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その利己が、利他になる。
地域おこし協力隊として、残りの任期はおよそ2ヶ月。着任当初は前職のライターの経験を活かしながら、おもにSNSでの発信活動を中心とする移住定住促進事業に携わりたいと考えていた。しかし活動を進めていく中で、地域の“外”ばかりではなく、というかむしろ地域の“内”にこそ、情報や関係性が必要だと気がつく。そこで生まれるグルーヴが滲み出ることで、結果として魅力になるのでないかと思ったのだ。
それから僕は、イベント企画やまちづくりミーティング、あるいは街中で行う焚き火などの活動を通して、いわゆるコーディネーターやファシリテーターが自分の担うべき役割なのではないかと考えるようになった。僕が主役として“ゴール”を決めるというよりも、住民の方々の思いの実現を“アシスト”するような、地域のヒト・モノ・コトをつなげる役回りにやりがいを感じている。
地域の方々と接する中で「わたしなんかがまちづくり活動なんて…」「おれは何もできねーんだ」などと、後ろ向きな感覚に出くわすことがある。その人は一見すると匙を投げているようで、よく見つめてみるとただただ真面目であることも少なくない。社会的に立派でなくてはならないと、利他的な自分でなければならないと、そんな思いがあるのではないかと想像する。
しかしながら、ここまで約3年のまちづくり活動を通して思うのが、地域においては利己的なあり方こそが利他につながるのではないか、ということ。あくまで個人を起点とした思いや考えが共感を生み、実現へのドライブを生み出すような気がしてならない。というかこれまで実際にそうであったし、すなわち個性が社会を変える、ひいては「まちづくり」につながるのだと考える。いや、少なくとも僕は、そうであってほしいと願うわけで、今いる地域でそれを信じて活動を続けていきたいと思っている。
最後まで読んでいただきありがとうございます。宮城県美里町という地域で「コミュニティデザイン」や「対話」をキーワードとしてまちづくりの活動に取り組んでいます。「ナチュラルでカラフルなローカルを。」というミッションを掲げ、ありのままの個性が輝く地域をめざしています。
📷Instagram:https://www.instagram.com/volantesta/
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