ネットワークトラブル事例 オートネゴシエーションの罠
今回の記事は、私が現場で遭遇したネットワーク関連のトラブル事例をご紹介したいと思います。
既存環境は、ヤマハルーターRT57i がインターネット接続用ルータとして設置されていて、 RT57i の下部にはギガビット対応のスイッチが設置されていました。
パソコンは、スイッチおよびRT57i からLAN配線されていました。
RT57iは、おそらく 15 年くらい前に設置されたものと思われ、よくここまで壊れずに動き続けてきたと驚きますが、さすがに新しいルーターに変更しようということで、ヤマハルーターNVR510 と置き換えることになりました。
さらに、セキュリティ対策として、ルーター下部にUTM を設置
する予定になりました。
ヤマハルーターの下部にUTM を設置した場合、ヤマハルーターに直接
LAN 配線されているパソコンは、UTMを経由しないということになり、
折角のセキュリティ機能がスルーされてしまうことになります。
そのため、あらかじめ直接ヤマハルーターRT57i に接続されていたパソコンをスイッチにLAN 配線し直しておくことにして、つなぎ変えたところパソコンはLAN ケーブルを認識できなくなり、通信が出来なくなってしまいました。
原因は、パソコンのLAN アダプタが古いせいか、ギガビット対応スイッチに対して自動ネゴシエーションが出来なかったからです。
自動ネゴシエーションとはオートネゴシエーションとも言いますが、
自動的に、通信速度を設定する機能のことです。パソコンのLAN アダプタが、通信相手であるスイッチやルータ と情報を交換して、最も速く通信できる速度に自動的に設定してくれる機能です。
今回、この現象が起こったパソコンではオートネゴシエーションがうまく機能してくれず、結果、LAN ケーブルが接続されていないような認識になってしまいました。
解決方法は、LAN アダプタのプロパティの詳細設定にて、通信速度の設定を自動ネゴシエーションから手動設定に変更することです。
今回の場合は、100Mbps フルデュプレックスに変更することで解決できました。
設定画面例
プロパティの表示は、LAN ドライバにより異なる可能性があります。
例えば速度ではなくアルファベットでspeed と表示されているかもしれません。また、今回の事例では、100Mbps を選択するのが正解でしたが、環境により必ずしも100Mbpsが正解というわけではありません。
ポイントは、自動認識してくれない時は、手動で設定を変更してあげなければならないということです。
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