通信速度に関する誤解。300Mbpsは30Mbpsより速くない?!
この記事では、ネットワークの通信速度について
理解が深まるような内容をお伝えします。
恥ずかしい話ですが、私自身も通信速度について、あまりじっくり考えていなかったため、誤ったイメージを持っていた部分もありました。
通信速度について、よくよく考える機会があったため
そこで気が付いたことなどを情報共有したいと思います。
わかりやすい例え話で説明しますので、皆さんの理解も深まると
思います。
すでに十分な知識がある方は、ぜひ、他の方への
説明用としてこの記事や後から紹介する動画をご活用いただければ幸いです。
よくプロバイダをPPPoEからIPoEに変更したら、
通信速度が、数十Mbps から数百Mbpsに変わって
爆速になった!みたいな話を聞きますが、このMbpsの数値が大きくなったというのは、果たしてどのような意味があることなのでしょうか?
例えば、プロバイダのプランを変えることで、以下のように通信速度がアップしたとします。
速度がアップしたというと、なんとなく、車や飛行機などの乗り物の移動する速度がアップしたようなイメージを持つのではないでしょうか?
時速40Kmの普通自動車が、時速400Kmのスポーツカーに速度アップしたみたいなイメージを持ってしまわないでしょうか?
もしこのようなイメージであれば、時速40Kmで片道200Kmの目的地は行くためには5時間、往復で10時間かかるということになり、時速400Kmであれば、往復1時間しかかからないということになります。
このように時速が速いということは、同じ距離に対して、往復などの時間がより短くできることになります。通信速度なども、これと同じイメージで考えてしまう人も結構いるのではないかと思います。
ただ実際には、そのようなイメージではなくMbpsの通信速度の大小の差とは、移動スピードの差ではなく、運べる荷物の量の差と考えた方がよりイメージに近いと思います。
つまり普通自動車がスポーツカーに変わるのではなく、荷物を多く積めるトラックに変わったと考える方がより正確にイメージできていると思います。
普通自動車が荷物を1個運べるところを、トラックなら、荷物10個運べる。移動する時速は別に変わらないので、1往復する時間は、どちらも10時間ということになります。
ただ、荷物を10個運ぶ仕事だとしたら、トラックなら1往復で運べるところを普通自動車なら、10往復する必要があり、結果10個運ぶのに100時間かかることになります。
つまり、10個運ぶという条件では、トラックの方が速く運び終えることが出来て速いと考えることができます。
この例のように、多くの荷物を運ぶということであれば、トラックの方が有利ということができますが、もし、運ぶ荷物が小さくて、荷物1個を運ぶという仕事であれば、普通自動車であっても1往復で運べるため、運び終えるのはトラックと変わらないということになります。
通信速度を表すMbpsとは、単位時間で転送できるデータ量を表しているので、この運べる荷物の量という考え方がより近いと思います。
1つ事例を考えてみます。
データセンターにサーバがあり、そこに顧客データベースがあります。
拠点からそのデーターベースはアクセスし、データを参照するというようなシステムがあったとします。
拠点でのデータベース参照のレスポンスが、あまり良くなかったため、
回線を見直し、より通信速度が大きい回線に増強したとします。
例えば、10Mbps⇒100Mbpsに変わったとしても、データベースの参照のレスポンスが改善しないケースもあるかもしれません。
なぜかというと、もともとデータベースを参照するための通信に必要な通信容量はさほど大きくなく10Mbpsを100Mbpsにしたところで、1個の荷物を運ぶために、普通車をトラックに変えても効果がないのと同じ現象が起こっていると考えらえます。
このデータベースへのレスポンスが遅い根本的な理由が、拠点とデータセンターの距離の遠さによるもので、通信速度を増強したところで改善されないということになります。
拠点からデータセンターへのping値というものが、変わらなかったので、レスポンスは改善されないという事例です。
ping値については別の記事で説明していますので、そちらもご覧ください。
この記事を動画にしたものはコチラ