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『大都会の愛し方』(ドラマ)が沁みる件について

皆さん、『大都会の愛し方』(ドラマ)をご覧になっただろうか。

結論から言うとすごく良かった。
今年見たドラマで5本の指に入るくらい良かった。

感慨に浸りながら、あらすじと感想(ネタバレあり)を下に書いていこうと思う。(中国語で見たので表記ゆれがあるかも)


あらすじ(全8話)

1・2話

主人公コ・ヨンは梨泰院に足繫く通うゲイの大学生。写真家として働くナムギュとのキスを偶然同級生のミエに見られたことから不思議な縁が始まる。

3・4話

大学を卒業し、作家としての志を立てたコ・ヨン。病気の母の面倒を見る生活を送る中で、読書研究会に参加するときにヨンスという男と出会う。

5・6話

作家としての生活も順風ではなく、執筆を続ける中で仕事を始めたコ・ヨン。ギュホという青年とバーで運命的な出会いを果たす。コ・ヨンはギュホと恋仲になる前に”ある秘密”を明かすのだった…

7・8話

発表した作品が文学賞をとったコ・ヨン。ささいなきっかけで、日本人の男とワンナイトを送る。その男とバンコク旅行に行くことになるがコ・ヨンはまだギュホのことが忘れられずにいた。

感想

大都会で愛を探す一人の人間

クィア作品ではあるものの、主軸はあくまでも「一人の人間が大都会で愛を探す」という普遍的なテーマ。

失恋、親との関係、介護、キャリアなど、誰もが悩む人生の問題が含まれている。

コ・ヨンを支える人たちも人間らしくて、見ているうちに愛着がわいた。
特に、ゲイ友達の三人衆はコ・ヨンがどんなに窮地に陥っても助けてくれて優しすぎた。可愛いキャラだと思った。

自由かつ開放的、だけど孤独な大都会

大都会ではさまざまな愛情が繰り広げられる。
コ・ヨンの親友であるミエの結婚や、コ・ヨンのゲイ友達(名前忘れた)がプロポーズされるなど、日々多くの人が愛情をはぐくむ。
一方で大都会は孤独を倍増させる。主人公は物語の中で自分だけ愛情を見つけられないような孤独を抱く。(それはゲイであることも多少影響していそうではある)

物語は韓国だけにとどまらない。
ゲイクラブが立ち並ぶ韓国の梨泰院から、中国の大都市・上海、LGBTQに寛容とされるタイのバンコク、とインターナショナルな都市が登場する(最後には日本も少しだけ関連してくる)

大都会の性質がよくわかる秀逸な描写だなと思った。

韓国BLドラマの新たな1ページ

『大都会の愛し方』を見た後は韓国BLドラマに対する見方ががらっと変わった気がする。

先ほども述べたが、この作品はとにかくリアル。
HIVや世間の同性愛への差別、自身のゲイアイデンティティに対する葛藤、キリスト教など、同性愛者が直面する問題や悩みを描いている。
(正直「BLドラマ」という枠や表現でいいのかという疑問は未だにある)

ナイトライフを描くということで、肌色シーンも結構多かった。
韓国ドラマといえば肌色シーンの規制が多い印象があったので、その意味でも挑戦的な作品だと感じた。


…と、長々感想を書いたが、素晴らしい作品なので見る機会があったら皆さん是非見てください。



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