人種がちがう
IT業界に入って半年くらい経ったとき
「新卒で未経験の子が二人入ってくるからよろしく」と
上司にフォローを頼まれた。
というわけで急に二人の後輩ができた。
そのうちの一人について強く感じたことがあったので、
今日はそれについて書きたい。
その人を犬さんと呼ぶことにする。
小柄で、ジャニーズにいそうな可愛らしい顔立ち。
犬さんは、とにかく素直な人だった。
腰が低く、一生懸命で、
周囲から可愛がられる人だった。
言葉を崩すと、「めちゃめちゃいい子」である。
以下そんな犬さんの人柄がわかるエピソード。
初めてやる作業を教えるとき、よくpcでメモを取っていた。
そのメモの名前は「学んだこと.txt」だった。
（そんな名前にするやつ、いい子しかおらんて。。。）
またある日は、オフィスチェアすべてにシールを張るという作業があった。
まだ勤務時間中のためみんな使用中の椅子だ。
犬さんは率先して動いており、隣のチームの椅子にも一人ずつ頭を下げながらシールを貼っていた。
（知らない人と関わることに抵抗とかないんか？？？？）
わたしは、そんな犬さんをみて
大事にされて育ったんだろうなあ、と思った。
完全にわたしの主観であるが、
人を疑うことがなさそう。
苦労した経験がなさそう。
将来優しい奥さんを見つけて、
子供が出来たら同じように愛情を注いで大事にするのだろう。
犬さんのまっすぐさが眩しくて、性根のねじ曲がったわたしはすこし苦手だった。
そんな犬さんはこないだチームを異動したので後輩ではなくなった。
そしてわたしは犬さんが中途半端に残していった仕事の手直しを任された。
（犬さんは深々とお礼と謝罪をした。どこまでもいい子である。）
クソ忙しいので内心キレながら対応した。
もう多分関わることはないのだけれど、どうかこのままの犬さんでいてほしい。