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アナログの3番目、原点回帰。
アナログレコード、フィルムカメラの次のアナログ3番目、定番の機械式腕時計というわけです。生活リズムとか、視認スピードとか、アナログの安心感(最近は心理的安全性が色々言われていますが…)は、六十を過ぎると確かに心地よい選択肢と思います。
割と定番のアナログ時計推しですが、60歳の記念に一番好きになって、これから一生身につけるようなものを買おうと思っていました。相方には、万が一(どこかで事故に遭ったりして身元確認が必要な時とか…)形見となるようなものにする!と宣言して1年以上前から選定していました。
新品というより中古や70年代くらいの腕時計はかなり好きで、中野のブロードウエイのレトロ系ショップや個人のガラスケース出店は必ず回覧ツアーしますし、旅行とかでかけても、特にファッション系のリユースショップを見かけると必ず入店し、小物のガラスケースを見つけると、今時の若者が流行りのレトロ系の腕時計を、飽きて売りに出してないかと鋭く眼光を光らせています。
古くからある街並み、特に有名な観光地では人混みの中心から外れた、地元の人たちが通う商店街の外れにあるような、昔ながらの時計店舗も、近くにあるお土産さんに聞いたりして覗くほどです。もしかしたら、30年前の値段で当時のアナログ腕時計が売っているかもしれないからです。(余談ですがこれら普通のお店なので観光日和の休日とかは閉店しており、今まではすべて空振りでした)
散々逡巡した結果、手に入れたのが、タイトルバックのOMEGA Speedmaster Automaticです。お店の人によると70年代製ということです。OMEGAと聞いて、やっぱり海外ブランド信仰なの?と思われるかたもおられるかもしれません。実は、国産が好きで会社経営していた時は、新品のGrandSeikoを身につけてましたし、仕事で訪れた台湾では現地の人に「さすが日本人です!アジアの誇りに思いますね!」とすごく褒められたこともありました。また中野で買った中古のシチズンは価格の何倍ものメンテ費用がかかりましたが、すごく好きでおしゃれに合わせて楽しんでます。
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私が今回買ったOMEGA Speedmaster Automaticは、月面着陸やアポロ13号の逸話が有名です。最新のモデルは、テンプの動きを重力や腕の動きから矯正するCoAXIALシステム搭載や、アポロ計画のスヌーピーモデル(孤独な宇宙飛行士を慰める目的だった!?)とか、SWATCH OMEGAとかやたら流行の煌びやかな話の方が知られてますが、実はその前段の米ソ宇宙軍事開発競争の有人飛行実験ともいう、地球周回飛行のマーキュリー計画で、宇宙飛行士ウォルター・シラーが自前のOMEGA Speedmaster Automaticを持ち込んだのが始まりと言われています。
私が手に入れたOMEGA Speedmaster Automaticは、中古としてそれなりで安くはない(御徒町で30万ほど)のですが、このシリーズでは中古で最も安価です。実はムーブメントはOMEGA製ではなく、Sallitaという同じスイスの廉価なOEM専門メーカー製です。おそらく当時ライバル企業であった米国ブライトリングとアポロ計画の宇宙飛行士採用の腕時計の熾烈な売り込み競争をしていたようで、そのブランド波及を狙ってOMEGAがアメリカ市場で売りやすいように、見かけが同じ安価な普及品(当時日本円でも15万程度)として製造販売されたものと思われます。
そんな安価なOMEGAですが、50年前の中古の割に大事にメンテがされており、定評あるSellita製のムーブメントの精度はかなり良く、日差5〜秒程度と思われます。一週間に1分ほど時報に合わせることで、毎日は秒単位で正確に時を刻み、特に通勤での気持ちを上げてくれる大事な相棒です。
ちなみに古いOMEGAは39ミリ径のケースで、今で言うボーイズサイズです。万が一の時にどうすると相棒に聞いたところ「うん。私がつけても似合いそうなので、形見は大事に使わせてもらう(笑)」とのことです。どちらにしても、買ってすごくよかったです。