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2024年My Best BLドラマ
かなり年の瀬ギリギリとなりましたが、個人的に過去1番BLドラマを見た年となったこの2024年。せっかくなので、最初のnoteは2024年に放送されたBLドラマのマイベストBLドラマ トップ3について書いてみようと思います。内容としてはただのオタクの叫びと、本気の布教です。この文章は全部は見なくとも、紹介した作品はぜひ、本当に、マジで見てほしい!
(ちなみに表紙がぽいものになりましたが、画像編集楽し~とポチポチしていたら出来上がった産物なので、内容はただのオタクの文章です。かなり文章量が多くなりましたので、好きなところだけお気軽にお楽しみください。)
2024年マイベストBLドラマ
第1位:恋をするなら二度目が上等
個人的ぶっちぎり第1位のドラマ。端から端まで全てが大好きです。これまで見てきた邦BLドラマの中でも堂々の第1位に輝きました。
お仕事、スーツ、ネクタイ、アラサー、恋愛への不安、過去の後悔、傷、その他諸々……。私の好み全てを凝縮させたような作品でしたね。どこを切りとっても私の好みがそこにあります。
ストーリーが良いのはもちろん、俳優さんや演技に映像美、主題歌やサウンドトラックも何もかもが良いのがこの「恋二度」。6話という短さでしたが、その分非常に濃い物語だったなと感じています。私の言葉では一生この恋二度の魅力を語りきることはできないと思うほど惚れているので、正直なところ「見て!!!」としか言えない。語彙力不足。悲しい。
ですが呆れるほど長~~~~い文章を書いても良いと開設したこのnoteですので、語りたいだけ語ってみようと思います。
一応初めに、公式のあらすじと予告編を。
ある日、ビジネス誌の中堅編集者・宮田晃啓(演:長谷川慎)は、経済コラムの執筆依頼のため、売れっ子の大学准教授岩永崇(演:古屋呂敏)のもとを訪れる。しかしそれは、高校時代に別れた…《初恋相手》だった―!
上京して十数年。駆け落ちを約束するほどの大恋愛をした過去をすっかり封印していた宮田は、結婚を考える彼女・福田あこ(演:永瀬莉子)もできて、“それなり”に生きていた。偶然の再会を果たしても、あくまで仕事相手と割り切り、「岩永とは二度と恋をしない!」と固く誓った宮田だったが、相変わらず美しく優秀で…幾度となく甘い言葉を掛けてくる岩永のペースに、仕事もプライベートも翻弄されまくり⁉理想や現実、プライド…昔のように素直になれない<オーバー30サーティー男子>が再び出会ってしまった、運命の人。駆け引きだらけ、もどかしすぎる「二度目」の恋の行方は――。
1日に何度も擦り切れるほど見たこの予告。3月が懐かしいですね(遠い目)。
まず第一に声が良い。両者とも声質は違うものの、非常に耳に残る良い声をしてらっしゃるなというのがお2人の第一印象でした。
さて、この物語は高校時代に駆け落ちの約束をした(ものの失敗した)2人が14年ぶりに再会することで始まります。これがこのドラマの本当に良いところ。この再会の瞬間から、もう2人の恋は始まっているのです。(と、思っています。)
出会い、徐々に思いが寄せられ……という訳ではなく、過去の想いを捨てきれなかった崇と宮田が、既に抱えている相手への想いと共に、如何にして隣にいられるかと大人になって奮闘しぶつかり合うこの物語。高校時代には好きだと言葉にできなかった崇はたくさんの口説き文句を使って宮田を口説きにかかり、一方宮田は過去崇により負ったトラウマを抱えており、もう一度傷つくことを恐れながらも、それでも崇と居たいと思ってしまう自分の感情と向き合い、それを自信をもって認められるように奮闘するのです。
私たちはそんなむしゃくしゃとした彼らの感情をダイレクトに受け取り、自らの心もかき乱されながら、2人を見守ることができます。非常に楽しいです。ドキドキもします。思わずにやにやとしてしまうシーンも、涙してしまうシーンも。本当に、たった6話とは思えない充実感。
宮田は崇に気持ちを弄ばれ「彼は自分を好きじゃなかった、自分ばかり好きだったのだ」と傷を負ったからこそ、大人になった現在軸では非常に「対等」であることにこだわっていました。無事付き合った後も椙本の登場によりその不安は拭えず、更には肝心なことを話してくれない崇にやきもきとする宮田。「愛している」とはっきりと言えないシーンもあります。(凄く好きなシーンの1つです。)
それでも最終話に『もう間違えません。大人として、責任をもって僕たちは隣にいられるようになりました。』『その時は、僕も隣にいます。』という宮田の台詞があるのは、きっと、彼らが過去お互いを信じることができなかったという後悔と傷を乗り越えながら恋をし、宮田が崇の隣で共に未来を過ごす意味を見出せたからこそ出てきた言葉でしょうし、一度目の恋が上手くできなかった彼らだからこそ、「恋をするなら二度目が上等」なのだと思っています。
その後、高校時代初めてキスをしたあの河川敷。様々な困難を乗り越え、彼の隣で「愛している」を言葉にできた宮田と弱さを見せることの出来た崇の夕陽をバックにしたキスシーンは、映像美もあわせて最高のシーンでした。本当に、恋二度を見たことがない方はぜひ、このシーンに至る経緯とその美しさの衝撃を食らってほしいです。本当に、本当に美しいので、!(必死)
そしてもう1つ、私がこのドラマで推したいポイントとして、お仕事BLというポイントがあります。
このドラマでは崇に恋する助手・白石くんが宮田と崇の仕事を邪魔するシーンがあります。宮田はなんとか仕事を間に合わせ、(その間色々あったものの仕事面で見れば)事なきことを得たのですが、その後宮田が白石に放った台詞に『仕事なめんじゃねぇ』というものがあります。本当に私が大好きな台詞です。
恋愛ドラマではしばしば、カップル二者間の愛を強さを示すために仕事を放棄したり、恋愛を仕事より優位に描く描写が見られます。いつもこれを見るたびに私は納得しないというか……大丈夫なのか?と心配し2人の恋愛物語どころじゃなくなってしまうのです。その点この恋二度では、恋愛にやきもきしながらも、『仕事なめんじゃねぇ』と叫ぶ仕事に真摯な宮田という主人公がいてとてもよかったと感じます。人間ですから(しかもこの作品では好きな相手が密接に関わる必要のある仕事の取引先)恋愛における心理状態が仕事に影響を与えることはあるかと思いますが、公私混同はしないが関わらなければならないという、この絶妙な公私の保ち方が非常にお仕事BLとして映えている作品だと強く思っています。
さて、ここまでそれなりに私が何度もこの恋二度を見て感じ、考えたものを書かせていただいたのですが、1つ、初見時からずーっと思っている、より直感的に感じる魅力をお伝えしたい。
宮田くんが!!!すごく良い塩梅のツンデレであるということ!!!
例えば、5話における副編集長就任お祝いで訪れたレストランのシーン。崇はお祝いとして宮田に100本の薔薇の花束と共に合鍵をプレゼントします。合鍵プレゼントなんて、喜ぶシーンですよ。そんなの。しかし宮田は『全然嬉しくないです。』『最近ちょっと好きかな~って思ってましたけど、今嫌いになった気がします。』『あぁ…すみません、同棲とかちょっと無理なんで。前に一度失敗して、こりごりです……。』と返します。中々ですよね。私が崇ならかなり心に来ていると思います。(しかし崇はそれに『それはしくじったなぁ。』と飄々と返しています。そう言っても君は僕のことを好きだろう、とでも言うように。そんな崇の余裕さ加減と宮田のツンデレ度のマッチも非常に、非常~に良いです。)
まあそれは愛だけでなんでも、駆け落ちだってできると約束するもうまくいかなかった過去があるからこそなんですが。のちに宮田は(本当は嬉しかった…。)と思いながら帰宅しています。嬉しくても恥ずかしくて、それから過去のことも思い出されてうまく感情表現できない宮田くん、すごく愛おしいです。
そんな崇にはとげとげとした言葉遣いをしてしまう宮田くんですが、彼は酔うと非常にデレを発揮してくれます。ありがとう。
これに関しては4話・崇の家に突撃訪問するシーンは外せない。このシーンの可愛さを言葉で語ることはできないです。もう、見てくれ!としか。私にはぶんぶんと振られている犬のしっぽが見えました。本当に大好きな可愛い可愛いシーンで、切り抜き動画がアップされたときは思わずガッツポーズをキメた記憶があります。皆さま、この動画、必ず見てくださいね。(迫真)
「 甘えた宮田くん 」#恋二度 公式切り抜き動画✂️❤︎
— 恋をするなら二度目が上等【ドラマイズム公式】 (@koi_nido) March 29, 2024
⋰
思わず溢れた
本音に...キュン🫶🏻´-
⋱
▼続きは、4話で👀✨https://t.co/EgpqFb9qPO#長谷川慎 #THERAMPAGE #古屋呂敏#恋をするなら二度目が上等#ドラマイズム pic.twitter.com/LBgPLSTjpM
結局この後も付き合う付き合わない攻防は続くのですが、宮田くんが崇の傍にいたいという自分の欲望をまた一歩認めてあげられた、非常に可愛いシーンでした。
上記の通り、とにかく宮田と崇が良いコンビで本当にかわいいのです。しかし、宮田と崇が良いコンビである所以は2人を演じる俳優さんにもあると思います。ここで、宮田と崇を演じる長谷川慎さんと古屋呂敏さんのお2人・通称ろびまこについてのトンデモエピソードを少しだけ紹介しようと思います。
まずは1番有名であろうろびまこ名物(?)・ハグ。
1話が放送される前に投稿されたこの動画で知らされた衝撃事実。
⌖. ꙳#恋二度 𝗶𝗻𝘀𝘁𝗮𝗴𝗿𝗮𝗺フォロワー様
— 恋をするなら二度目が上等【ドラマイズム公式】 (@koi_nido) February 19, 2024
5️⃣0️⃣0️⃣0️⃣人突破を記念して✨
⋰
𝟮人 のほっこり!?
ルーティンを大公開👀❤︎
⋱
𝗶𝗻𝘀𝘁𝗮𝗴𝗿𝗮𝗺はこちら🖋️https://t.co/CRVbz18AwO#朝と帰りのハグが日課です☝️#長谷川慎 #THERAMPAGE #古屋呂敏#ドラマイズム 𝟯/𝟱放送𝗦𝗧𝗔𝗥𝗧𖤐 pic.twitter.com/A8cHQUZXUo
2人の撮影はハグで始まりハグで終わるというものでした。
本当にこの動画が出た時は……本当にびっくりしましたね。(語彙力)
このような素敵な親密さが宮田と崇という良いキャラクターに繋がった1つの理由なのかなと想像されます。
また本当に仲が良いようで、ツーショットを撮る際は大体呂敏さんが長谷川さんの肩の上に乗っています。他にも長谷川さんの誕生日ご飯会ではまさかの誕生日プレートに「みやたくん」の文字が。恋二度放送終了から数ヶ月経った頃でしたが、オタク並みにロスしている呂敏さんがいらっしゃいました。さらには放送終了から半年以上経った11月半ば。長谷川さんのお父様の美容院に呂敏さんが来店するという大事件。(大事件?) その少し前に呂敏さんの髪が長くなったので誰に切ってもらおうか、というポストをきっかけに「お父さんが美容師ですよー!」なんて会話をお2人が𝕏でしてらっしゃいましたが、まさか現実になるとは……。
長谷川慎君のお父さん美容師らしいですよ!
— 長谷川慎 (@makoto_lo_olzzz) October 26, 2024
紹介しましょうかー?🤔
本当に行っちゃった
— 古屋 呂敏 / Furuya Robin / ロビン (@mynameis_Robin) November 17, 2024
まこっちゃんパパ、ありがとう!!
Finally had my hair cut.
Nice to meet you
@makoto_lo_olzzz ‘s dad!!#恋二度 #まこパパ #舞台挨拶前にも行こうと pic.twitter.com/QZHFnA0T5Y
とまぁ、あげればもっと出てくる訳ですが、この辺で。
恋二度という作品で繋がった縁を大事にしてくださっているのを見るとその作品のファンとしては凄く嬉しいですし、何より本当に仲が良いので見ていてとても温かい気持ちになります。更にはお2人の恋二度愛も本当にすごいです。呂敏さんはよく劇中の崇の台詞を交えてポストしたり、コメントしてくださいます。もちろん他の俳優さんや監督さん、音楽担当の方、スタッフさんも……とにかく恋二度に関わる皆様から作品に対する愛がたくさん伝わってきます。そのような点でも、凄く凄く温かい、良い作品だと感じるのです。
最後に、このドラマには欠かせない大好きなOP曲とED曲を。
OP曲はMelさんの「コヨイノウタ」。これを聞くと恋二度が始まる…!という気持ちになります。Melさんの柔らかい歌声に宮田と崇の寄り添うような恋が連想される最高の一曲です。
さらに、コヨイノウタにはドラマ版MVもあります。ドラマではカットされてしまったシーンも含まれている、これまた最高な贅沢MVです。
ED曲はAyumu Imazuさんの「BANDAGE」。アップテンポな曲に2人の駆け引きたくさんのテンポの良い会話が目に浮かびます。私はこの曲に本当に惚れてしまい、私の端末での2024年最も聞いた曲第1位になっていました。
本当はまだまだ語りたいことがあるのですが、とにかくたくさんの魅力が詰まった「恋をするなら二度目が上等」。圧倒的今年のマイベストBLドラマ第1位でした。現在ではFODやU-NEXTなど各配信サイトで視聴可能です。
また、12月13日からはspecial editionということで新たなシーンも追加された再編集版映画も公開されました。彼らを2時間通して見ることができ、より彼らの”人生”を感じることのできる最高の映画です。1週間前後の期間限定公開でしたが1月から公開の映画館もございますので、もしまだ見たことのない方がいらっしゃいましたら、ドラマも、映画も、ぜひご覧になってみてくださいね!
第2位:僕の指先に君の温度が触れるとき
韓国BLドラマを見始めたのが今年だというのに、2位にランクイン。
正直に言葉を選ばずに言うと、私がBLドラマを見始めたきっかけは「お金をかけずにBLを摂取できるから」だったのですが、そんな私がトレーラーを見ただけで即購入を決めた作品です。購入しました。この私が。(?)
そんな私を魅了したトレーラーと公式のあらすじはこちら。
初めて覚える恋心、自分自身の感情への戸惑いに葛藤し、もがく2人の物語。
ドラマ「俺は恋愛なんか求めてない!」に登場したサブカップル「キム・ドンヒ」と「コ・ホテ」の高校時代の物語。母親同士が友達で兄弟のように育ってきたドンヒとホテ。ホテは父親の事故死をきっかけにソウルから、地元・江陵(カンヌン)に戻ってくる。2年ぶりに再会したドンヒとホテ。ドンヒは、ホテの母の勧めによりホテの家に居候することに。こうして始まった一つ屋根の下での生活。その中でホテはドンヒへの特別な感情に気づき、ドンヒもまた幼い頃から抱いていたホテへの思いを再確認する。
この作品は「俺は恋愛なんか求めてない!」というBLドラマに登場した幼馴染サブカップルの淡い高校生時代を描いた物語です。この作品単体でも楽しめますが、「俺は恋愛なんか求めてない!」も視聴するとより楽しめます。こちらのドラマもとても良かった作品なので、良ければ。
「俺は恋愛なんか求めてない!」では「1か月だけ付き合おう」とホテがドンヒに告白するところから2人の物語はスタートします。それに対しふざけるな、おばさんに知られたらどうする(ホテとドンヒの母親が友達)、やって良いことと悪いことがあるだろ、と拒み続けるドンヒ。しかし、後にドンヒは昔からホテのことが好きだったことが分かります。どうしてドンヒは頑なにホテを拒むのか、どうしてホテもアタックし続けるのか、その理由を儚い空気と共に、今すぐにでも崩れてしまいそうな彼らの脆い過去を紐解いていく作品がこの「僕の指先に君の温度が触れるとき」なのです。
何よりもこの作品は映像が本っっっっ当に綺麗。監督も変わり映画として撮影されたので、ドラマとはまた変わった雰囲気をまとっています。高校生の未熟さや、彼らの抱えた言葉にできないもどかしさがじっくりと伝わってくる映像美。そこに加わるホテとドンヒの真っすぐな、時に揺らぐその視線に思わず頭がくらりとしてしまうほどです。
この作品は、個人的不器用BLのトップに君臨する作品となりました。
2人の異なる不器用さがまたさらにすれ違いを生んでしまう切ないこの物語。2人が2歳差であることも1つのキーとなっていると思います。
高校1年生のホテはドンヒと1つ屋根の下で暮らすようになり、少しずつドンヒにただならぬ思いを抱いていきます。しかし、この気持ちが何なのかうまく理解できないホテ。ドンヒに感じるこの気持ちは友愛なのか、ただの興味か、それとも__。自分の気持ちをうまく扱えず言葉にもできない一方、抑えきれない気持ちと欲が焦りと共に先行し、衝動的な行動をとってしまうこともしばしば。高校生らしい未熟さと不器用さを感じて、切なくなります。
一方高校3年生のドンヒは大人しく、自分の気持ちや本音を奥底に隠してしまうタイプです。ホテに対する思いを自覚している彼は、『全ては変わりゆく、俺も変わったんだ。』という言葉と共にホテから離れようとします。それでも女の子の隣にいるホテを見てはもやもやとしてしまうし、ホテの隣にいる時は本当に幸せそうに笑っているドンヒが本当に、本当に愛おしい。それでもホテを拒絶してしまうドンヒに胸が締め付けられるのです。
たかが2歳差、されど2歳差。自分の気持ちへの向き合い方や扱い方が異なり、それゆえに離れたり近づいたりする不安定な2人の距離に、見ていると心がかき乱され、むしゃくしゃして、胸がキュッとしてしまいます。
更に私がこの作品きっかけで好きになったものがあります。それは「형(ヒョン)呼び問題」。형(ヒョン)とは男性が兄や親しい年上の男性を呼ぶときに使う単語です。2歳差ゆえに利用できる単語ですね。年配者に敬意を払う強い文化のある韓国特有の呼称で、日本にはない概念なのではないかと思います。今作のトレーラーでは「兄さん」と訳されていました。
なんといっても作中でホテがドンヒを형(ヒョン)と呼ぶ瞬間が本っっっ当に良かった!!!!トレーラーでも『兄さんと呼べ』『呼べるか』という押し問答の後、『ドンヒ兄さん(ドンヒヒョン)』の台詞があります。保健室の端でただ2人きり、そんな時にお願いしたホテの言葉は。そして「형(ヒョン)」と呼ぶほどまでに叶えたかった願いとは。2人の近い距離と緊張感、それに差し込む明るい光という絶妙なバランスにこちらの胸までドキドキと高鳴ります。最高に淡い青春の1シーンをぜひ、ぜひ、見届けてほしいです。
また、この物語は物理的な「傷」が1つのテーマになっています。ドンヒに抱える気持ちへの困惑から告白されるがままに女の子と付き合っては別れを繰り返し、その度に腹を立てた女の子から傷をつけられるホテ。ドンヒは彼のために塗り薬を持ち歩き、ホテが傷をつけて自分の元に帰ってくる度に薬を塗ってあげています。一方、ドンヒは父親から暴力を受けていました。傷を負って帰宅したドンヒに、今度はホテが薬を。
そのたびに触れる自分の指先と彼の温度、そして交わる熱い視線。物理的に近づく2人の距離に彼らも、また見ている私たちまでも心臓が変な音を立て始めます。彼らが感じている緊張感や想いの重さが真っ直ぐに伝わってきて、とても胸が締め付けられるシーンです。それに思わず目に涙が張ってしまうほど感じる息苦しさが本当に良かった。私の激激激推しポイントです。この作品を見て、ぜひ、これを、感じてほしい!
これまで様々なBLドラマを見てきましたが、幸せなシーンでも、つらいシーンでも、温かなシーンでも、ここまで胸が締め付けられる作品は初めてでした。しんどい、だけどそれが良い、もっと見たい!と感じてしまうその感覚は言葉にできないです。本当に、「見て!!!!!」としか……(2回目)。
私は視聴時思わず息を止めてしまっていることが多かったです。そして物語で重要な役割を果たす”トマト”と”みかん”。思い出すだけで苦しいまであります。視聴した方みんなそれに囚われていると信じたい……。(?)
それほどに見入ってしまう2人の物語をぜひ、皆様に感じてほしいのです。
私のオススメ視聴方法は、「俺は恋愛なんか求めてない!」の視聴後にこの「僕の指先に君の温度が触れるとき」、そしてもう一度「俺は恋愛なんか求めてない!」のサンドイッチ方式です。「俺は恋愛なんか…」におけるホテとドンヒの言葉の意味や空気感が、「僕の指先に…」視聴後にはまた異なって伝わってきます。その切なさをぜひ受け取ってみてください。
「俺は恋愛なんか求めてない!」FODなど各配信サイトで視聴が可能ですが、「僕の指先に君の温度が触れるとき」は現在楽天TVでのレンタルか購入のみとなっています。少々視聴ハードルが高いかもしれせんが、レンタルor購入の価値は十二分にあります。プライスレスです。という訳でマイベストドラマ2位のこの作品。良ければ皆様ぜひ、この切ないホテとドンヒの過去を見届けてみてください。
第3位:ひだまりが聴こえる
マイベストドラマ第3位はこの作品。共に過ごした2024年の夏は本当に最高の夏でした。いやぁ、本当に良い夏を過ごせた。どれだけ暑い日々でも彼らと過ごせると思うだけで、すべて許せるような気までしていました。
計12話の約3か月かけて放送された「ひだまりが聴こえる」。邦BLドラマでは長い方なのではないかと思います。それでも私のタイムラインにいる方々はみんな見ていた印象です。私も毎週水曜日の夜にテレビの前に座って待つことが習慣化していました。皆様知っているかもしれませんが、一応これまでの流れに則ってあらすじと予告を。
中学の頃突発性難聴を発症して以来、人と距離を置くことが当たり前になった大学生の杉原航平(中沢元紀)。ある日、いつものように1人でお弁当を食べようとしたところに突如現れたのは、同級生の佐川太一(小林虎之介)。バイトをクビになり、お腹を空かせていた太一に、航平は無言で自分のお弁当を差し出し、去っていった。
その後、航平は耳が聞こえづらいことを知った太一は、お弁当のお礼にと、聴覚障がいのある生徒に講義内容をリアルタイムで伝えるボランティア“ノートテイク”に自ら名乗り出て…。
ある日お腹を空かせた太一が、1人辺鄙な場所でお弁当を食べている航平に出会うところからこの物語は始まります。難聴で人との関わりに諦めも感じているであろう航平に明るい太一はノートテイクを申し出、2人の関係をゆっくり築いていくのです。
なにより、2人を演じる俳優さん、小林虎之介さん・中沢元紀さんのまとう空気感が本当に良かったです。太一も明るいキャラクターですが底抜けに明るい訳ではなく(少々衝動的なところもありますが)、相手のことをたくさん考え、気遣い、大切に言葉を選んで相手と接します。航平の人の前に閉じることが習慣となっていた扉が、そんな太一によってゆっくりと開いていく……というより、太一が航平と他人を繋ぐ間の新しい扉を開けてみようと寄り添ってくれるような。そんな愛に溢れた太一の優しさが、その航平に訪れる変化と心境が、たくさんの愛や不安と共にお2人の演技からとっっても伝わってきます。
それゆえ、私は毎話毎話泣いていた記憶しかありません。人生で初めてドラマ視聴後リアルにバスタオルで顔を拭きましたね。特に5話。階段で本音で2人がぶつかりあうシーンは圧巻でした。ここは見る度いつも涙目になるので、まともに見れた試しがないです。
後ろに聞こえる楽器の練習音。学校らしい様々な音に溢れている中、航平の『他の音は聴こえないのに、太一の声だけ…。なんではっきり聴こえるんだよ。』という台詞と共に静かに周りの音が聴こえなくなります。涙をこらえて言葉を紡ぐ航平とそれを見つめる太一。音が一切ない2人の空気にぐっと惹き込まれる感覚がします。航平を思う気持ちから込み上げる涙なんかお構いなしに本音でぶつかる太一を見て、ただ一筋の涙を流す航平、そして『なんで太一が泣くの?』という台詞___。ノックアウトです。立ってられません。こんなの、泣きます。好きすぎて、こんなに綺麗な涙があってたまるかと、もはや怒りで気持ちを発散しないとどうにかなりそうでした。
私がさらに泣いてしまったのはこの後のシーン。既に涙腺がボロボロの状態で迎えた5話ラスト。告白して嫌われたと太一から距離を置く航平に、太一は思い出の場所までノートテイクの募集用紙と共に航平に会いに行きます。そして『いくら考えても、お前のこと嫌いになる理由なんて見つからなかったんだよ。』と太一がかけた言葉に思わず涙してしまう航平。この、このシーンが私一番、本当にダメでした。航平の後ろに振り向き思わず込み上げてきた涙を拭う仕草がとっても自然で、太一のこと好きだなぁと思っているのかな、嬉しいと感じているのかな、と航平のことを考えては大号泣してしまいました。その後太一のお腹の鳴る音に笑いあう2人がいて、喧嘩して離れてしまった2人にまた”2人の日常”が帰ってきたのだと思うと、さらに泣けて泣けて仕方がなかったです。
それから11話は外せないのではないでしょうか。航平は仕事に専念するために大学を辞める太一を笑顔で送り出し、家では最後の授業の日の2人のお弁当を作るために玉ねぎを切っていました。玉ねぎが染みて目に涙を浮かべる航平。笑顔で太一を送り出すことができたからこそ、行き場のなかった寂しさがこれを気に溢れ出てくるかのように涙を流します。それを見守っていた航平の母・涼子も、毎日お弁当を作り続けた上、心を閉ざしていた息子を変えてくれた彼と彼を思う息子を見て涙します。やばい、今これを書くために少し見返したら涙が出てきました。幾度となく見ているはずなのにですよ。我慢できなかった航平の寂しさが真っすぐに伝わってきて、本当に、文字通り涙なしでは迎えられないシーンです。
そして次の、ノートテイク最後の授業中、航平が太一との思い出を振り返るシーン。これは言葉で語ることはできないです。1年の最初の出会いから、今日その日までの全てを愛おしそうに思い返す航平の表情と、その日々とずっと一緒にあったたくさんのノートたちを見ると涙が涙があふれてやまなくて……。そうです、ほぼ半泣きで書いています、今。2年生となった7話からは交流が広がり、彼らが思いあう故に言葉にできず、すれ違い、うまく関係を築けない2人がいます。正直、しんどい。早く言葉にしなよ!!!と言いたくなるも、言葉の大切さを6話までで教えてもらったがために恐れてしまう2人の気持ちも伝わってくる。すごい板挟み状態。しんどかった。だけど出会いから彼らを見て、これを乗り越えた先に迎えたこのシーンには言葉にできない感動がありました。本当にこれに関しては見てほしい!!!1話~11話を見て、そしてこのシーンを見てほしい!!!本当に、「見て!!!」としか言えない自分がもどかしいです。(全作品でこれ言ってないか、私。)
太一と航平の周りのキャラクターもただいるだけではなく、様々な形で彼らに変化をもたらします。太一のじいちゃん、後輩のマヤ、太一の上司の犀さんなどなど。もっともっとたくさんいますが、考えさせられる言葉だったり、見えなかった側面を気づかせてくれるような言葉だったり……。皆が心に残る言葉を残してくれています。
そして最後に彼らを彩る素敵なOP曲とED曲を。
OP曲はflumpoolさんの「SUMMER LION」。おそらくこの曲は航平目線だと私は思っているのですが、ラスサビの「大丈夫、影でさえも君は眩しい」という歌詞にはひっくり返りました。太陽のように明るい、ひだまりのようにあたたかい太一から落とされる影にも救われていた航平がいたなんて……。
ED曲は川崎鷹也さんの「夕陽の上」。official MV の他にドラマ版MVという贅沢MVもあります。この歌には何度泣かされてきたかわからないです。各話の曲が流れるラストシーンとのマッチ度が本当に最高で、!特に11話…。ここまでシーンと歌詞が合っているものはないのではと思ってしまうほど。
という訳で、視聴時泣きに泣いた「ひだまりが聴こえる」がマイベストドラマ第3位でした。現在はU-NEXTとTELASAで配信中です。
涙なしには語れないこの作品。そしてきっと視聴後にはハンバーグに思いを馳せてしまう日々が続くことだと思います。ぜひ、太一と航平が歩む温かな1年半の日々を見守ってみてください。
番外編
さて、ここからは「終了している連続ドラマ」に該当しなかったためTOP3には入れなかったものの、ぜひ見ていただきたい作品を少しだけオススメさせていただこうかなと思います。
マッチプレイ
何気なしに見たこの作品。めちゃくちゃ囚われたレベルに良かったです。
Viglooというアプリで配信された、韓国の1~2分×63話の縦型ショートドラマ。自動で次の話に進んでくれるので、YouTubeのshort動画感覚で次々に見てしまいました。しかも広告さえぶん回せば課金なしで数日で見切ることが可能です。(この点めちゃくちゃありがたかった。)
見ている人は見ていたかな、という印象で、そして見た人ほとんど全員が大絶賛していたイメージがあります。私もショートドラマの中でぶっちぎりの第1位に輝いています。というかもう殿堂入りです。
トップアイドルと
— Vigloo | ビグルー 日本公式 (@vigloo_japan) November 7, 2024
イケメン スタントマンの
胸キュン BLドラマ💘
「僕はそれ以上の関係がいい」
「付き合っちゃいます?」
2人の関係はどうなるのか...!?😳
本日より公開の「マッチプレイ」
ご視聴はViglooで👀#Vigloo #ビグルー #韓国ドラマ #ショートドラマ #マッチプレイ #BL pic.twitter.com/2obDkLfJOc
5年目の原則主義者であるスタントマンのジェヨンは、プライドの高いアイドル俳優ドハにアクションを教えること になる。ドハは何とかしてジェヨンを打ち負かそうとするが、ジェヨンはそんな彼を快く思わない。それでも次第にお互いに学び合い、心の距離が縮まっていく。そんな中、アイドルのコンテンツ番組に2人の姿が映り込んだことで、ジェヨンが思いがけず人気を得る。さらにはバラエティ番組にも出演することになり、ドハはジェヨンの冷めた態度に寂しさと嫉妬心を抱くようになる。撮影中、ドハが怪我を負ってしまい、ジェヨンは彼を叱りながらも手厚く治療する。その出来事をきっかけに2人は急接近し、ついにドハはジェヨンに告白する。しかし、所属事務所の圧力によりジェヨンはやむなくドハを遠ざけてしまう。最終的 にドハはライブ放送の場でジェヨンを呼び出して再会することになるが.....
スタントマン×アイドル、盛りだくさんのアクションに嫉妬、すれ違い、バスケットボール……。属性たくさん、本当に!!!良かった!!!!!(大声)
1番の推しポイントとしては、かなり良質なツンデレが摂取できること。ドハのツンデレ加減が本っっっっ当に最高です。私が𝕏で定期的に呟く「攻めに愛されている自覚のあるツンデレ生意気強気受けは世界に必要」の叫びポストの頻度がドハのお陰で倍増した気がします。ドハはまさに、まさに、その言葉通りのツンデレではないでしょうか。めちゃくちゃに可愛くて、不器用で、そして本当に愛おしい。
そしてそれを全部受け止める器の広い、頼りになるジェヨン。かまってくるドハに困惑しながらも、うまく受け止め流し返す飄々とした彼。翻弄させられようとも上手くかわすジェヨンと、結果それに翻弄されるドハの関係性にドキドキしてしまうこと間違いなしです。
アプリのダウンロードは必要ですが、ショートドラマの中でもかなり見やすい作品だと思っています。そんなに言うならちょっとだけ……とぜひ見てみてください。きっといつの間にか最終話に到達していますので!
未成年~未熟な俺たちは不器用に進行中~
現在絶賛放送中のこのドラマ。めちゃくちゃ良い。(語彙)
タイムラインにいる方大概が囚われ、心をむしゃくしゃにされ、そして涙している印象です。そしてそれは当然私も。韓国の漫画原作が故か、邦BLドラマでありながら少し変わった雰囲気を持ち合わせている印象です。それでもその文化の差は綺麗にドラマに落とし込まれており、すっと心に入ってくる感覚がします。(監督さんもインタビューでこの部分は意識したと仰っていました。)
「この感情に名前があるなんて知らなかった――――」
他人に無関心な優等生・水無瀬仁(本島純政)は、破天荒でクラスの問題児・蛭川晴喜(上村謙信)と関わらないように学生生活を送っていた。
しかしある日、水無瀬が学校の外で偶然見てしまったのは、父親に殴られて傷だらけの蛭川の姿。
思いがけず秘密を知ってしまった水無瀬は、これ以上深く関わらないように距離を置こうとするが、学校にいるときとは別人だった蛭川の姿が脳裏から離れず・・・。
学校では見えなかったお互いの一面を知った二人は、
次第にこれまで感じたことのない感情が芽生えてきて――。
海・水をテーマとして、教室内で正反対の立ち位置にいる蛭川と水無瀬が「孤独」「かわいそう」という共通点をもって心を通わせていく物語。高校生らしい未熟さと不器用さを持ちながらも懸命に手を取り合う2人が愛おしくて、思わず涙してしまいます。
演技、映像美、音楽……何もかもが良いのですが、私はこの作品の対比表現が本当に大好きです。それは言葉で語られることもあれば、彼らの表情だけだとか、立ち位置、動きや映像でも。ドラマ化の意味をひしひしと感じる部分でもあると思っています。
特に6話のラストシーンが私は印象的でした。水のないプールの中で座り込む蛭川と、そんな蛭川から離れて道を歩く水無瀬。物理的に上と下という差が生まれ、さらには2人の距離が離れて行ってしまう描写に強く感じた寂しさを今でもありありと思い出せます。なぜそうなってしまったのか、なぜ強く寂しさを感じたのかは、ぜひドラマ未成年を見て確認していただけたらなと思います。
12月30日に9話が放送され、いよいよ1月6日に最終話を迎えるドラマ「未成年」。FODではこれまでの話が一挙配信されています。ぜひ皆さま一緒に、水無瀬と蛭川を最後まで見届けましょう……!私はこの予告を見て泣きました。最終回を迎えた暁には一体どうなってしまうのでしょうか。生きて帰りましょうね……もう怖いです……手をつないで一緒に見てください……(???)
最後に
いやぁ……書いたな。書きましたね……。
いや、ここまで書く予定ではなかったんです。ただ、ただ書いているうちにここも好き、あれも好き、と思うとあれよあれよとこんな文章量に……。
まずもし上記の文章すべてを読んでここを読んでくださっている方がいらっしゃるなら、本当に、本当にありがとうございます。まとめるという言葉を知らないのかもしれません、私は。もちろん、飛ばし飛ばしでも、1行でも私の文章に目を通してくださった方、本当にありがとうございます。ただ言葉にするのが好きなだけのオタクの文章ではございますが、楽しんでいただけたら幸いです。
正直まだこの何倍も好きな推しポイントを書ける自信があります。まだまだあります、推しポイント。(え)
それでも私の大好きな作品の魅力が少しでも色んな方に伝わったのであればこの上ない幸せです。さらには見たことのない作品をこれきっかけで視聴してくださる方がいたら、もう本当に、それ以上に幸せなことはないです。
特に今年はBLドラマが豊富な年でしたね。特に夏!本当にすごかった。私は海外作品含めTVerだけで計9作品を同時に追っていた時期もありました。よく乗り越えたなぁ……(懐かしい)。皆さまも自分のお気に入り作品にたくさん出会えた年になりましたでしょうか?
来年の1月には既にBLとGL邦ドラマの放送も決定していますし、規模の大きなBL映画も(私の知る限りでは)3作も制作発表されています。来年も楽しみがたくさんですね。
2025年もBLに溢れた良い年となりますように!