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ヤマハRTX830 VPN拡張ライセンス 『YSL-VPN-EX1』について

この記事では、2022年1月25日に発売されたヤマハルーター RTX830用の VPN拡張ライセンス『YSL-VPN-EX1』についてお伝えしようと思います。
まず通常のRTX830のVPN関連の仕様ですが、 下の表のようになります。

VPN拡張ライセンス『YSL-VPN-EX1』を適用すると、

IPSecなどのVPN対地数は20から100へ、 L2TPv3のVPN対地数は1から9へ、 マルチポイントトンネルはクライアントに加えてサーバーとしての機能も持つようになり 、PPPoEセッション数は5から40に増えます。
IPSecスループットに関しては、1.0Gbpsのままです。
ちなみにマルチポイントトンネルとは、

例えば、上図のような構成があった時に、 拠点A,B,Cがセンター拠点とVPNを構成する場合、通常センター側ルータでは、3つのトンネル設定をする 必要があります。それがマルチポイントトンネル機能を使うと1つのトンネル設定で、 複数の拠点とのVPN構成を可能にすることができます。

このセンター側になれるのが マルチポイントトンネルのサーバ機能ということになります。 このVPN拡張ライセンスを適用することで、RTX830の上位機種である RTX1220のもつ機能と 比較すると、下の表のようになり、

VPN対地数、マルチポイントトンネル機能、PPPoEセッション数が 同等ということになります。 IPSecスループットに関しては、ライセンス適用前と一緒で、RTX1220の1.5Gbpsには及ばないということ になります。

VPN対地数が増えることでの活用例として、例えば、 近年、感染症の影響で、在宅勤務が増えてきていると思いますが、 在宅勤務者が30人とかいる場合、もともとのRTX830の機能では20接続しかできず、 接続できない社員が出て来てしまいます。

そんな時に、ライセンスを適用することで、20から100に増えるので、 余裕で接続可能になります。

また、L2TPv3を使ったVPN拠点間接続を構築した場合ですが、L2TPv3を使うと 同一セグメントでの拠点間接続構成が可能になります。
L2TPv3についての動画もありますので、 興味のある方はそちらの動画もご覧ください。

もともとのRTX830の機能では、L2TPv3の対地数は1のみなので、 RTX830では、2拠点構成が限界ということになります。

3拠点以上の構成にしたい場合、下図のようにRTX1220などを利用する必要が出てきます。

それが、この拡張ライセンスを使えば、RTX830+拡張ライセンスでRTX1220の代わりに 複数拠点構成が可能ということになります。

 これをコストで比較すると、 RTX830の定価が税抜き8万3千円、拡張ライセンスが2万5千円 合わせて税抜き10万8千円になり、 RTX1220の定価が税抜き13万円なので、約2万円コストを下げて、同じような構成が 実現可能ということになります。

この拡張ライセンスの2万5千円は、年間ラインセンスとかではないので、 1度買ってしまえば、ずっと利用可能ということになります。
最後に、ライセンスの適用についてですが、 ライセンスを適用するには、ファームウェアを最新にする必要があります。 ファームウェアを適用後、メールで送られてくるライセンス情報をコマンドで入力します。
実機の画面でのデモンストレーションもあるこの記事の動画はコチラ


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