない、
そして同じ時期に流れていた「資生堂メンズムース」のCMを見てなんてカッコイイのだろうかと思い即買いし、頭にゴルフボール5個分を一気に付けてテッカテカになってしまい、腹話術の人形みたいになってしまったことがある、確か同じ時期にギャッツビーの整髪料のCMで松田優作さんが「付けすぎんなよ?」ってゴルフボール2個分が適量だったことを知るのだが、未だ少年にとっては松田優作は十万年と5日早くて「なんだかうすらおっかないお兄さん」に映ってしまい警戒していた、まるで臓物を投げ付けるライブをやっていたザ・スターリンの曲を1㎜も聞かずして記事の穿った情報だけで避けたように、、後々、松田優作と遠藤ミチロウのカッコ良さを知ったのは30代、40代を大きく越えてからになるがそれもまた人生、ってまとまって無いわね、脱線。
そんなわけで(どんな?)ただただ女子大生のおねいさんとどうにかなりたかった童貞で包茎の少年は
悶々としていたんだよっていう事を彼女に一杯調子で語り出す訳だから一体彼女はどれほどのゲージを削られたのだろうか、、次のデートまでに床屋に行かないと、これではメンズムースをテカテカに塗ったくっても下衆ヤバ夫(アンタッチャブルのザキヤマさんのコントのキャラクター)になってしまう、いや、むしろそれで現れて「きゃん玉ちゃ〜ん!」と叫んでみるのも悪く無いか、いや、どう考えてもわリィだろ、、

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