FREE SURFERS #001 ジョエル・チューダー|デヴォン・ハワード|ジャスティン・クインタル
1987年公開の名作青春サーフムービー『North Shore』のワンシーン。
主人公のリックとその師匠タートルが波の無い日に海に潜り海底の地形をチェックしている。その様子を眺めていたタートルの子供が横にいるお母さんに尋ねます。「お父さんたちは何してるの?」お母さんは一言、「サーフィンよ」。
この印象深いシーンを思い出すと、海に向き合うことがすでにサーフィンなのかもしれないな〜と壮大なテーマに思いを馳せつつ、もう少しだけ具体的な切口でサーフィンの魅力を紹介していくマガジン『FREE SURFERS』をスタートすることにしました。
サーフィンとは、サーフボードに乗って波に乗ること。
サーフボードには、ショートボードやロングボード、ミッドレングス(ロングボードとショートボードの中間)など様々な長さのボードが存在します。
ショートボードに乗るサーファーを『ショートボーダー』、ロングボードに乗るサーファーを『ロングボーダー』と呼び、区分けされることも多いのですが、世界にはショート、ロング、ミッドレングス、これらのジャンルを飛び越えて、あらゆるタイプの板を自由にカッコ良く乗りこなすサーファーが存在します。
そんな彼ら・彼女らを日本風には『マルチなサーファー』とでも呼ぶべきなのかもしれませんが、あまりcoolでないのでマルチという言葉は使わずに、ここではあえて『FREE SURFERS』と呼ぶことにします。
一般的にフリーサーファーというと、コンテストなどの競技に出場することなく、自由にサーフィンをするサーファーだったり、その様子を映像や写真に残すことで生きるプロサーファーのことを表現するために使われることが多いですが、このシリーズで使う『FREE SURFERS』(英語表記)はショート、ミッドレングス、ロングと様々な板を乗りこなすサーファーと定義します。
前置きが長くなりました。
『FREE SURFERS』はそんなマルチ(文中では使わせてください🙏🏽)なサーファーを毎回3人ずつピックアップし、映像と共に紹介していくシリーズです。第1回目となる今回は、Joel Tudor(ジョエル・チューダー)、Devon Howard(デヴォン・ハワード)、Justin Quintal(ジャスティン・クインタル)の3名です。
Joel Tudor (ジョエル・チューダー)
その流れるような美しいスタイルからロングボーダーの象徴的存在としてリスペクトされるカリフォルニア出身のFREE SURFER。コンテストの世界においても、1998年・2004年のLongboard World Championshipで世界チャンピオンに二度輝き、歴史あるU.S. Openでは8度の優勝を誇る。90年代後半からサーフィン界のカウンターカルチャーのアイコンとしての役割を果たし、1997年、新世代のロングボーダーとして初めて『Surfer』誌の表紙を飾る。また『Surfer's Journal』誌はジョエルを「史上最高のロングボード・サーファー」と評した。サーフフィルムにも100作品以上出演。サーフボードへの探究心も強く、60年代後半から70年代にかけて発売された初期モデルのコピーを中心に、当時から多くのショートボードを所有していた。1997年にはJoel Tudor Surfboardsを設立。後にシングルフィン・ショートボード『Good Karma』などを生み出す。
(*プロフィールの一部はEOSより公式に許可を得て引用・翻訳しています)
ロングボードのライディング映像
ミッドレングスのライディング映像
Devon Howard(デヴォン・ハワード)
90年代から現在にいたるまで、ロングボードとミッドレングスボードをスタイリッシュに乗りこなす、ジョエルと双璧をなすカリフォルニアのFREE SURFER。『The Seedling』(1999)、『Sprout』(2004)、『One California Day』(2007)などの名作サーフフィルムにも出演。WSLのWorld Longboard Tourのツアーディレクターを務める傍ら、Channel Islands Surfboardsのマーケティングディレクターとしても活動し、同社の人気ミッドレングスサーフボード『CI Mid』の開発にも深く関わる。デヴォンのライディングはサーフィンの教科書と表現されるほど、初心者から上級者まで全サーファーのお手本。
ロングボードのライディング映像
ミッドレングスのライディング映像
Justin Quintal(ジャスティン・クインタル)
WSL World Longboardツアーの2019年チャンピオンであり、ジョエル・チューダー主催のシングルフィン・ロングボードイベント『The Vans Duct Tape Invitational』ではUS OPENでの4連覇を含め優勝の常連。ロングボードの世界において完璧な実績とスタイルを持つと同時に、ショートボードではエアリアル(波の上から飛び出す技)、チューブ(波のトンネルを滑る技)、なんでもござれの超絶FREE SURFER。フロリダ出身。
ロングボードのライディング映像
ショートボードのライディング映像
次回予告
NobodySurfは2015年のスタートからこれまで、世界各地のサーフ映像を万単位でチェックし続けています。その中で分かったことは、ショートからロングまでマルチに様々なボードを乗りこなすのは、一般的にロングボーダーとして認識されているサーファーが圧倒的に多いということです。これは、未経験者がサーフィンを始める際の入口としても、またサーフィンの上達を目指す中級者が通るべき道としても、ロングボードが重要な位置づけにあることを示しているのかもしれません。
FREE SURFERS #001、いかがでしたか?次回以降はこんなラインアップを予定しています。こちらからマガジンに登録してぜひ更新を楽しみにしていてください。
#002
Alex Knost(アレックス・ノスト)
Ryan Burch(ライアン・バーチ)
Bryce Young(ブライス・ヤング)
#003
Tyler Warren(タイラー・ウォーレン)
Derrick Disney(デリック・ディズニー)
Saxon Wilson(サクソン・ウィルソン)
#004
Zack Flores(ザック・フローレス)
Hudson Ritchie(ハドソン・リッチー)
Corey Colapinto(コリー・コラピント)
#005
Yuta Sezutsu(瀬筒雄太)
Zye Norris(ザイ・ノリス)
Harrison Roach(ハリソン・ローチ)
#006
Jared Mell(ジャレッド・メル)
Jesse Guglielmana(ジェシー・ガグリルマナ)
Tommy Witt(トミー・ウィット)
#007
Grant Noble(グラント・ノーブル)
Troy Elmore(トロイ・エルモア)
Andy Nieblas(アンディー・ニーブラス)
#008
Tosh Tudor(トッシュ・チューダー)
JJ Wessels(ジェイジェイ・ウェッセルズ)
Mike Lay(マイク・レイ)
#009
Jack Lynch(ジャック・リンチ)
Robin Kegel(ロビン・キーガル)
Diogo Appleton(ディオゴ・アップルトン)
#010
Nathan Strom(ネイザン・ストローム)
Jordan Griffin(ジョーダン・グリフィン)
Nathan Adams(ネイザン・アダムス)
#011
Ziggy Alberts(ジギー・アルバーツ)
Mikey DeTemple(マイキー・デテンプル)
Scotty Stopnik(スコッティ・ストプニク)