白と黒は、　光と影？

　新型車、デザイン説明しにいくと、スイスの番頭さんが言うんだな。

なぜ日本人は色として、
白と黒を好むんだ？

白と黒は光と影。

光と影は、色ではなく、自然だという
色とは人が作ったモノ。
だから工業製品に
合うんだと。

持論トークは楽しいが、それならコチラも力説する。
この白は、単なる光じゃありません。
従来の、目に優しい黄味を混ぜた白ではなく、トコトン混ざりっけなしの人工的な白、他車では真似はできません！
黒はホラ！見る角度によって滑らかにキラめく黒。メタリック風にミクロンサイズの金属破片を入れたけど、その一つひとつの角を丸くカットする事で、実際の影にはない、やわらかな印象の黒を発明しました、、あなたの国の険しく厳しい自然の中で、この新型車のカラーは浮き出て見えるはずです。あなたの国の美しい自然に溶け込むのではなく、アグレッシブに存在を際立たせます。(笑顔)

その年、導入したクルマで過去最高の販売台数を数え、欧州一の売り上げを記録した。

営業部の先輩のその国にかけた情熱を引き継ぎ、群馬の地で商品を開発する技術本部の仲間と交わした未来の夢、そしてその国の人が何を求めているか一店一店回り握手して飲み交わしての結果かな。

あの怖い顔をした番頭さんらが、自信を持って売ってくださったのがなにより嬉しく思う。

了